Philosophy | Wantedly Design
シゴトでココロオドルためのカタチを生み出すチームから、デザインコミュニティに向けて。
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2024年4月。ウォンテッドリーのエンジニア組織のブランディングを目的とした一大プロジェクトが始動する。その一環として、組織のビジョンやカルチャーなどを発信するサイト「Wantedly.engineering」がリリースされた。サイトのランディングページやキービジュアルのデザインの中核を担ったのは、入社して半年ばかりの西山 萌那だった。
「転職活動にWantedlyをよく使っていた」という、いちユーザーでもあった彼女が、なぜウォンテッドリーのデザイナーになる道を選んだのか。入社の想いや事業会社のデザイナーとして働く魅力を聞いた。
ーー西山さんがデザイナーという仕事に興味を持ったのは、いつ頃からですか?
西山:デザイナーを本格的に目指そうと考えたのは、高校生の頃ですね。実は私、もともとは漫画家になるのが夢だったんです。小学生の頃から、絵を描くのが好きで。ある時、少女漫画を描いて友達にみせたら「上手だね!」と言ってもらえたことが嬉しくなり、そこから漫画を描くことに没頭していったんです。
中学卒業後は、絵を体系的に学ぶために工芸高校へ進学しました。入学当初は自信を持っていたのですが、まわりの作画力の高さに圧倒される毎日でした。既に漫画家のアシスタントで活躍している子もいて、「これはプロへの道は険しいかも」と感じたのを覚えています。それでも絵を描くことは好きだったので、イラストを中心に創作活動を続けていました。
ーー漫画からイラストへと興味が広がっていったのですね。その後はどのような進路を歩んだのでしょうか?
西山:芸術大学へ進み、デザイン学科を専攻しました。将来を考えた時に、「イラストも描けるデザイナーになれば、自分なりの付加価値を出せるかもしれない」と思うようになって。授業の課題でも、たとえばポスターのイラストは自分で描くようにしていましたね。
ーー芸術大学卒業後は晴れてデザイナーのキャリアをスタートされたとのことですが、前職ではどのような仕事をしていたのでしょうか?
西山:新卒で入社したのは、Webを中心としたデザイン制作会社です。Web以外にも、ポスターやイラスト制作などにも携われたので、デザインの幅を広げつつ、スキルを着実に磨くことができたと思います。夢中になって働いて、気がついたら入社から3年以上の月日が経過していました。
ーーそこから転職活動を始めた理由、ウォンテッドリーに興味をもったきっかけを教えてください。
西山:「みんなが1つの方向を向いて歩んでいる会社で働いてみたい」と考えたからです。というのも、制作会社では社員一人ひとりが目の前のプロジェクトに注力するため、会社全体の一体感が得にくいと思うことがありました。対して事業会社は、掲げたビジョンを組織一丸となって実現しようとする環境です。いったいどんな空気感なんだろうと興味を持ち始めました。
事業会社は世の中に数多く存在しますが、その中でもウォンテッドリーに惹かれたのは、デザインやUIがカッコイイと感じたからです。やっぱり私はデザイナーなので、「その会社のアウトプットに惹かれるかどうか」が、選考に進む上で重要な要素の一つになりましたね。
ーー選考過程で印象的だったこと、入社の決め手になったことを教えてください。
西山:カジュアル面談が印象に残っています。実は面談に臨む前は、「専門用語が飛び交う環境で、ついていけなかったらどうしよう」と緊張していました。ですが、面談担当者はフランクかつ優しい雰囲気で、とても安心しました。一方的に会社の説明をするのでなく、私のポートフォリオにも興味を持って、いろいろと質問してくれたことも嬉しかったですね。もともとデザインやUIに惹かれていたこともあり、「ここでなら楽しく働けそう」と思い、入社を決めました。
――実際に入社してみて、ギャップや戸惑ったことはありますか?
