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チームのPdM力を底上げしたい。新任プロダクトマネージャーが描く“次の成長曲線”

エンジニア組織の拡大とともに、「個」の力で成長するフェーズから、組織として成長するフェーズに突入したウォンテッドリー。“つくるひと”の自主裁量を重んじる設立以来の基本方針はそのままに、組織マネジメントのための新たな役割を追加しています。

その内の1人、ウォンテッドリー初のPdM(プロダクトマネージャー)として2021年3月に入社したばかりの杉本 は、営業職からUIデザイナー、そしてPdMへと転身した経歴の持ち主。前職の動画配信サービス運営企業ではUIデザイナーとPdMを兼任し、新規事業の立ち上げに携わりました。

そんな杉本から見たPdMの役割とはなにか、そしてその能力をウォンテッドリーの中でどのように発揮していきたいのか…… 所信表明とともに話を聞きました。

全体を見渡せないと役に立てない」という焦り

ーー 杉本さんはキャリアを通じて様々なポジションを経験していますし、個人でのアプリ開発の経験もお持ちですよね。キャリアチェンジを繰り返すなかで大きな指針としていたテーマはありましたか?

杉本:「売る側」から「つくる側」にまわりたいという意志はありましたが、その他のことについてはそれぞれの職場で適任者がいない業務を率先してやってきた結果だと思っています。たとえば家計簿アプリ時代は元々マーケを担当していたのですが、フルリニューアルプロジェクトが立ち上がった際に社内にデザイナーがおらず、ならば自分がやろうと片っ端から本を読んで知識を得て、その次の日には手を動かすような…… とにかくその連続でした。

個人でアプリを開発したのも、PdMとして開発メンバーから意見を求められたときに「わからない」ではいけないと思い立って、勉強のために始めたという側面が強いですね。アプリ開発の始点から終点までひと通り自分で経験していたほうが、実際のプロジェクトでのコミュニケーションがスムーズになると思ったので。

ーー 実際に幅広くノウハウを得たことが、PdMとしての仕事を進めるうえでの糧になりましたか?

杉本:そうですね。PdMは周囲の賛同を得ることが重要な仕事のひとつなので、全体像を把握できていることが大きな足がかりになったと思っています。

さらに僕はデザイナー職を経験しているので、いざとなればプロトタイプを自分で作りアウトプットを迅速に共有できるのが強みです。そこに開発の知識が加わることで、エンジニアさんとのやりとりもよりスムーズに行えるようになりました。

ーー 杉本さんはプロダクト組織におけるPdMのリーダーシップをどう定義していますか?

杉本:PdMのいちばん重要な役割は意思決定の根拠をチームメンバーに共有することです。大きく分けて「ビジネス/クリエイティブ/テクノロジー」の領域があるなかで、どこに課題があるのかがはっきりすると“やるべきこと”が明確になり、現場のスペシャリストたちが判断しやすくなります。そこでまずPdMが中心になって、議論の分岐点がどこにあるのかを交通整理する。これによりチーム内に納得感が醸成され、意思決定のスピードを早くすることができます。

ウォンテッドリーではまず「WHY(なぜやるか)」をチーム内で共有する文化がありますが、それはまさしくプロダクトマネジメントの基本だと思います。その土台に加えて、サービス全体の中でサイクルを回すためにどの歯車をつくっているのか、新たな機能はハンドルにあたるのかサドルにあたるのか…… 定義を明確化することで意思疎通の精度をあげていきたいと思っています。

自律するプロダクト開発」を正しく加速させる

ーー 入社前にはウォンテッドリーにどういう印象を持っていましたか?

杉本:「採用に新しい文化を持ち込んだすごい会社」というイメージで、就活・転職と言えばいろんな書類を揃えたり、スーツを着て面接を受けたりといった煩雑さがつきまとうイメージがありましたが、そこをぐっとカジュアルにしたのがすごく革新的だったと思います。

24歳で遅れて社会人デビューをした自分には、 Wantedlyの醸す世界がとにかくキラキラして見えて。「Webの世界で活躍する人はスーツを着なくてもいいんだ!」という憧れを抱いていました。意識的に活用を始めたのは、その後採用担当者としてデザイナー採用に使ったり、キャリアを積んだあとに会社に話を聞きに行ったりしてからでしたね。

ーー 実際にプロダクトを開発しているメンバーたちとカジュアル面談で話したときの印象は?

