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登壇に興味はあるけれど、不安で一歩踏み出せない...そんなあなたへ
Photo by Pawel Janiak on Unsplash
こんにちは、ウォンテッドリーでiOSエンジニアをしている原田 祐也 (@yuya_h_x) です。
この記事はWantedly Advent Calendar 2024の17日目の記事です。気づけばクリスマスまであと1週間ほどとなりました。
私は今年の7月にウォンテッドリーへ入社し、それをきっかけに登壇に挑戦し始めました。しかし、最初の登壇をするまでは「自分の話なんて誰の役に立つのか?」「本当にうまく話せるだろうか?」と不安でいっぱいでした。実は入社前から登壇に興味はあったものの、そうした不安や迷いから、なかなか行動に移せずにいました。しかし、入社後に登壇の機会を得て挑戦してみると、沢山の気づきや学びがありました。
この記事では
- 私が初めての登壇に挑戦するまで
- 登壇を通して学んだ3つのこと
- 登壇に興味はあるが、一歩踏み出せない方へのメッセージ
についてお話します。
登壇に興味はあるけれど不安で一歩踏み出せない方や、以前の私と同じような気持ちを抱えている方に、この記事が少しでも背中を押すきっかけになれば幸いです。
目次
登壇に挑戦するまで
登壇を通して学んだ3つのこと
1. 自分の経験は誰かの学びになる
2. 他者の視点を理解することで、自分の視野が広がる
3. チャレンジそのものに価値がある
登壇に興味はあるが、一歩踏み出せない方へ
おわりに
登壇に挑戦するまで
初めての登壇を決意するまで、私にはずっと不安がありました。
自分の話なんて、経験を積んだエンジニアにとっては当たり前の内容だし、役に立たないのではないか?
そもそも登壇したこともないし、うまく喋れるのだろうか?
そんな気持ちが頭をよぎり、登壇への興味はあっても行動に移すことができずにいました。
ある時、友人に「登壇してみたいけど不安だ」と話したところ、その友人の知り合いが別のイベントの主催者だったことから、「ぜひ登壇してほしい」と声をかけていただきました。突然の機会に驚きつつも、不安は消えず、その場では登壇を決意することができませんでした。それでも、せっかく声をかけていただいたこのチャンスを無駄にしたくないという気持ちがありました。しばらく悩んだ末、後日改めて「登壇させてください」と返事をし、Mobile Dev Japan というイベントで初めての登壇に挑戦することになりました。
Mobile Dev Japanは主に英語話者を中心に行われるイベントで、登壇者は10分程度の発表を通じてモバイルアプリ開発に関する知見や経験を共有します。私はKotlin Multiplatform(KMP)について話すこととなり、初めての登壇に対する不安や緊張はとても大きかったです。しかし、いざ発表してみると得られた学びや経験はとても大きく、挑戦して良かったと思える結果になりました。今振り返ってみると、不安を抱えながらも一歩踏み出したことで、新しい学びや成長を手に入れられたと実感しています。
登壇を通して学んだ3つのこと
結果的に今年は以下の3つのイベントで登壇を行いました。
- Mobile Dev Japan
- 発表: Introduction to Kotlin Multiplatform
- 内容: KMPとは何か、優れている点とともに、実際に使って感じたチャレンジな部分についても話しました。
- iOSDC Japan 2024
- 発表: ウォンテッドリーにおけるモバイルアプリ開発
- 内容: KMPを使った開発の進め方やチームの取り組み、今後の方向性について発表しました。
- Mobile勉強会
- 発表: 多言語対応アプリの負債返済 -文字列管理の見直しで得た学び -
- 内容: 文字列管理の負債返済のプロセスと、小さな改善が効果を生むことを発表しました。
ここからは、実際に上記のイベントに登壇して学んだ3つのことについて書いていきます。
1. 自分の経験は誰かの学びになる
登壇を経験する前は、他のエンジニアの前で話すなら、技術的に深い話や日々の開発を大きく変えるような内容を話さなければならないと考えていました。しかし、実際に初めての登壇では深い話が用意できず、KMPがどういった技術なのか、KMPの良い点やチャレンジングな点などを自身の学びや経験に焦点を当てて発表しました。モバイルエンジニア向けのイベントであったため、今さらこの内容を話して、他のエンジニアにとって学びになるのだろうか?という不安もありました。
ところが、予想とは裏腹に登壇後に参加者の方々からいくつかの質問や感想をいただきました。
「ウォンテッドリーはどのようにしてKMPで書かれたコードをiOS側へ取り込んでいるのか?」
「実際にKMPを使ってみての感想は?」
「次回は実際にどのようにコードを書くかも教えてほしい」
こうした質問や反応を通して気づいたのは、自分がどんな立場であっても、その経験や気づきを共有することは誰かの学びになるということです。私自身、KMPを触り始めて間もない立場でしたが、イベント会場にはKMPを知っているが実際に触ったことがないという方も多くいました。そのため、実際に触ってみた感想やどんな課題に直面したかという経験談や学びを共有することが、他の人にとっては新しい視点や参考になるのだと実感しました。
2. 他者の視点を理解することで、自分の視野が広がる