西山:入社前にオフィスを訪問し、チームメンバーと会話する機会がありました。そこで社内の雰囲気や働くイメージができていたのでギャップはありませんでしたね。
ただ、仕事の進め方に慣れるまでは苦労しました。前職ではクライアントが望むイメージに合わせてデザインを提案する、0から1を生み出す制作スタイルでした。一方、ウォンテッドリーでは、これまで積み重ねてきたトーン&マナーを守りつつ、新しい見せ方を生み出すことが求められます。
Wantedly Desing Philosopfyとして、SMART / 知的、BOLD / 大胆、Sophisticated / 洗練の3つが掲げられている。
多くのデザイナーは得意なデザインがあると思いますが、それがトーン&マナーとマッチしない場合も当然あります。私自身、ポップでかわいらしい雰囲気のデザインが得意なので、「Wantedly」のデザインに求められるシックでカッコイイ雰囲気に合わせることに最初は苦労しました。ですがそんな難しさこそ、自分のデザインの範囲を広げられるチャンスだと捉えました。困難や課題を乗り越えた数だけ、デザイナーとして洗練されていくと思うので。
――入社から半年で携わってきたプロジェクトと、その中でも特に印象に残っているお仕事を教えてください。
西山:グラフィックデザインが中心で、具体的にはエンジニア社員の知見をまとめた技術書「WANTEDLY TECHBOOK」の表紙や社内イベントのキービジュアルのデザインなどを手がけました。
直近で印象に残っている仕事は、エンジニア組織のランディングページのデザインですね。実装まで4ヶ月ほどと制作期間も長くて大変でしたが、達成感も大きかったです。
これまで私が携わってきたのは、自己完結できるものがほとんどでしたが、この案件はプロジェクトマネージャーやエンジニアとの連携が不可欠でした。自分の考えたアイデアをエンジニアに伝え、実現していく。その難しさを改めて学びましたね。
――西山さんのアイデアをまわりに伝えていくために、どのような工夫をしたのでしょうか?
西山:特に苦労したのがファーストビューのアニメーションでした。まずは自分の頭の中で描いたアニメーションのイメージを伝えるため、GIFやコマ送りにした画像を制作しました。それでも最初は思うように伝わらず、試行錯誤を重ねましたね。ようやく伝わったと喜んだのも束の間、実装が難しいアイデアだと判明してしまいまして。どう改良すれば実現できるのか、エンジニアと何度も何度も会話を重ねて、最終的にはイメージ通りに仕上げてもらうことができました。
――社内のデザイナーとコミュニケーションを取る機会も多いと思いますが、チームはどんな雰囲気でしょうか?
西山:心地良い距離感を保っている、といった感じでしょうか。リーダーとメンバーの関係もフランクなので、遠慮なく相談しやすいですね。一方で過度な干渉はないので、私にはちょうど良いです。
週次のチーム定例では、それぞれがプライベートのトピックを共有する時間があります。最近だとARグラスを体験したメンバーの話で盛り上がりましたね。雑談があるおかげで、みんなの趣味などを知ることができ、自然と距離が縮まっている気がします。
また制作会社やグラフィック系デザイナー出身が多いのも特徴です。昨年末、イベントで配布する冊子「FUZEBOOK」を制作しました。構成からデザインまで、ページ数も多くて見せ方を工夫する必要があったので、一般的な事業会社のインハウスでは実現が難しいプロジェクトだったと思います。それでも高いクオリティで完成させることができたのは、グラフィックの経験が豊富なメンバーが揃っていたからだと感じています。
――ウォンテッドリーのデザイナーとして働く魅力を教えてください。
西山:やりたいことに挑戦できるところですね。制作会社だとクライアントの発注ありきですが、ウォンテッドリーであれば、「やりたい」と言ったことをすべてやらせてもらえるので、とても刺激的な環境だと思っています。
個人的にトライしたい表現があった場合、大小に関わらず挑戦をサポートしてくれる柔軟性もあります。意欲さえあれば、本当に何でもできる。まわりを見ても成長意欲の高いメンバーばかりなので、デザインの幅を広げたいという方にはぴったりの職場だと思います。
実際に私は、自ら手を挙げてイラストシステムを策定するプロジェクトを進めています。どんなテイストにしたらウォンテッドリーらしさが表現できるのか。経験したことのない難しいチャレンジになりますが、チームで協力しながら推進しているところです。
――最後に、これから西山さんがチャレンジしたいことを教えてください。
西山:映像や3Dイラストといったデザイン表現にも挑戦してみたいですね。それと今まではリーダーのディレクションのもとで業務に取り組んできたので、いずれはディレクションの立場にも挑戦したいと思っています。経験したことのないジャンルやポジションに積極的に挑戦して、デザイナーとしての幅を広げていきたいですし、それが実現できる環境がここにはあると思っています。
また社外のデザイナーの方に「ウォンテッドリーのデザインはカッコイイ」と思ってもらいたい。そのためにも、アウトプットをどんどん発信していく予定です。デザインチームの制作物はインスタグラムやブログで発信しているので、そちらの投稿もより多くの人に見てもらえたら嬉しいなと思います。
ウォンテッドリーのデザインチームの情報は下記からご確認いただけます。制作物やデザイン解説などを定期的に発信していますので、興味をお持ちいただた方はぜひご覧ください。