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“未来”をつくれるデザイナーになるため、愚直にユーザと向き合うーープロダクトデザイナー・竹村知洋

2020年3月に業務委託としてジョインして、現在では正社員としてウォンテッドリーのプロダクトデザインチームを牽引し続けてきたデザイナー、竹村知洋。3年間の間には、それまでチームを支えてきたベテランのメンバーが立て続けに抜けるなど、大きな組織の変化もありました。

しかし竹村は、ウォンテッドリーのプロダクトづくりを取り巻くカルチャーは今も昔も変わらず、デザイナーとしてのスキルを拡張し、自らの思い描くコンセプトの実現に挑戦する上で、ここが最適な環境であると語ります。

フリーランスと正社員、2つの立場からデザインチームに参画した竹村だからこそわかる、ウォンテッドリーの働く環境としての魅力とは。インタビューにて話を伺いました。

<写真:後藤あゆみ / 執筆:藤田マリ子>

デザイナーが事業をリードできる珍しい環境

ーー竹村さんは経済学部の出身なんですね。デザイナーを目指そうと思ったのは、いつ頃のことだったのでしょうか?

竹村:学生時代は自分が何をしたいのかが決まっていなくて。就職活動では、友達と同じように銀行や自動車メーカーの営業職を受けていたのですが、説明会や面接で具体的な仕事内容をを聞いているうちに、「自分はこっちじゃないな」と思うようになりました。

小さい頃から絵を描くのはずっと好きだったので、クリエイティブな領域で何かできないかと思って、大学卒業後に1年間Webのデザインスクールに通いました。Webデザインについて学ぶうちに、「自分がやりたいのはこれだ」と確信して、東京のIT企業にWebデザイナー職で就職したという流れです。

ーー大学卒業後に1からデザイナーを目指すことについて、不安や迷いなどはありませんでしたか?

竹村:不安はまったくなかったですね。まだ若かったこともあって、やりたくないことをやるぐらいなら、給料は少なくてもいいからやりたいことをやっていたいという気持ちが強かったです。あとは、スクールで課題に取り組む中で、先生からのフィードバックや生徒とコミュニケーションを取るうちに「やっていけそうだな」という手応えも感じていました。

ーーそこからアウトソーシング系のIT企業、WEBの制作会社でご経験を積まれて、フリーランスに転向しようと思ったきっかけはなんですか?

竹村:前職では、クライアントワークでWebやアプリのUIといった表層の部分のデザインをしていたのですが、代理店を挟む案件が多く、クライアントさんからのフィードバックや反応にとても嬉しさややりがいを感じる反面、エンドユーザーにとっては良かったのか悪かったのかがわからない点にモヤモヤを感じるようになりました。

「ユーザーがどういった課題を抱えているのか、その課題を解決するにはどうすべきか」を上流工程から考えるデザインがやりたいと思うようになり、制作会社を辞めて、ウォンテッドリーを含めた事業会社3、4社で、業務委託として働き始めました。フリーランスに転向したというよりは、いくつかの会社で働く中で、次に入社する会社を検討していたという感じですね。

ーー他の会社も経験した上で、ウォンテッドリーに入社しようと決めた理由はなんですか?

竹村:どの会社もいい会社ではあったんですが、どうしてもビジネスはビジネス、開発は開発という部門ごとの垣根があるように感じました。一方、ウォンテッドリーは、ビジネス、マーケティング、エンジニア、デザイナーといったさまざまな職能の人が一丸となって、本気で1つのプロダクトをつくりあげていくカルチャーが非常に印象的で。みんなが同じ目線に立ってフラットに意見を言い合える環境がとても働きやすく感じ、入社を決めました。

あとは、デザインシステムがきちんと組み上げられていた点や、会社としてのデザインに対する理解やこだわりにも魅力を感じました。

ーー社内のデザインに対する理解が特に高い理由はなぜだと思いますか?

竹村:代表の仲の存在が一番大きいと思います。そもそも最初は、仲自身がプロダクトをデザインしているため、デザイナーへの理解やリスペクトがすごく高い。その結果、デザイナーがすごく大きな裁量を持って働けているように思います。

他の会社だと、先にビジネス観点での方針があって、じゃあデザインはこういう方向性、という決まり方をすることが多い中、デザイン主体でプロダクトをつくっていけるのは、ウォンテッドリーならではだと感じますね。

業務委託から社員になっても、“働き方”は変わらないと思った


ーーウォンテッドリーに入ってからは、どのようなお仕事を手がけられてきたのでしょうか?

