技術イベントでの登壇を賞賛します | Wantedly Engineer Blog
このストーリーは Engineering Manager Advent Calendar 2023 のシリーズ2 15日目の記事です。このストーリーでは、「個人の成長」にフォーカスしていますが、...
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Photo by Igor Omilaev on Unsplash
こんにちは、ウォンテッドリー株式会社 執行役員 VPoE の要 (@nory_kaname )です。開発組織のマネジメントやプロダクト戦略に携わっています。
ウォンテッドリーの開発チームでは、これまで年間100件を超える技術イベントへの登壇を通じて、社外への発信を文化として育んできました。そうした取り組みをさらに広げるかたちで、7月1日から「夏のアドベントカレンダー」をスタートします。
この企画では、メンバーが日替わりで記事を執筆し、日々の業務や学びの中で得た気づきを、読者の皆さんに伝わる形で発信していきます。発信は、単なる情報共有ではなく、思考を深め、自分自身の理解を鍛えるプロセスでもあります。
本記事では、この取り組みに込めた背景や狙い、そしてAI時代における“伝える力”の重要性についてお話ししたいと思います。ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
はじめに
より多くの人に、より遠くまで届けるために
AI時代に必要な能力を、発信を通じて育む
組織としての発信文化を、次の世代へ
さいごに
ウォンテッドリーの開発組織では、これまでも積極的に社外への発信に取り組んできました。中でも、年間100件を超える技術イベント登壇を継続していることは、私たちの文化を象徴する取り組みの一つです。 こうした活動の根底には、発信を“スキルの披露”や“採用の手段”として捉えるのではなく、学びを深め、言語化し、他者とつながるための実践的な自己研鑽と位置づけている私たちの姿勢があります。
詳しくはこちらのストーリーを参照ください。
イベント登壇後、あるメンバーが「伝えるって、思ったより難しい。でも、やってよかった」と語ったことがありました。その言葉には、発信という行為に内在する難しさと価値の両方が表れています。誰かの役に立ちたいという動機と、自らの思考を整理し言葉にしていく過程が結びついた瞬間でした。
一方で、イベント登壇にはどうしても物理的な制約があります。都内開催が中心であり、参加できる方の範囲も限られます。 私たちはこの制約を乗り越え、より多くの人に私たちの取り組みや考え方を届けるために、テキストでの発信に改めて向き合うことにしました。
この夏、開発組織として初めて「夏のアドベントカレンダー」を開催することにしました。
昨今、生成AIの進化が業務の在り方を大きく変え始めています。 「AIによって仕事が奪われる」と語られることもありますが、私たちはむしろ、AIを活用することで、人間の仕事の“質”と“量”を引き上げていくことに注目しています。
本質的には、今まで人が担っていたやりとりや判断が、AIという別の手段に置き換わるだけであり、「やること」自体は変わらないケースも少なくありません。 いずれは、「人がやるのか、AIがやるのか」といった区別そのものが意味を持たなくなる時代が訪れるでしょう。
この未来を実現するためには、AIを「使われる側」ではなく「使いこなす側」に回る必要があります。そしてそのためには、以下のような力が求められます。
これらの力は、日々の業務だけではなく、自ら考えをまとめて発信するプロセスの中でこそ育まれるものです。 アドベントカレンダーは、そうした基礎的な力を実践の中で鍛える取り組みでもあります。
この取り組みは、発信の習慣を一部のメンバーだけで閉じるのではなく、組織全体に広げていくことを目的としています。 実際に、今年も10人以上の新しい仲間が開発組織に加わりました。彼らもまた、自分たちの言葉で社外に向けた発信に取り組み始めています。
経験年数や役職に関係なく、日々の小さな気づきや学びを言語化し、それを組織として支え合いながら公開していく。そうした循環が、ウォンテッドリーの開発組織らしさであり、次の世代に継承したい文化です。
アドベントカレンダーは、特別な誰かのものではなく、組織にいる一人ひとりの発信が集まって形になるものです。 この夏、私たちは記事というかたちで、「いま私たちが何を考え、何を大切にしているのか」を外に開いていきます。
それは、単なる情報発信ではなく、「私たちがどこへ向かっているか」を示す宣言でもあります。 AIと共に働く時代において、言葉にする力と思考の筋力を鍛えるこの取り組みが、今後の開発組織にとって重要な土台になると信じています。