こんにちは、ウォンテッドリーでインフラエンジニアをしている @fohte です。
2025 年 10 月 16 日に開催された、Datadog Summit Tokyo 2025 に参加しました。本記事では本イベントの様子を紹介します!
Datadog Summit Tokyo とは?
Datadog 社が開催するカンファレンスで、Datadog の最新情報や企業の活用事例を知ることができるイベントです。
今回は赤坂インターシティコンファレンスの 2 フロアで開催され、メインセッション会場のほか、Japan Datadog User Group (JDDUG) ブース、Datadog のプロダクトデモコーナー、AWS GameDay が設けられ、多くの参加者で賑わっていました。
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Japan Datadog User Group (JDDUG) ブース
今回の Datadog Summit Tokyo では Datadog ユーザーが有志で集まって勉強会を開催しているコミュニティである Japan Datadog User Group (JDDUG) のブースを用意していただきました。
エスカレーターを上がってすぐに JDDUG ブースがあり、多くの方にお立ち寄りいただきました。筆者はそこでブース担当として、お立ち寄りいただいた皆さんに JDDUG の紹介をしつつ、Datadog に関するお悩み相談に乗ったりとざっくばらんに参加者の皆さんと交流していました。
7 月に開催された SRE NEXT 2025 でも同様に JDDUG ブースを出展させていただき、筆者もブース担当をしていました。その際にお話しした方が今回もお立ち寄りいただくなど、継続的な交流ができたのも大変嬉しく、コミュニティ活動の意義を実感する瞬間でした。
セッションレポート
本イベントのメインコンテンツである各セッションでは、LLM Observability や Bits AI、OnCall など Datadog のいま注目の機能に関するセッションが多くあり、AI 時代における監視の在り方や最新の開発トレンドを知ることができる充実した内容でした。
今回聞いたセッションの中から、内容を紹介します。
基調講演
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基調講演では、Datadog の最新プロダクトと今後のビジョンが紹介されました。
特に印象的だったのは、AI を活用した機能の充実です。Bits AI として SRE Agent、Dev Agent、Security Analyst といった AI エージェントが紹介されました。ウォンテッドリーでも SRE Agent には特に期待しており、アラートトリアージや一次対応の省力化・高速化が実現できれば、インシデント対応の大幅な改善につながると考えています。
また、LLM Observability による LLM アプリケーションの監視機能も強化されており、生成 AI を Datadog ならではの視点でサポートしていく姿勢が感じられました。
『LLMプロダクトの信頼性を上げるには?LLM Observabilityによる、対話型音声AIアプリケーションの安定運用』
このセッションでは、IVRy 社の Moriya さんから、対話型音声 AI アプリケーションを本番運用する上での課題と、それに対する実践的な解決策が紹介されました。
LLM をプロダクトに組み込む上で難しいのが、ハルシネーションの抑制や会話速度の安定化、そして耐障害性の確保です。ハルシネーション対策としては、1 つの大きなタスクを複数の LLM コンポーネントに分割することで各コンポーネントごとにバリデーションできるようにする工夫や、自動電話 E2E テストをマージ時に実行する取り組みが紹介されていました。また、「完璧を求めない」という考え方のもと、最新のモデルではなく自分たちのユースケースに合ったモデルを選ぶことでコストと速度のバランスを取るアプローチも印象的でした。
耐障害性については、LiteLLM を使って ChatGPT が落ちたら Gemini にフォールバックするといった仕組みや、すべて落ちた場合の緊急電話転送機能など、多層防御の考え方が参考になりました。これらの監視・改善を支えているのが Datadog の LLM Observability で、特にトピックごとに自動でクラスタリングしてくれる機能など、LLM アプリケーションの本番運用における実践的な知見を得られました。複雑な LLM システムにおける監視基盤の重要性を改めて認識できたセッションでした。
AWS GameDay
AWS GameDay は、AWS Summit などで開催されている毎回人気のイベントです。参加者はチームに分かれ、AWS のサービスを使ってさまざまな課題に挑戦します。
今回の Datadog Summit Tokyo ではこの AWS GameDay のブースもあり、参加者はその場で Datadog を活用する課題に挑戦できました。 内容は、20 分の制限時間で Datadog を使ってシステムの問題を特定したり解決したりするというもので、Datadog の機能を実践的に学べる設問になっていました。主に LLM Observability を使った課題になっており、体験を通じて LLM Observability の有用性を理解できる内容となっていました。
筆者もこの GameDay に参加したところ、全問正解で 1 位でした。
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最後に
今回のカンファレンスを通じ、Datadog の最新情報を得たり、他のユーザーと交流したりできる貴重な機会となりました。 懇親会も用意されており、Datadog を使った企業の方々とも直接交流できる良い機会なので、ご興味のある方はぜひ次回参加してみてはいかがでしょうか。
また、最後に宣伝です。次回の JDDUG @ 東京 は 10/29 (水) に開催予定です。筆者は「Data Access Control で実現する、より細かい権限制御」という LT を予定しています。ぜひご参加ください!