ボードゲームで「性格診断」の"体験価値"を高める|「THINK×SYNC」 デザイン解説 | Wantedly Design
ウォンテッドリーは2024年3月、「Wantedly Assessment 性格診断」をリリースしました。特定の質問に答えることで、仕事における自身の「性格タイプ」と「個人傾向」を知ることができ...
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ウォンテッドリーというブランドと市場の接点、そして新たなユーザーや顧客との関係を築いていくーー。そんなミッションを担う「Communication Design Squad」にてコピーライターとして活躍するのが、2021年11月に入社した植村明弘だ。
20代後半でコピーライターになった植村は、人材サービス企業や制作会社でキャリアを積み、働く中で「企業のブランディング課題」について疑問を持つようになった。そんなときに出会ったのが、ウォンテッドリーだった。
自身とプロダクトの思想とのマッチにより入社を決めた彼が感じる、ウォンテッドリーのデザインチームで働くことの魅力とは?これまで取り組んできたプロジェクトに触れながら、詳しく話を聞いた。
<取材・執筆:鈴木梢>
ーー植村さんはウォンテッドリーに入社されるまで、ちょっと変わった経歴をお持ちですよね。最初は公務員を目指されていたとか。
植村:大学では法学を専攻していたので、その知識を活かすために公務員を志していました。採用試験を受ける中で、PR施策を考える仕事に興味を持つようになってきまして。であれば、そういった仕事は民間企業でもできるのではないか?と思い、就職活動をすることに決めたんです
ーーそうして広告代理店に営業職で入社されたそうですが、それからコピーライターを目指した経緯について教えてください。
植村:営業を担当していた間も、「クリエイティブな仕事をしたい」という想いはずっと持っていました。ただ、デザインなどの特別なスキルがあったわけではないので、なかなか踏み出す勇気を出せずにいたんです。
そんなときに、友人から「コピーライティングを学ぶ講座に通っている」という話を聞いて。それで私も興味を持って、勉強し始めたのがきっかけでした。
ただ講座に通っているだけでは道が開けないと思ったので、広告賞の公募にも挑戦したりと、とにかく実績を増やすためにたくさん行動していました。通勤時間やお昼休み、仕事終わり。空いている時間があればノートを開いて、ひたすらコピーを書いていましたね。
ーーその後は、どのようなキャリアを歩んだのでしょうか?
植村:広告代理店を退職し、求人広告を扱う会社に入社しました。選んだ理由は、「とにかく書く量が多い仕事だったから」というのがあります。たとえば新卒からコピーライターを始めた人に比べて私は圧倒的に経験値が足りないので、集中してたくさん書くという経験が必要だと思ったんです。
その後、クリエイティブの幅や取材力を高めたいと考え、制作会社へ転職しました。そこでは、ディレクターという肩書きで、Webサイト、チラシ、パンフレット、動画、イベント運営など、本当に幅広いクリエイティブのディレクションを担当しました。
ーー伺っていると理想的な会社に出会えたようにも思うのですが、そこから転職されたのはなぜだったのでしょうか。
植村:話は求人広告のライター時代に戻るのですが。一番やりがいを感じたのは、世間的にはあまり有名ではない企業の魅力を引き出して、応募数や内定などの結果につなげられた時でした。
その後もさまざまな企業に出会い、「今はまだ注目されていない魅力的な企業を、クリエイティブの力で広めていく仕事」に興味を持つようになっていったんです。
というのも、「いい会社なのに世の中に伝わっていない」というもどかしさを感じることが多くて。ある日、企業の代表をインタビューした時に「ブランディングは予算がないと続けられない」と言われて、その言葉に根本的な課題の深さを突きつけられたように感じました。
ーーウォンテッドリーに入社されることになった経緯を教えてください。
植村:カジュアル面談で、事業内容を詳しく聞きました。その時に、ウォンテッドリーが「条件や知名度ではなく、共感を軸にマッチングする採用サービス」だという話を聞いて、自分のやりたいこととすごく合っていると感じたんです。
面談後には、「この会社で自分ができることに挑戦してみたい」という気持ちが大きくなり、選考に進むことを決めました。今までは「自己成長」という軸だけで会社を探してきていたので、共感軸も含めて選んだのは初めてでした。
ーー入社されてからは、どのようなお仕事をされてきましたか?
