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学生にとってJBAでインターンをする魅力の一つとして挙げられるのは、「学生も社員も関係ない」というフレーズ。この言葉をまさに体現したプロジェクトの一つが、今回取り上げる大手BtoC化学メーカーへの社史提案のコンペです。コンペの話をいただいてから提案まで一か月もない、スピード感のあるスケジュールのなか、戦略・コンセプト設計から、制作、そして提案まですべてを学生が中心となって進めました。今回はその中心となった学生3名がこのプロジェクトから培ったものについて振り返りました。
小南明日香 / 周年社史事業部 コンサルタント
北海道大学農学部3年。北海道出身。
JBAには2023年3月に入社。本プロジェクトでは学生にしてプロジェクトリーダーを務め、商談にも参加するなど活躍の幅を広げている。
水野咲季 / 周年社史事業部 コンサルライター
北海道大学生命科学院修士1年。静岡県出身。
JBAには2023年3月に入社。コンサルタントとして入社したものの、本プロジェクトから本格的にライターにも挑戦。
中村明日建 / 周年社史事業部 コンサルライター
京都大学人間・環境学研究科博士課程1年。東京都出身。
JBAには2023年9月に入社。入社後すぐに本プロジェクトに参加し、コンセプト設計や執筆に加え、漫画家としての経験を活かして、漫画プロットの作成でも活躍した。
コンペに挑戦したかった理由
(水野)提案が終わったばかりではありますが、さっそくA社のコンペについて振り返っていきたいと思います。
プロジェクトが動き出してから提案まで1か月もなく、かなりスピード感のあるプロジェクトでした。あっという間でしたね。コンペまでの期間を振り返り、今の率直な思いを教えてください。
(小南)この期間は家でも学校でも、夢のなかでさえ、ずっとA社のことを考えていましたね。今思うと、こうすればよかったと思うこともありますが、ひとつ大きな仕事をやり切った達成感を感じています。
(中村)小南さんは、リーダーとして先頭に立ってプロジェクトを進めていましたが、そもそもなぜリーダーをやることになったんですか?
(小南)最初はA社のコンペの話があるという話を社員さんから聞いて。既に進行している他社の案件も多数あることから正直やるかどうかは分からないっていう話だったんですが、「ぜひやりたいです!」と、想いは伝えていました。というのも、前から水野さんとコンペやりたいって話していたんですよね。
(水野)そうです。学生主体のコンペをやりたかった。自分たちにとって成長の機会になると思っていたのはもちろんですが、理由は他にもあります。
私たちが携わっているプロジェクトの中に、札幌拠点の先輩が中心となってコンペで勝ち取ったJBAの中でも最大級の社史制作プロジェクトがあります。私たちは先輩たちのバトンを受け継ぎ、その制作段階に携わることで日々貴重な経験ができています。今後JBAに入る学生のために、そういう機会を繋いでいかなければいけないと思ってました。
また、私たちが普段働いている札幌拠点は学生だけで運営していますが、オフィスの賃貸料や光熱費など、かなりのコストがかかっています。今後も拠点が存続していくためには、学生がそのコストを超える利益を出すことが必要だとも思っていたので、それを示せる明確な成果を出したかったというのもあります。
(小南)水野さんがおっしゃったように、学生にJBAの環境を広げたいと思ったのも一つです。私は北海道で生まれ育ったため、地方の情報格差は身に染みて感じています。中心都市と変わらぬ情報に触れることができる環境が札幌にあることで、私のように救われる人は絶対いると思っています。環境をつくるためには、今の私たちが実績をつくって、「すごい!」「面白そう!」と思ってもらうことから始まると思っていました。今回のコンペはまさに絶好の機会です。
あとは、決断の理由にはJBAに入ったときに社員さんから紹介していただいた小宮一慶さんの「なれる最高の自分になる」という本がベースにありました。一生懸命に取り組むことによって、自分の本当の強みや弱みを知ることができるのだと書いてあり、JBAはまさにこれを体現する場だと捉えています。特にコンペはわかりやすくチャンスだと思ったので、正直「やります」以外の選択肢は頭になかったです(笑)
ただ、社員さんは他プロジェクトが複数山場にあって、社員さんはコンペに注力できない状態だったため、参加するかどうか迷っていました。それでも「コンペをやりたい」という想いと「中心となって進める」という意思を何回も社員さんに伝え、学生中心で最後までやり切ることができるならということで許可をもらいました。リーダーをやるにあたっても、「なぜやりたいのか」「このプロジェクトをやることがなぜ必要なのか」を明確にしていたことで、より熱意をもってやり切れたと思います。
(中村)そんな裏話があったんですか。その熱意に巻き込まれて、みんなの熱量が上がっていったんですね。
100時間以上におよぶ企業理解
(小南)中村さんは、JBAに入ってすぐこのプロジェクトに参加しましたよね。いきなり怒涛の1カ月間を過ごすことになったと思いますが、どんな期間でしたか?
