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「マーケットエントリー領域が特に好きでした」と語るコンサル出身の岩田さん。アーリースタートアップでの挫折を経てRAKSULに入社し、今度は自らパッケージ印刷業界の変革に挑みました。
パッケージ印刷については「ほぼ素人」の状態から一人で始めたプロジェクトが、1年半の試行錯誤を経て、2025年9月16日に『ラクスルパッケージ』として正式リリース。「3〜4年で国内ECNo.1、そして海外展開を目指します」と意気込む岩田さんに、新規事業立ち上げの軌跡を聞きました。
目次
「今度は自分の手で市場を作りたい」ー 支援者から実行者への転身
パッケージ印刷は唯一伸びている領域 ー 成長市場を見抜いた戦略眼
“パッケージ素人”からの孤独な船出 ー 知識ゼロからの挑戦
「何か掴んだぞ」という感覚 ー 転機と成長の瞬間
「コミュニケーション」と「分かりやすさ」で勝負 ー 他社との差別化戦略
「3〜4年で国内No.1、そしてグローバルへ」ー 壮大なビジョン
「実際に事業を運営するのは全く違う」ー コンサル出身者が語る現場の醍醐味
《編集後記》
「今度は自分の手で市場を作りたい」ー 支援者から実行者への転身
── 早速ですが、まずは岩田さんのこれまでのキャリアから聞かせてください。
岩田:キャリアのスタートは、外資コンサルティング会社です。総合商社のプロジェクトに関わり、海外の市場調査や現地への提案などを行っていました。M&A, PMI, DX支援なども幅広く経験しましたが、特にマーケットエントリー領域が好きでしたね。
その後、30歳を境にスタートアップで働いてみたいと思うようになり、社員10名程のリテールテック系ベンチャーにNo.2として飛び込みました。BtoBの卸売プラットフォーム事業に携わったのですが... 正直に言うと、うまくいかず苦い経験となりました(苦笑)。
コンサル経験があっても、新規事業を立ち上げるためのスキルやノウハウは全然別物なんだということを痛感したので、まずは学ぶことが必要だ、と。BtoBのプラットフォーム事業で成功経験を持っている会社は少ない中、RAKSULであれば経験が積めるのではないかと思い、転職を決めました。
── 失敗から学んで次につなげる、まさに起業家精神ですね。
岩田:RAKSULには2021年に入社しました。ただ、「新規事業をやりたい」というより、新しいことをするためにもまずはラーニングが必要だと強く感じていたので、まずはRAKSULのコア事業を深く知るために印刷事業部を選びました。
名刺や封筒などの事務印刷領域を3年ほど担当した頃、組織変更のタイミングで転機が訪れました。新しく『パッケージプロジェクト』をやってみないかと、声がかかったんです。
パッケージプロジェクトはまったく違う市場で、まったく違うプロダクトを独立して作るというものだったので、非常に面白そうだと感じました。最初は事務印刷の仕事への愛着もありましたが、いつか新しいマーケット、特に消費財周りや店舗で扱う商品の領域に出ていきたいという思いもあり、異動を決意しました。
プロジェクトを立ち上げてから1年半が経ちましたが、振り返って感じるのは、パッケージプロジェクトはまさに“夢のある挑戦の場”だったということです。
パッケージ印刷は唯一伸びている領域 ー 成長市場を見抜いた戦略眼
── そもそもなぜRAKSULはパッケージ事業に参入しようと考えたんでしょうか?
岩田:RAKSULの印刷事業の中でも、パッケージ印刷は成長領域であり、デジタル化されない分野でもあります。世の中がどれだけ進んでも、お菓子や化粧品のパッケージはなくならないですからね。
海外の事例を見ても、印刷関連の展示会ではパッケージ製造機械の宣伝が目立ち、業界的にも成長領域だと認識されています。ただ、RAKSULではまだ本腰を入れて取り組めていない分野だったので、会社としても参入すべき領域だと判断したのだと思います。
── 確かに、商品にパッケージは不可欠ですもんね。実際に業界を調べてみて、どんな課題が見えてきましたか?
岩田:パッケージ業界では、情報の非対称性が大きな課題となっています。
そもそもパッケージの仕様ってものすごく複雑なんですよ。素材、寸法、印刷の向き、加工方法など、気にしなければならないことが無数にあります。しかもパッケージのカテゴリーごとに取扱先が異なるなど、ニッチなサプライヤーが分散している状態です。
そのため、お客様はまず「どの業者に頼めばいいのか」という段階で迷ってしまうんです。運良く業者を見つけても、今度は価格がすぐに出ない。従来は営業担当がサンプルを持参し、1〜2ヶ月かけて打ち合わせながら発注するのが主流でした。
つまり、仕様選定の前の業者選定の段階からすでにハードルが高いというのが現状です。一方で、チラシ印刷などの分野では20年前からEC化が進んでいます。でも、パッケージ業界では複雑さゆえにデジタル化が遅れ、まさに今、黎明期を迎えている段階だと考えています。
“パッケージ素人”からの孤独な船出 ー 知識ゼロからの挑戦
── 率直にお聞きしますが、岩田さん自身、パッケージ印刷についてはどの程度ご存知だったんですか?
