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《ベンチャー流の地域貢献》富山の創業90年企業との人材交流で生み出すシナジー #リモート出向

建設のプロと、ITのプロ。それぞれの強みを取り入れ合うべく、創業2年のクラフトバンクは、富山を拠点とする創業90年の内装会社「宝来社」と提携しました。

現在2社間で進めている相互に高め合う取り組みのひとつが、リモート出向。地方老舗企業のデジタル人材育成を、東京のベンチャー企業がお手伝いしています。

今回の記事では、現在クラフトバンクに出向している2人の女性社員にインタビュー! 規模や文化の違う2社でつくり出す「新しい地域貢献の形」について、ざっくばらんに語ってもらいました。

登場メンバー

山田さん | 営業 | 写真右 

2022年12月に宝来社からクラフトバンクに出向。都内企業などで営業として勤めた後、出産を機に地元・石川へUターン。趣味はスーパー巡りで、お得でいいものを見つけては腕を振るって料理する。好きなカップ麺は「ちゃんぽんメン」(北陸以西で販売されているご当地即席麺)。

杉野さん | 営業 | 写真左

服飾系の大学を卒業するなどモノづくりに興味があり、新卒で宝来社に入社。宝来社からクラフトバンクに出向してからは、資料作成などを担当。見様見真似でサウナに挑戦するも整い方が分からず、ただただ体調を崩した。最近は岩盤浴と漫画の往復にハマっている。

田中さん | 営業 | 

クラフトバンク社員でフィールドセールス。宝来社メンバーとの橋渡し担当。先日、愛媛出張のお土産にみかんゼリーを買ったが、近所のスーパーでも買える商品だったと分かってちょっとへこんでいる。

老舗企業のデジタル人材育成は、「出向してみない?」から始まった

まずは自己紹介をお願いします!

山田:リモート出向中の、山田です。石川県に住んで宝来社に通いながら、リモートでクラフトバンクの仕事をしています。

キャリアとしては地元・石川県の大学を出て、そのまま地元企業で営業職に就きました。求人情報誌の営業で6,7年勤めた後、都内の企業に転職して人材系の営業や知財ベンチャーの営業などを経験しましたが、妊娠・出産を機に地元に戻ってきました。

現在、よく知っている土地で絶賛子育て中です。近くに家族がいると毎日助けてもらえるので、仕事に集中できています。

子どもはまだ1歳8カ月なのですが、すくすく成長しすぎたせいでよく3歳くらいに見られて「まだ喋らないの?」なんて言われます(笑)。保育園の送り迎えや、食事洗濯などの家事と、仕事の両立を目指して頑張っています。

杉野:杉野友衣那です。2022年に服飾系の大学を卒業し、新卒で宝来社に入社しました。もともと服を作るのが好きだったので、そこから派生して「服に限らず、モノづくりに関わる仕事に就きたいな」と思って、空間設計を手がけている宝来社に興味をもちました。

建設系の業界に馴染みはありませんでしたが、宝来社のホームページを見て、やりたいことをなんでもできそうな会社だなと感じたのもポイントでした。

入社後は主に現場管理の仕事などを担当し、どういった形で現場が動いているのか学ぶことができました。たとえば、一人で黙々と作っていく工程が多い服飾とは違い、多くの方が関わっている建築では段取りを組むだけでも大変なんだなとか。当たり前ですがめちゃくちゃ命懸けだし、安全の大切さを知ったのも入社してからです。

入社から半年後の2022年12月から、クラフトバンクにオンライン出向になり、現在はクラフトバンクで営業などを担当しています。今日はよろしくお願いします。

田中:クラフトバンク社員の田中です。神奈川県に住んでいます。新卒で建材商社に入って営業になり、その後2社のベンチャーで起業幹部として事業立ち上げをしてきました。

2018年にクラフトバンク入社してからは経験を活かして、専門工事会社の「業績UPと業務効率化の支援」に従事しています。現在は山田さん、杉野さんとチームを組んで、北陸3県のお客様に向けた営業活動も担当しています。

リモート出向が始まった経緯を教えてください。

田中:クラフトバンクが内装会社のユニオンテックから分社した組織ということもあり、代表同士が意気投合したのが始まりです。

宝来社は地場企業として長年の歴史があり、富山にいるたくさんのお客様との深い関係性があります。クラフトバンクとしては宝来社のお客様との繋がりを活かしてサービス提供をさせてもらいたい、という狙いがあります。