(中村)僕はJBAに入ったばかりで何も分からない状態からのスタートだったので、とにかく無我夢中でした。この1か月は、A社の魅力とともに社史の魅力を知った期間でしたね。A社は全く触れてこなかった業界だったので、世界観を掴むのには苦労しましたが、新しい知識が増えていくのは純粋に面白かったです。最初はここまでこのプロジェクトに関わるとは正直思っていなかったんですが、普段当たり前に目にしていた商品や売り場の風景がどうやって出来上がっていたのかという背景を知れるのが面白くて、気づいたらがっつり入り込んでいましたね。
(水野)私たちも社史のコンペは初めてで何から始めればいいかも分からないところからのスタートでしたが、全体を通して、とにかくA社を理解するために時間をかけたなっていう印象が強いですね。社史のコンセプトを決める前の段階ですら、企業理解に全員あわせて100時間くらい使ってますよね。
(中村)初めはA社や競合他社のウェブサイトをみたり、商品のレビュー記事、開発秘話を調べて、A社にしかない魅力を探すとこから始めましたよね。業界全体についての知識からA社の立ち位置まで調べつくしました。
(小南)その都度新しいその企業らしさがみえてくるのが、企業の奥深さを感じますよね。途中でまだまだ企業理解が足らないと感じて、JBA内でA社の別プロジェクトを担当している社員さんにお話きいたり、友達にもA社のイメージや商品を使った感想を聞いて、とにかくA社に関する情報はとことん集めましたね。何かのファンになると、人は誰よりも詳しくなろうとすると思うのですが、JBAの仕事も共通する部分があり、クライアント企業のファンになって知り尽くし、相手以上にその企業を考えることが何よりも重要であると思っています。今回もまさにA社のファンになりました(笑)
(水野)私と小南さんは実際に2人でA社の商品を買いにいって、使い始めたりもしましたね。実際に手に取ったからこそ分かったこともありました。途中からは、A社の商品をオフィスの机に飾りながら仕事してました(笑)
(小南)コンセプトが決まり、実際にお客様に見せる仮のコンテンツを作る段階では、これまでのJBAのコンペとはだいぶ違う作り方をしましたよね。これまでは、実際文章をつくるところは別のライターに依頼することがほとんどでした。今回は、中村さんや水野さんがライターでもあったことから、戦略を一緒に考えて、A社のことを理解している学生が執筆までするというのは、すごく心強かったです。こちらから一方的に修正点を伝えるのではなく、議論しながらブラッシュアップしていけたことでよりクオリティの高い内容に出来たと思います。
(水野)私自身、本格的に執筆に関わったのは初めてでしたが、自分たちが考えたものを形にすることに携われるのは面白かったですし、全体としてすごくスムーズに進んだなという印象があります。今回デザインは社内のデザイナーの方にお願いしましたが、今後はデザインを作るメンバーもコンセプトやコンテンツの設計から携わってもらえると、さらに良いですよね。コンサルとクリエイティブ両方に興味があるメンバーも仲間を増やしていきたいです。今回小南さんはデザイナーの方々との連携も多かったと思いますが、どうでしたか?
(小南)文章と同じでデザインも、これまでってなんだかんだコンサルの部分だけやって後はデザイナーの方が主導になることが多かったんですよね。今回は、デザイナーの方たちと納得のいくまでディスカッションできたのが楽しかったです。結局はいくら「伝えたいこと」を考えていても表現しないと相手には伝わらないし、デザインには人を魅了する力があるということをすごく感じました。今後、クリエイティブまでを一貫して携わるプロジェクトリーダーとしての能力をもっと付けていきたいです。
お客様の前に立って感じること
(中村)全員でぎりぎりまでこだわり続けて企画書を作成しましたが、小南さんは当日のコンペの場にも参加されましたよね。実際にお客様の前に立ってみてどうでしたか?
(小南)自分のアウトプットがお客様に届き、目の前で感謝の言葉を頂けたことで純粋にやりがいを感じました。一方で、あれだけA社について理解したつもりでも、コンペで実際に経験してきた方たちと対峙すると、やっと少し同じ目線で話すことができる程度ということを感じで、全然及ばないという壁の高さを感じました。今、すごくA社について詳しくなったと思っていますが、実際にA社の社史を作ることになったら今よりもさらに新しい発見がたくさんあるんだろうなと思ってます。絶対にA社の社史をつくりたいという思いがどんどん強くなりました。
(中村)僕も企業理解に終わりがないんだなと実感しました。提案日当日もA社について調べ続けてましたし、提案が終わった後もコンペのときにお客様からいただいた感想をもとにもっとA社がよくなるために必要なことは何なのか考えてますよね。
コンペから見えた今後挑戦したいこと
(水野)本気で取り組んだ分、このプロジェクトへの思い入れもどんどん強くなっていますよね。その一方で、コンペを通して、今後やりたいこと、やるべきことが明確になったところもあります。私は、伝えたいメッセージをよりダイレクトに伝えて、読んだ人の心を動かすような文章を書けるように、もっと執筆の能力をあげていきたいと思いました。これまでコンサルの仕事がメインだったからこそ、それが自分の強みになっていくと考えています。
(中村)JBAには手を上げたらやらせてもらえる環境があるというのはすごく感じました。社員さんたちもすごくフラットに私たちの意見を聞いてくれる。今回も自分たちが出した意見がどんどん取り入れられていく。それこそフィードバックはくれるけど決定権は学生が持っているというのがすごくあったなと思います。だからこそ、この環境を活かして、もっと自分の成長に繋がることに挑戦していきたいと思いました。
(小南)想像していなかった経験を積むことができてやりがいや成長も実感しましたが、自分の実力不足を感じることも多かったです。現在はコンペの結果は出ていないですが、今回のプロジェクトを通して振り返りをし、もっと実力をつけて、お客様への支援のレベルを高めていきたいです。