植村:最初は運用支援という、Wantedly を利用し始めた企業様の立ち上げを支援する部署に配属されました。それからWebマーケティングの経験を積んだ後に、デザインチームにコピーライターとして異動することになりました。
ーー様々な部署で幅広い経験を積まれたのですね。現在のデザインチームでは、どんなお仕事に取り組まれていますか?
植村:具体的な業務でいうと、「FUZE」という Wantedly の利用企業が集う大型イベントがあるのですが、そのコンセプトのコピーを考えたり、来場者限定で配布する「FUZEBOOK」の編集をしたり。直近では、オリジナルボードゲームを制作する機会があり、そのネーミングやカードの制作にも携わる機会も。限られた制作期間の中で、修正を何度も繰り返しながら、完成を迎えられたときは達成感がありましたね。
ちなみに、このボードゲームもイベント来場者限定でプレゼントすることになりまして。自分が制作に携わったものを、自分で手渡しで届ける。これまでにない体験だったので、喜んで受け取っていただけたときは、何ともいえない感動がありましたね。
「FUZE2025」では特設ブースを設置し、来場者限定でボードゲームを配布
他には、ウォンテッドリーのブランドに関わる要素をまとめた「Brand Book」も制作しました。Brand Personality や Visual Identitiy など各要素は既に定義されていたのですが、あまり社内に認知されておらず。かつ、それぞれの要素がどのように関連しているのかが分かりづらいという課題があり、そこを整理していきました。
こうしたブランディングに関わる仕事は長く会社に残っていくもの。これまで先人が築いたものを継承しながら、アップデートすることができて良かったです。
ーーインハウスでクリエイティブ業務に携わる醍醐味はどのようなところにあるでしょうか?
植村:正直、異動前は、どんな仕事があるのか見えない部分も多かったのですが、実際に飛び込んでみると、想像以上に幅広い領域に携わっています。
プロダクトの言葉づくりやブランドメッセージはもちろん、イベント、広報、社内コミュニケーションまで。一社にいながら、まるで複数の企業の案件を横断しているような感覚です。
クライアントワークだと、どうしても「届けた瞬間」で関係が切れることもありますが、インハウスはそこからがスタート。 制作したものが、社内外でどう受け取られ、どんな変化をつくっていくのか。プロセスを見つめ、必要に応じて磨き直す。事業の成長のために伴走できるのは、大きな醍醐味です。
なかでもウォンテッドリーのデザインチームは、“良い表現”より“良い体験”をつくることに真剣です。言い回しの巧さやビジュアルの洗練さだけでなく、人の行動や態度がどう変わるかまで考え抜く文化がある。その思考の厚みに触れるたび、自分にも強い責任が生まれていく感覚があります。
ーーデザインチームの一員として、どのような価値を発揮していきたいと考えていますか?
植村:ウォンテッドリーのデザイナーは、最良のアウトプットを出すために、こだわりが強く、最後まで粘り続けています。たとえば、パンフレットの表紙デザインも何パターンも制作してとことん議論しますし、展示会で使用するカーペットの色ひとつとってもサンプルを取り寄せて丁寧に吟味します。一緒に働いていて、意識の高さに驚かされることばかりです。
そうして、こだわりを持ってブランドをつくりあげてきた歴史があるからこそ、社内からの信頼も厚い。私もデザイナーへのリスペクトを持ちながらも、デザインを牽引するようなコトバを開発していきたいなと。
いろんな情報や散らかったアイデアを、分かりやすくコンセプトワードとしてまとめていく。方向性が決まれば、なにを、どうデザインしていけば良いか明確になると思うので、そういった役割を担っていきたいですね。
ーー最後に、今後の目標について教えてください。
植村:コピーライティングというのは自分の強みではあるものの、課題解決の手段のうちのひとつでしかないと思っています。なにが最良の打ち手なのかを考えて、全体のコミュニケーションをデザインできるようにしていきたいです。
また、これまで運用支援の部署で顧客対応をしてきたことや、Webマーケティングの経験などは、デザインチームにおいて自分にしかないユニークな知見だと思います。
その経験を活かして、企画、コンセプト開発、ディレクションなど、より戦略的な部分から価値を提供していきたい。そうして、もっとWantedlyと顧客の接点を増やしていけたら嬉しいですね。