竹村:フリーランスとしてジョインしたのが、ちょうど「Pulse」などのエンゲージメントサービスの立ち上げの時期でした。Pulseのプロジェクトにジョインした当初は、考えたユーザーストーリーから数パターンのコンセプトデザインを作成して、それをベースに議論を進めながら最終的なデザインを決めていく、みたいなことをやっていました。

あとは、「Wantedly Visit」というメインプロダクトのグロースを、当時から現在に至るまで継続的にやっています。プロダクトの定量データから課題を抽出して仮説検証をすることが多いのですが、昨年に行ったユーザーアンケートやヒアリングのような定性調査からユーザーの本質的な課題を吸い上げ結果的にインパクトのある施策を打つことができました。


Wantedlyを利用して採用したいと思ってくださった企業様がプランを契約するフローを刷新。 契約期間とプランの選択画面や支払い方法、確認画面などの情報整理、一貫性のあるUIへと統一すると同時に、これまで顧客が抱えていた課題の解決を行なった。
Product Design:Tomohiro Takemura
「何でシゴトを探すか」の解像度が比較的高いオーガニックから流入するユーザーに向けて、仕事の価値観や働く環境、職種などから検索できるカテゴリーページをリリース。
Product Design:Tomohiro Takemura


ーーメンバーの入れ替わりや、組織体制の変化など経験されたと思いますが、当時はどのように感じられていましたか?

竹村:メンバーの入れ替わりに対する寂しさや不安はありましたが、自分の裁量が増えることに対するワクワク感やポジティブな気持ちも大きかったです。

実際に体制が変わってからは、より能動的に動く機会が増えました。フリーランスとしてジョインしてから、デザインツールが少しずつ変わったり、ワークフローなどに「ここはやりづらいな」と感じる部分があったので、そうした「デザイン負債のリスト」をつくり、定期的にチーム内で確認して負債返済していくという取り組みも始めました。

ーー1年半ほど業務委託として働かれたのちに、正社員に切り替えられたということですが、フリーランスから社員になったことで変わったことなどはありますか?

竹村:働き方はいい意味で変わっていないと感じます。僕のいるSquadでは基本出社やリモートなどの制限はないので健康面で少し不安があった場合なども柔軟に働き方を変えられるのでとても働きやすいですね。

あとは、社員になったことで社内イベントに出られるようになったのはすごく嬉しいです。Wantedlyの社内イベントはとても賑やかで全員が参加型なのでフリーランス時代は社員の方のイベントの話を聞いてとても参加したいと思っていたのを覚えています。(笑)

ビジョナリーなデザイナーの存在が不可欠

ーー現在、プロダクトチームで抱えている課題などはありますか?

竹村:プロダクトデザイナーの仲間を増やすためにも、デザインチャプターとして何をすべきかの意思決定や、ピープルマネジメントができるデザインマネージャーの存在は絶対的に必要だと思っています。

そうしたマネジメントの経験は、僕を含めた今のメンバーにはまだ足りておらず、強化していきたいと思っています。

ーーどんな方に、デザインマネージャーとしてジョインしてほしいですか?

竹村:「こういうデザイン組織をつくりたい」という自分なりの意志を持っている人ですかね。現状、組織のあり方について自分たちでアクションを起こせているわけではないので、一緒に組織を変えていけるような、未来志向の人に入っていただけると嬉しいです。逆に今あるチームに染まってしまうようだと、あまり意味がないのかなと。

ーーいま、ウォンテッドリーのデザインチームにジョインする面白さなどはありますか?

竹村:ウォンテッドリーのデザインシステムってすごくよくできていて、誰がやっても一定のクオリティが担保できるようになっているんですが、一方で余白もすごく残されていて。プロダクトデザイナーが自由に表現できる余地があるので、まだまだこれから新しいウォンテッドリーのブランドをつくっていけるフェーズにあると思っています。そこをやりたい人には、すごくいい環境なのかなと思います。

目指すのは、会社とプロダクトの“未来”を決定づけられるデザイナー


ーー竹村さんがデザイナーとして実現したいことなどはありますか?

竹村:年齢を重ねるにつれてけっこう変わってきていて。最初は絵がつくれるだけで楽しかったところから、ユーザーの課題を考えられるデザイナーになりたいと思うようになり、最近は“未来”をつくれるデザイナーになりたいと思っています。

ウォンテッドリーやそのプロダクトが今後どうなっていくべきなのか。もちろん自分勝手に未来を描くだけではダメで、ユーザーが課題に感じていることを理解したうえでそのソリューションをコンセプトとして表現できる、ウォンテッドリーやプロダクトの未来を決定づけられるデザイナーになりたいですね。

ーー未来をつくれるデザイナーになるために、今後取り組みたいことはなんですか?

竹村:自信につながるような成功体験を、個人としてもチームとしても積み重ねる必要があると思っています。自分の中に自信がつかないと、未来ってつくれないと思うので。

個人的には、UX領域の経験が不足していると感じています。この1年はそこの部分を強化するために、アンケートやヒアリングを通じてユーザーの定性調査に力を入れてきました。その中で、これまでの定量調査では見えなかった課題もたくさん見えてきたのですが、そのソリューションをプロダクトデザインに落とし込む段階では、まだまだ課題が多いと感じます。ある程度数をこなすしかない部分もあると思うので、仮説検証のサイクルをつくって、プロダクトのグロースをちゃんとやりきることが大事なのかなと思います。

ーー最後に、プロダクトの未来について、いまのビジョンを教えてください。

竹村:「Wantedly Visit」の強みは、カジュアル面談や気軽に会社訪問できるところにあると思っています。いまはその価値を、より没入感のある形でプロダクト上でも演出したいなと考えていて、コンセプトの検証を進めているところです。ぜひ今後のアップデートに期待してもらえたらと思います。

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