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2025/09/10 ~ 2025/09/12の3日間行われた、DroidKaigi 2025が終幕しました。
ウォンテッドリーはスポンサーとしても参加しました。ブースではTechbookを配布しておりましたが、初日ですべて捌けてしまう盛況ぶりでした。ブースにお越しいただき、ありがとうございました。
このストーリーは、弊社の各メンバーがDroidKaigiの参加者として振り返り、学びや気づきを共有する参加レポートとなっています。
目次
参加にあたって
各自の振り返り
長尾 光
朴 智賢
原田 祐也
湊 航太
黒沼 疾風
久保出 雅俊
まとめ
参加にあたって
今回、DroidKaigiへの参加は、スポンサーとしての目的もありましたが、「参加しただけで終わらせず、チームとして学びにつなげる」、「学んだ内容を社外にも発信し、アウトプットを通じて知見を還元する」ことをチーム内の共通認識として臨みました。
ウォンテッドリーのモバイルチームでは、定期的に「モバイルお茶会」という社内勉強会を実施しています。次回は、DroidKaigiやiOSDCの内容を振り返り、各自で聞いた内容をチームに共有し、業務に活かす学びにつなげることを予定しています。
各自の振り返り
ここからは、学んだ内容を社外にも発信するために、各自の振り返りを記載します。
長尾 光
最も学びになったセッションは「共有と分離 ─ Compose Multiplatform “本番導入” の設計指針」です。CMP導入の基準や直面する課題への実践的な対応策が具体的に紹介されており、大きな収穫となりました。
まず、CMPは「コンシューマー向けではないアプリ」や「ネイティブらしいUIへのこだわりが比較的低いプロダクト要件」と相性が良いという点が参考になりました。UI開発を共通化することで効率化を最大限に享受できるためです。キッチンズディスプレイの事例では、Androidネイティブの知見を活かせることや、少人数チームでの開発効率化といった利点も紹介されており、チーム体制やメンバーのスキルセットを踏まえた選択の重要性を理解できました。また、iOS版がうまくいかなくてもAndroidのコード資産として活用できるというリスクヘッジの観点も、ビジネス的な意思決定において非常に有用だと感じました。
さらに、マルチプラットフォーム開発で避けられない「共有できない領域」への対応についても多くの学びがありました。プラットフォーム固有の機能が必要な場合でも、KMP/CMP対応のコミュニティ製ライブラリを検討することで、ネイティブ実装を最小限に抑え、コード共有率を高められると知りました。ライブラリが存在しない場合には、Expect/Actualを使ってコードを分離するアプローチが有効であり、共通コードでインターフェースを定義し、各プラットフォームごとに実装を行う基本的な設計思想が理解できました。
そして最も印象的だったのは、KMP非対応のネイティブSDK導入時に、Koinを用いて依存性を注入する方法です。これによりCInteropのデメリットを回避しつつ、Swift Package Managerを主体としたiOS開発フローを維持しながら、Swiftで書かれた実装を共通コードから呼び出せる点は革新的でした。共有コードとネイティブ実装の両立を実現する実践的なテクニックとして、今後の開発に大いに活かせると感じました。
DroidKaigi全体を通しての学びは、技術選定の際にはプロダクトの特性やチーム体制、そして将来のリスクまで見据えることが重要だということです。特に、CMPは今後導入する可能性もあるため、導入する際には、コード共有への期待と、共有できない領域への現実的な対応策を事前に洗い出すことの重要性を強く感じました。
朴 智賢
DroidKaigiで最も学びになったセッションは、株式会社ZOZOのrisako070310さんによる「どこから読む?コードとカルチャーに最速で馴染むための実践ガイド〜新メンバーを活躍に導くオンボーディング戦略〜」でした。2025年4月に新卒入社した立場から、新メンバーと既存チームメンバー双方の視点を明文化したオンボーディング戦略は、大変参考になりました。