登壇は自分の意見や経験を発信する場ですが、それだけで終わるものではありませんでした。登壇後に他者の視点を知ることで、自分の視野が広がる機会にもなります。登壇後の質疑応答や歓談、ネットワーキングの時間では、発表に対する質問や感想を必ずいただくため、他の参加者の方の視点を知ることができます。
例えば、負債返済日の取り組みとしてリファクタを行った内容の登壇では
「どうしてこの方法を選んだのか?」
「ちょうど同じ課題に取り組んでいて、アイディアがとても助かる」
という質問や感想をいただきました。
また、参加者が過去の経験や現在抱えている課題について話してくださることもあります。このようなやり取りを通じて、人それぞれの視点や新しい課題感を知ることができます。一見同じ問題でも、人によって課題に感じる部分や考え方は異なるため、相手の話を聞くことで、「自分では課題に感じなかったけれど、ここで苦労することもあるのか」「この視点は自分にはなかった」といった気づきを得ることが多くありました。そうした新しい気づきが、自分自身の考え方や視野を広げるきっかけになると感じました。
さらに、こうした気づきは次の行動にもつながります。「次回は◯◯という視点をテーマに話してみよう」「◯◯という課題について自分なりの答えを考えてみたい」といった新しいアイデアや学びが生まれ、次の発表のきっかけになることもあります。
登壇は一方的に発信するだけではなく、他者との対話を通して視野を広げ、次につながる学びを得る場でもあるということを実感しました。
3. チャレンジそのものに価値がある
最後に、登壇はただ一度の経験で終わるものではなく、挑戦するたびに新しい学びや気づきが得られ、次の一歩につながっていくことも学びました。
例えば登壇後には、「もう少し〇〇は改善したい」「ここは伝わりやすかった」といった点が、参加者からの感想や自分自身の振り返りを通じて見つかります。最初は緊張や不安が大きかった登壇も、何度か登壇と改善のサイクルを繰り返すことで、少しずつ登壇するということへのハードルが下がっていくのを実感しました。
さらに、Mobile Dev Japanで英語での発表にチャレンジできたことも大きな収穫です。2年ほど前、英語で行われた別のモバイル関連のイベントで、日本人の方が英語で登壇している姿を見て、いつか英語での登壇に挑戦したいと思っていました。そして今回、その目標を2年越しに達成することができ、母国語以外で経験や考えを伝えるという貴重な経験ができました。準備段階では社内の英語ができるメンバーの助けを借りて進めつつ、登壇をやり遂げたことで、自信と新しい成長を感じることができました。
特に初めての登壇は私にとって大きな挑戦でしたが、チャレンジしたことに価値があったと今では感じています。登壇を重ねるたびに次への成長を実感し、自分の発表が誰かの学びや気づきにつながっているという手応えを感じるようになりました。
登壇に興味はあるが、一歩踏み出せない方へ
ここまでは、私が登壇を経験して学んだことを書いてきましたが、これらは実際に登壇してみるまで分からないことばかりです。
初めて登壇する前、登壇に対するすべてが未知の状態だったため、私は大きな不安を抱えていました。準備段階から本当にうまく話せるのだろうか?という不安を感じ続け、登壇直前まで気が気ではありませんでした。しかし、いざ話し始めると、それまでの不安はどこかに消え、一生懸命伝えることだけを考えて話し続けました。そして登壇が終わった時、準備は大変でしたが登壇にチャレンジして良かったと心から感じることができました。
少し話がそれてしまいますが、今年、人生で初めてスカイダイビングに挑戦しました。スカイダイビングはとても不思議な体験でした。飛行機が離陸して上空にたどり着き、飛行機から飛び降りるその瞬間までは、「死ぬかもしれない」という人生で感じたことのない不安や恐怖と向き合い続けました。ですが、実際に飛び降りてみると、目の前に広がる景色と風を感じながら、人生で感じたことのない最高な気持ちを味わうことができました。
スカイダイビングと登壇ではスケールこそ異なりますが、未知のことに挑戦する本質は同じだと感じています。初めの一歩を踏み出す直前までは不安や恐怖が押し寄せてきます。でも、実際にその一歩を踏み出すことで、それまで見えなかった新しい気づきや学びをきっと得られることと思います。
もし登壇に興味があるけれど不安を抱えている方や、以前の私と同じように「自分の話なんて役に立つのだろうか?」と悩んでいる方がいれば、ぜひこの投稿をきっかけに登壇にチャレンジしてみてほしいと思います。得た学びや経験を他の人に共有することは、自身の成長になるだけでなく、誰かにとっての新しい学びや気づきにもつながるはずです。
不安はあって当たり前ですが、その先にはきっと挑戦して良かったと思える瞬間が待っています。
おわりに
この記事では、私自身が登壇に挑戦するまでの道のりや、登壇を通して学んだ3つのことについてお話ししました。初めての登壇は不安や緊張でいっぱいでしたが、一歩踏み出すことで新しい学びや経験を得ることができました。そして、この記事が、登壇に興味があるけれど一歩踏み出せない方の背中を少しでも押すきっかけになれば幸いです。
また、ウォンテッドリーのモバイルチームでは一緒に働く新しい仲間を募集しています。登壇やアウトプットに興味がある方、モバイル開発に興味のある方は、ぜひカジュアルにお話ししましょう。そして、Wantedly Advent Calendar 2024 では、ウォンテッドリーのメンバーが日々の業務や学びについて発信しています。ぜひ他の記事もご覧ください。
それでは、皆さんにとって素敵なクリスマスが訪れることを願っています!最後までお読みいただき、ありがとうございました。