Obsidian - Sharpen your thinking
The free and flexible app for your private thoughts.
https://obsidian.md/
こんにちは。ウォンテッドリーのEnablingチームでバックエンドエンジニアをしている冨永(@kou_tominaga)です。Enablingチームでは技術的な取り組みを社外にも発信すべく、メンバーが週替わりで技術ブログをリレー形式で執筆しています。前回は市古さんによる「have_attributes マッチャーを活用して失敗原因の特定がしやすいテストを書く」 でした。今回は「月次振り返りにかかる時間を95%短縮した方法」です。
年に数回、振り返りの作成などで自身の作業をまとめる機会がありますが、Slack、GitHub、メモなどに情報が散らばっており、何をいつやったかを正確に思い出すのに時間がかかっていました。その結果、振り返りの作成だけで1時間近くを費やしてしまうこともありました。本記事ではこの課題を解決するために導入した方法を紹介します。
解決方法の全体像
ObsidianのDaily notesでタスク管理
ショートカットの設定
テンプレートの設定
生成AIで振り返りを生成する
コミュニティプラグインShell Commandsをインストールする
振り返りを生成する
まとめ
解決策はシンプルで「ObsidianのDaily notes」にて日々のタスクと振り返りを記録し、そのデータを「Cursor」などの生成AIに渡して月次サマリーを自動生成します。この方法によって、これまで膨大な時間を要していた振り返り作業を数分に短縮できました。
※ObsidianとCursorのインストール方法は割愛していますので、必要に応じて各ツールのドキュメントをご確認ください。
ObsidianにはDaily notesという機能がありデフォルトの設定では、ファイル名を今日のYYYY-MM-DD 形式で設定した空のファイルを作成してくれます。そのファイルを日々のタスク管理と振り返りで利用します。
デフォルトの設定のままだとタスク管理に利用しずらいので、ショートカットとテンプレートの設定を行い簡易的に利用できるようにします。
設定画面を開き「ホットキー」を押します。「今日のデイリーノート」と検索すると、以下画像の項目が表示されるので、ショートカットを割り当てる事ですぐにDaily notesを起動する事ができます。
以下3ステップでテンプレートの設定をします。
1.テンプレートファイルを作成
Vaultの直下にフォルダtemplatesを作成して、その中にファイル名dailyで以下内容のファイルを作成します。Front Matterなど運用に合わせて変更してください。
---
tags: daily
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## 毎日する事
- [ ] メールを全て既読にする
- [ ] Slackの通知を見る
- [ ] タスクを更新する
- [ ] カレンダーを確認して資料の更新をする
## 本日する事
- [ ]
## できたらしたい事
- [ ]
## 先のタスク
- [ ]
## 振り返り
- 今日できたこと
- 明日改善したいこと
2.コアプラグイン「テンプレート」を有効にする
設定画面を開き「コアプラグイン」からテンプレートを有効にします。
そして
サイドバーの「テンプレート」から、「テンプレートフォルダの場所」に「templates」を設定します。
3.コミュニティプラグイン「Auto Template Trigger」のインストール
設定画面を開き「コミュニティプラグイン」→「閲覧」を押します。「Auto Template Trigger」を検索してプラグインをインストールします。
前の画面に戻り、インストールされたプラグインから「Auto Template Trigger」を有効にします。
「Auto Template Trigger」を選択して、先ほど作成したテンプレートファイルがdailyフォルダ内で有効となるようにします
この設定により、ショートカットから毎日のタスク管理メモをすぐに作成できるようになります。業務終了時に一言でも振り返りを残しておくと、後で月次振り返りをまとめる際に非常に役立ちます。日報を提出している場合はその内容を貼り付けるでも問題ないです。
月次振り返りの作成には生成AIツールのCursorを利用します。また、Obsidianから直接Cursorを起動できるようにするため、コミュニティプラグイン「Shell Commands」を導入します。
Cursor を使う理由
振り返りの自動化には他の生成AIツールも利用可能ですが、Cursorを選んだ理由は以下の通りです。
コミュニティプラグイン「Shell Commands」をインストールして有効にします。以下の「Shell command without alias」にCursorを起動するためのショートカット「cursor .」
を登録してください。その後、ショートカットを押してCursorが起動する事を確認してください。
※cursor コマンドをインストールしていない場合はこちらの手順に従いインストールしてください
登録したショートカットを押してCursorを起動します。以下のプロンプトを利用し対象月(例:2024年12月)を指定して振り返りを依頼します。 出力先やファイル名は必要に応じて変更してください。
※1か月分のデータをまとめるためコンテキストが大きくなります。モデルはClaude Opus 4などを利用する事をお勧めします。
# タスクの要約・自己評価作成指示
## 目的
日々のタスク実績から月次の自己評価レポートを生成する。
## 入力情報
- タスクデータ: `./daily` ディレクトリ内の対象月のファイル - 各ファイルは日別のタスク実績を含む
- ファイル名形式や内容構造を確認してください
## 出力要件
- 出力先: `wantedly/自己評価/` ディレクトリ
- ファイル名: `YYYYMM.md` 形式(例:202412.md)
- テンプレート: `templates/自己評価.md` を基準として使用
## 処理内容
1. `./daily` 内の対象月のファイルを読み込み、月別にグループ化
2. 各月のタスクを分析し以下を抽出
- 主要な成果・達成事項
- 課題や改善点
3. テンプレートに沿って構造化された自己評価を作成
## 注意事項
- 既存の自己評価ファイルがある場合の処理方針を明確にしてください
- データの欠損や不整合がある場合のエラーハンドリングを考慮してください
生成された振り返りは必ず確認し、誤りや漏れがあれば修正してください。
今までは振り返りに約1時間かかっていましたが、現在では数分で完了するようになり、内容の質も向上しました。振り返りを効率的かつ正確に行うためには日々小さく振り返ることと、その記録を完璧でなくてもよいので1箇所に集約しておくことが有効です。