全体を通じては、セッションテーマや構成、発表者の話し方、スライドやデモの見せ方に注目していました。来年はぜひ自分のプロポーザルを通したいと考えています。
参加して強く感じたのは英語学習の必要性です。また、コーヒーの提供がチケット制となり、行列に並ばずに済んだのはとても快適でした。そのアプリ開発の裏側についても興味が湧きました。昨年はクイズで全問正解できた一方、今年は全て不正解で悔しい思いをしました。来年はより知識を深めて挑みたいです。
原田 祐也
「デザイナーが Androidエンジニアに 挑戦してみた」というセッションが特に印象に残りました。デザイナーとして活躍されていたKanonさんが、どのようにしてAndroid開発に挑戦し、Jetpack ComposeやKotlinをFigmaやOOUIと関連づけて直感的にUI実装を行えたのかが語られていました。
デザイナーが実装を理解し、エンジニア目線を持つことで、初期表示やローディング、Empty状態など多様なパターンをデザイン段階から考慮できる点は、エンジニアにとって非常に心強いと感じました。またセッション後の質疑で「もっと簡単な実装方法があれば提案してほしい」というデザイナー側の期待を知ることができ、より良いプロダクトづくりのために前向きなコミュニケーションを取る重要性を学びました。
今年もブースには多くの方にお立ち寄りいただき、技術書を受け取りに来てくださる方も多く、大変嬉しく思いました。来年もぜひブースに遊びに来てください。
湊 航太
印象に残ったのは「どこから読む? コードとカルチャーに最速で馴染むための実践ガイド」です。新しいコードベースを理解する際の「データ」「UI」「機能」という3つの切り口や、レビューを指摘ではなく対話と捉える姿勢など、実践的な知見が多く学べました。特に「ドキュメントは消費ではなく生産するもの」という考え方が心に残りました。
また、ブースでの立ち居振る舞いが企業イメージに直結することも実感しました。Wantedlyは明るく積極的に対応できており、今後のイベントでも継続したいと思います。セッション登壇は企業の技術力を示す場であり、採用にもつながるため、プロポーザルを通すことの重要性を改めて認識しました。
スタンプを求めて立ち止まる来場者へ声をかける積極性の大切さや、Techbookがノベルティではなく学びのあるコンテンツとして好評だった点も印象深い出来事でした。
黒沼 疾風
特に参考になったのは「これでもう迷わない!Jetpack Composeの書き方実践ガイド」です。AndroidViewしか触れたことのなかった私にとって、まさに実践的なガイドであり、今後の開発にすぐ活かせる内容でした。
コンポーネント分割の考え方や引数設計、チームでのコーディングルール運用など、iOS開発にも応用できる知見が豊富でした。さらに、KMP+CMPを採用した事例が多かったことから、今後のリソース戦略における可能性も感じました。
また、他社の方々との交流を通じてWantedlyを利用いただいている声を直接聞けたことは非常に嬉しく、プロダクトに携わる喜びを改めて実感しました。
久保出 雅俊
最も学びになったのは「スマホ新法って何?12月施行?アプリビジネスに影響あるの?」です。昨今、海外でも同様の法律が施行されておりますが、今回紹介された国内法は7年ほど前から検討されてきたそうです。健全な競争を促進する目的であり、モバイルプラットフォーム上でビジネスをするすべての事業者が知るべき内容でした。我々もアプリ内課金機能もありますし、リリース前の審査なども改善されるのではと期待しております。
参加した感想としては、今回はコーヒーの待ち時間をアプリ化することで流れを良くしたり、マグロの解体ショーといったエンターテイメントが提供されたりと、毎年DroidKaigi自体がレベルアップしている感覚があり、また次回も期待したいという思いです。DroidKaigi運営の方々には感謝いたします。
まとめ
今年のDroidKaigiも多くの学びと交流の場となりました。技術的な知見のみならず、イベント運営やブースでの立ち振る舞いといった点でも得られるものが多くありました。
学んだことを今後の開発や社内外の活動に活かし、次回も積極的に参加・発信していきたいと思います。
次回もまたDroidKaigiの場があれば、ぜひ参加したいです。