岩田:前職のスタートアップ時代に消費財周りも扱っていたとはいえ、プロジェクト開始時点ではパッケージ印刷についてはほぼ素人でした。
── 素人同然からのスタート!それは大変でしたね。どうやってプロジェクトを進めていったんですか?
岩田:最初は一人で始めました。RAKSULにはダンボールワンという段ボール・梱包資材を扱う事業部がありますが、ダンボールワンの経験があるメンバーからうまくいったことや失敗談を聞いたり、ラクスルファクトリーやそこからのご紹介でいくつか印刷工場を見学させてもらったりして情報収集しました。
ただ、やはり実際にマーケットに打って出ないと真のニーズはわからないので、まずは顧客のニーズと実績をつかむことを優先し、その後にプロダクトへの投資を考えるという順番で進めました。
社内の経験者から教わったことを活かしながら、簡易的なランディングページを作成し、そこでお客様に希望の寸法や用紙などを選んでもらい、それに対する見積もりを出すという形で、一件ずつ自分で個別対応するテスト販売を半年ほど行いました。知識不足は大きな課題でしたが、やりながら学ぶしかないという状況でしたね。
── ここでも「学ぶ」ことを重視されたんですね。一人プロジェクトを進める中で一番つらかったのはどんなことでしたか?
岩田:パッケージは検討要素が多く、リードタイムもかかるので、すぐに売れるものではありませんでした。最初は数件の受注を獲得するのも大変で、お客様に購入いただくために必要な情報がなんなのかを探るのに時間がかかりました。どういう情報を提供すればいいのかわからず、まさに試行錯誤の連続です。
なにより苦心したのは、しゃがむ期間が続くことですね。売り上げが立たない時期が続いて、もどかしさを感じることも多々ありました。ただ、パッケージ事業のような新規事業では、すぐに立ち上がらないのは当然で、実績を作って責任者としての確信を持てないとECへの投資もできません。「自分の時間を無駄にしているのではないか」という不安もありましたが、「絶対に成功する」と自分自身に言い聞かせ、諦めずに一歩ずつ前に進めてきました。また、世の中で成功したサービスの立ち上げ期に起業家がどのように過ごし方をしていたかを参考にして「これはどんな新規事業でも必要な我慢の期間だ」と捉えるようにもしていました。
「何か掴んだぞ」という感覚 ー 転機と成長の瞬間
── 売上が上がり始めるまで、実際どのくらいかかったんですか?
岩田:最初はまったく売れない、問い合わせもないような状態から、サイトでのアピールやメルマガ配信などを行いながら少しずつ売上が出るようになるまで1年ほどかかりました。
ただ、パッケージは検討に1〜2ヶ月かかるような商品なので、施策の効果がすぐに売上に反映されるわけではありません。どの施策が効いているのかわかりにくい面もあり、できることはなんでもしながら手探りで売上を伸ばしていった一年間だったと思います。
── 長いトンネルを抜けた瞬間があったと思うんですが、いつ頃から手応えを感じ始めましたか?
岩田:プロダクト開発にGOが出たときですね。それより手前で、売り上げがちゃんと上がっていく実感が出てきたときに「何か掴んだぞ」という感覚がありました。実績がついたら開発投資承認も下り、どんどん巻き込む人も増えてきて、一人プロジェクトからチームプロジェクトになったときは本当に嬉しかったです。
自分の考えだけだと偏っていたのが、エンジニアやデザイナーなど、自分の不得意な領域や知らない領域の知見を交えた議論ができるようになり、良いものを作れるようになりました。
今はチームみんなでRAKSULの中で一番いいプロダクトを作っているんじゃないかという自信があります。昔は9ヶ月ほどかかっていた新規ドメインのサイト開発が、これまでRAKSULで培ってきた知見や優秀なエンジニアチームの技術力、それにAIの助けも加わり、3ヶ月足らずでほぼ完成しようとしています。圧倒的に早くハイクオリティなものができるようになったので、そこも含めて今はすごく楽しいですね。
「コミュニケーション」と「分かりやすさ」で勝負 ー 他社との差別化戦略
── 競合他社のサービスと比べて、どんなところに力を入れているんですか?