一方で宝来社側としては、クラフトバンクが取り組んでいる生産性向上の取り組みなどを知ることで、これまでとは別の風を入れることが目的かと思います。

山田さんや杉野さんのような社員出向を通じて、宝来社だけでは進めるのが難しい「デジタル人材の育成」を推し進めている状態です。

山田:私は、出向前からクラフトバンクの営業に少しだけ関わっていまして。建設会社向け事業の営業をしていたとき、宝来社の荒井社長から「クラフトバンクの営業もやってくれない?」と言われたのが最初でした。

実際にクラフトバンクのアポ取りを始めて2ヶ月くらい経ったころ、今度は「クラフトバンクと業務提携を考えているんだけど、出向してみない? どう?」と声をかけてもらいました。

杉野:私の場合は、入社半年で出向を打診されました。最初は正直、驚きました(笑)。

宝来社は歴史のある会社だからこそのアナログな面も多いなと感じていた中で、クラフトバンクは東京のスタートアップ企業で、勢いのある会社です。どんどん新しいことに挑戦しているし、吸収できる部分が多そうだなと思い、出向を決めました。

フルリモートで、ISからCSまで。エリア拠点づくりを見据えた業務提携。

リモート出向で、どんな業務を担当されているのですか?

山田:現在はインサイドセールスからフィールドセールスまで一気通貫で担当し、クラフトバンクオフィス(以下、CBO)の提供をしています。

営業スキルを底上げするため、まずはテレアポのスクリプト作りから始めて、商談ロールプレイングを週に何度も行ったり、実際の商談動画を見たりして勉強しました。

田中:商談ロープレは結構たくさんやりましたよね。2,3ヶ月くらいみっちりと、いろいろなシチュエーションを想定して提案体験をしてもらい、今ではすっかりひとり立ちしてくれました。

この前、久しぶりにやってみようかということで再度商談ロープレをしてもらったのですが、不安そうな様子もなくスラスラ説明してくれるし、「こうしたほうがいいですよ」と新しい提案も出てくるしで、正直ちょっと驚きました!

山田:甘いところはしっかり指摘はされましたけどね(笑)。商材理解が進んで、かなり慣れてきたと感じます。

杉野:私は本格的な営業が初めてなので、営業に使う資料や動画の作成を担当しました。モノづくりが好きという特性を踏まえた仕事を任せてもらっていると感じます。

田中:東京のメンバーの手が回らなかった部分を進めてくれるので、とても助かっています!

山田:段々と業務の幅も広がってきました。将来的には宝来社メンバーだけで富山周辺の対応を完結できるよう、受注後のアフターフォローとしてカスタマーサクセス業務も巻き取る準備を進めています。

田中:建設業のお客様にとって、やっぱり近くにある企業から、同じ方言で話してもらったほうが安心してもらえる印象があって。クラフトバンクではこれからエリア拠点を作りたいと思っているんです。今回の業務提携は「エリア拠点のモデルケース」という位置付けにもなっているのかなと感じます。

宝来社でもCBOを導入したとのことですが、活用進捗はいかがですか?

田中:やっぱり一筋縄ではいきません(笑)。歴史のある会社ですから、これまでの業務フローが浸透しきっていて、新しい変化を起こすには交通整理が必要なんです。

山田:でも、うちの会社もCBOを使えば絶対便利になると思うんです。

たとえば、今は現場に行って写真を撮っても会社に戻らないとデータをアップロードできないとか、会社の車を使いたい時は付箋を貼って予約しないといけないとか、オフラインでの管理が多くて。会社に行かないとわからない、という状況がなくなれば、もっと生産性が上がると感じます。

ツールを使えない・使いたくないという状態では導入しても活用が進まないという課題がありますが、私たちが営業している会社さんも似たような状況があります。現状に課題を感じているけれど、どこから手をつければいいかわからないというようなお客様にも、実体験を踏まえながらアプローチしていきたいと思っています。

田中:そうですね。宝来社の荒井社長がCBO導入を進めてくれたのは、山田さんや杉野さんという「CBOの価値を理解している人」が現場にいるからです。そういうツール活用を牽引してくれるキーパーソン作りも、地方導入を進める上で大事な部分になりそうですよね。

出向で得た気づきや文化の違いを、未来への糧に。

おふたりがクラフトバンクに出向して、驚いたことは?