杉本:誰と話をしても自由でクリエイティブな雰囲気が感じられて、「ここは僕の好きな“ものづくりの会社”だ」とすごく好感が持てたのを覚えています。何度目かの面談で実際に開発メンバーとディスカッションする機会があったのですが、どのメンバーも主体性を持って発言していて、すごく議論を楽しめたんです。

色んなバックグラウンドを持った人たちが皆プロダクト視点で物事を考えていて、専門領域を超えることにストレスを感じない人たちが集まっているんだなと思いました。

ーー PdMとしてチームの一員になるにあたって、まずはどんなところからテコ入れしていきたいと考えていますか?

杉本:これまでのウォンテッドリーは、役割としてのPdM職を置かない代わりに自分で考える文化を育んできたと思うのですが、その強みを土台にしつつ、議論をスピードアップさせるための働きをしたいです。自分の頭で考えられる人がたくさん集まっているというアドバンテージを活かしながら、今後はチームとしてのPdM力をどうやってあげていくかが勝負だと思います。

たとえばプロダクト開発の現場では、ボトムアップで意見を出しあう中で、各々がちょっとずつ異なる課題について話しているような場面に出くわすこともあるかと思います。そこを上手くファシリテートして、議論にしっかりと道筋を作れるようにすることが全体の生産性にも寄与するので、まずはそこにコミットしたいですね。

ーー 杉本さんの経験上、プロダクトに関する議論で気をつけなくてはいけないのはどんなポイントでしょうか。

杉本:一般論として、議論のズレは抽象と具体のはしごを上り下りするときに生じがちです。特に、問題が山ほどある中から課題を選定するときに、その解決策を直列につなげてしまう(トートロジー的になる)とズレが大きくなってしまいます。

たとえばアプリ開発でよくあるのが、新規ダウンロード数が下がったとき、減少した理由や対応の目的、優先度を十分に議論せずに「広告の獲得効率を伸ばそう」と対応しやすい解決策から始めてしまうケース。それによって、本来はプロダクトにボトルネックが隠れているのに、いつのまにか広告に関する議論になってしまうんですよね。

こうしたズレを避けるためにも、より本質的かつ高効率な議論のフォーマットを暗黙知ではない形でつくれると良いなと思っています。

チームの成長を促し、「デカい一発」を実現したい

ーー 1人目のPdMとして、エンジニアやデザイナーとどういう風にコミュニケーションをとっていきたいと考えていますか?

杉本:ウォンテッドリーには細かな指示をしなくても自分で考えられる人たちが集まっているので、僕が先陣を切って引っ張るというよりはメンターやサポーターのように立ち回ったほうがフィットすると思っています。具体的には、なにを議論すべきかを最短でまとめていくために、質問を投げかけたり、データを洗い出したりすることからやっていくべきなのかなと。

ーー 先ほど述べられていた「チームのPdM力を伸ばす」というところですね。

杉本:そうですね。僕自身の経験を振り返ってみても、思考の外にある問いに触れる回数が増えたり、それまで思考が及んでいなかった課題を認知する頻度が高まったりしたことでPdM力が身についたと思います。なので、ウォンテッドリーでも「新しい発見」が生まれるような議論、やりとりができればと思います。

ーー では、ウォンテッドリー全体のPdM力が底上げされた先にはどんな可能性があるのでしょうか?

杉本:短期的にはプロダクトの改善スピードが上がるでしょう。中長期的には、メンバーの視野が広がって、プロダクトに非連続的な成長をもたらすような機能開発につながりやすくなると思います。

一般的に言えば、非連続的な成長のために“風呂敷を破壊的に広げる”こと、つまり「次のデカい一発」のビジョンを描くことはPO(プロダクトオーナー)の責務です。それに対してPdMの役割をひとつだけに絞るのであれば、どんな風呂敷だろうと、それを最適な形でたたむ方法を考えることになるのかもしれません。

とはいえウォンテッドリーはプロダクトの可能性を信じている人が集まって作っているチームなので、「次のデカい一発」のアイデアは日々プロダクトと接しているメンバーの頭の中にも隠れているものだと思います。なので僕としては、どこから手をつければ一番レバレッジが効くかを探しつつ、チームメンバーが頭の中でぼんやりと「こういう機能があったらいいのに」と考えているようなことを言語化する役割も担えたらいいですね。

ーー 杉本さんの目からみて、どこにそのレバレッジポイントがありそうですか?

杉本:一番はやはりProfileですね。今は個人間のつながりの影響力がどんどん強まっている時代です。そこで個人が持つ「つながりの資産」を活かすための仕組みや、新しい概念をウォンテッドリーが起点となって提示していけたら面白いと思っています。

これからWantedlyが「はたらくすべての人のインフラ」になる、つまりは転職中もそれ以外も Wantedly を中心にキャリアが作られていく世界を実現するためにも、ProfileをハブにしてVisitやEngagement Suite、Wantedly Peopleなどのサービスをつなげていきたいですし、そのための動きを活性化していきたいです。

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