岩田:この度新たに誕生した『ラクスルパッケージ』では、他のサイトと比べていくつか意識していることがあります。一つは、お客様とのコミュニケーションを円滑にするためのメッセージ機能をしっかりと作ったことです。また、実物を確認できるようにサンプルを無料で注文しやすくしたのも特徴です。
特に初めてご利用になるお客様の場合、用紙の選び方や形状、寸法、余白の取り方など、細かい相談をしたい方が多いので、しっかりとやり取りを重ね、要望を引き出した上で購入まで進んでいただく必要があります。事務印刷と比べて、パッケージ印刷は圧倒的に単価が高いんです。手間に見えるかもしれませんが、お客様の不安を事前にきちんとフォローできる体制がなければパッケージ印刷ではうまくいかないというのが私たちの考えです。
ただ、もちろん「やり取りをしないと購入できない」という形では、従来的な購入体験と大きく変わらなくなってしまうので、蓄積したノウハウは積極的にお客様にも公開し、情報非対称性をなくした「分かりやすい」サイトにもしていきます。その点まずは、他社では明示のないことも多いパッケージの価格情報を公開し、お客様の指定する寸法に応じて即時に正確な価格をご提示できるECサイトとしてスタートしています。
「3〜4年で国内No.1、そしてグローバルへ」ー 壮大なビジョン
── 満を辞しての『ラクスルパッケージ』リリースですが、これからの展開についても聞かせてください。
岩田:まずは紙箱・化粧箱の領域からリリースしていきます。化粧箱だけでも結構大きなマーケットなので、対応できる形や大きさ、用紙などを増やしていくことが当面のタスクです。
さらに、紙箱・化粧箱以外にも紙袋や軟包装といった立体の印刷商品にも参入していきたいと考えています。他のECでは寸法を自由に決められるオリジナルサイズの紙袋はできていないので、そこを『ラクスルパッケージ』として牽引していきたいですね。
── 紙箱から様々な立体商品へと、着実に領域を広げていく戦略ですね。マーケットエントリー後、どのくらいの期間で存在感を示せると考えていますか?
岩田:現在のマーケットはまさにブルーオーシャンで、テスト販売のLPを立ち上げただけで特定のキーワードでは上位を獲得できるほどです。ラクスルブランドの支えもあって、検索マーケットではすぐに存在感を示せるでしょう。
ただ、広く深いパッケージ業界でサービスレベルとして十分通用するようになるには、品質改善や取り扱い商品の拡大など、長い道のりになると思います。それでも3〜4年で国内ECNo.1に到達できるのではないかと考えています。
── その先の展開も気になります。どんな未来図を描いていますか?
岩田:国内No.1獲得の先には、海外展開も視野に入れています。日本のパッケージ技術は世界的に見ても非常にレベルが高く、対面する日本の消費財ブランドの存在感はグローバルで高まっていますからね。
今はまだ具体的な計画段階ではありませんが、RAKSULグループには東南アジアでカスタマイズECを展開するCUSTAという事例もあります。CUSTAを立ち上げた高城さんとは定期的に情報交換していて、海外市場の可能性についてもよく議論しています。
パッケージ市場って本当に奥が深くて、やればやるほど新しい課題や機会が見えてくるんですよ。だからこそ、夢が広がりますね!
「実際に事業を運営するのは全く違う」ー コンサル出身者が語る現場の醍醐味
── お話を聞いていると、RAKSULの中にありながらも、まったく新たなスタートアップを立ち上げているような感じがしますね。
岩田:そうですね。振り返ってみると、コンサル時代は戦略を描くことが仕事の中心でした。でも実際に自分で事業を立ち上げようとすると、それとはまったく違う難しさがありますね。前職のスタートアップで失敗を経験したからこそ、「ちゃんとしたステップを踏む」ことの重要性を学びました。今回は、過去の教訓を活かして一歩ずつ積み上げることができていると感じています。
なにより今のチームが本当に素晴らしいんです。メンバー一人ひとりが『新しい事業を作り上げるんだ』という強い想いを持って、主体的に動いてくれています。僕一人では絶対に実現できなかったことが、チームの力で形になっている実感があります。
一人プロジェクトから始まって、こうして『ラクスルパッケージ』として世に送り出せたのは、本当に感慨深いですね。ここまで“夢のある挑戦の場”として取り組んできたパッケージプロジェクトですが、リリースした今も変わらず、ラクスル事業部の一事業という枠を超えて、まさに新しいスタートアップを立ち上げているような熱量で挑み続けています。
もちろん、想像以上に大変なこともたくさんありました。でも、それ以上に新しい市場にチャレンジできるワクワク感の方が勝っています。
そしてこれからが本当のスタート。お客様からの信用を一つひとつ積み重ねながら、着実に成長していきたいと思っています。
《編集後記》
インタビューを通して感じたのは、岩田さんの「諦めない強さ」と「学び続ける姿勢」でした。
パッケージ分野に関しては「ほぼ素人」でありながら、謙虚に学び続けてきた姿勢、一年間売上が立たない不安に耐えながらも試行錯誤を続けた粘り強さ、そして“夢のある挑戦の場”という言葉に込められた熱量。未開拓市場への挑戦の現実を包み隠さず語りながらも、その先にある大きなビジョンへの確信を持ち続ける姿勢は、まさに新規事業リーダーの理想像と言えるでしょう。
「想像以上に大変だけれど、それ以上にやりがいがある」
岩田さんのこの言葉が、パッケージプロジェクトのすべてを表しています。
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