杉野:社員が参加する事業共有会で、あらゆる数字が公開されて議論されているのを見て驚きました。

山田:そうですよね! 共有会では売り上げはもちろん採用単価なども共有されていて、そこまで公開するのはすごいなと。自社を振り返ると、そういった原価や収支に関して意識しているのは経営者層がメインで、メンバーレベルでは認識できていなかったように思います。

売上だけ見れば毎年積み上がっているように見えても、実際は原価や協力会社への支払いを差し引いて手元にいくら残るか考えなきゃいけないじゃないですか。それを、ぬるっとどんぶり勘定してしまいがちで。一方、クラフトバンクは全体の収支を考えながら動いていると感じました。

杉野:私は公開された経営数字を見ても、さっぱり内容が理解できなくて……。「やばいな自分」って、刺激をもらいましたね。クラフトバンクで働く人たちは経営視点で考えられるんだ、と知ったのは本当に衝撃でした。

山田:「今月は売上が足りない」となったら、経営側からだけじゃなく現場、ひいては他部署からも能動的に施策が上がってくるのが普通ですもんね。それは当たり前のようで、全然当たり前じゃないと思っています。

部署間で情報連携されていないと「売上のための策は担当部署が考えるもの」と思考停止してしまいがちですが、こうして情報を共有し合うことで、「ただ売るだけの営業」とは違ったことができるんだと感じます。

杉野:宝来社でも部署内の話し合いはもちろん、部署の垣根を超えての共有をもっと増やしていけたらいいなと思っています。今誰が何をしているか把握することで、新しいアイディアが生まれたり、やってみたいことが増えてモチベーションに繋がったりと、プラスに働くことが多いのかなと。

山田:そうですね! コミュニケーションを増やして、企業風土をよくしていくことに繋げられたらいいなと思っています。

出向を経て、何か変化や気づきはありましたか?

田中:出向が始まった当初に比べ、ふたりの仕事への考え方はかなり変わったように感じます。

最初は様子見というのもあったのかもしれませんが、やや受け身の印象があって。ミッションに対して「次のアクションは、何をしたらいいでしょうか?」という感じでした。

それが今では自発的に「これをやろうと思っています」と提案してくれて、その提案に対してより良くするためのフィードバックができるレベルになりました。宝来社に戻っても、先頭に立って営業ができる存在になっていると思います。

マインドセットも完了して、ベンチャーのスピード感にも慣れてきた感じがしますね。

山田:スピードは本当に早いですね。全然違います。宝来社では長期的な案件が多いからか、締切意識もふわっとしていることが多かったなと。今はできるだけ短いスパンで進捗を出していく感覚が身につきました。

とはいえ、まだまだですよ。あまりにもSlackの流れが早いので「置いていかれる!」と焦ることもあります(笑)。

杉野:わかります、意見交換が活発すぎて追いつけない(笑)。でも、困ったことはなんでもすぐに相談できる関係性があるなと感じます。東京との距離を感じさせない空気感というか、接点や頻度が多く感じるというか。

宝来社でも、もちろんコミュニケーションはありますが、ワイワイ話すという感じではなくて。特に仕事に直接関係のないコミュニケーションはクラフトバンクよりも少ないかなと感じます。社内は若い人が少ないこともあってか、かなり静かなんです。

田中:そういえば東京に来てくださったときに「飲み行く?」って声かけたら5〜6人バッと集まったのを見て、「こんなに気軽に飲みに行くんですか?」って杉野さんに驚かれましたよね(笑)。

杉野:そうでしたね! 富山だと車通勤の人も多いので、あまり飲みに行くことはないんです。そこも文化の違いを感じます。

最後に、今後やりたいことや意気込みをどうぞ!

山田:クラフトバンクは、男性も女性も子育ての社員が多くて、本当にフレキシブルに働いています。フルリモート勤務ができるので、働きながら子育てもしやすい印象です。出社が必要だと、働きながらの子育ては難しい面もありますから。

いろんな働き方の人がいて、いろんな人を受け入れている。宝来社でも、多様な働き方ができる環境作りを進めていければいいなと思っています。

杉野:クラフトバンクには「働かされている」という感覚の人が少なくて、心の底から「困ってる人を助けたい」って気持ちで仕事に向き合っていると感じます。その心の持ち方が素敵で、見習っていきたいなと思っています。

山田:一人ひとりがモチベーション高くやっていて、本当にすごいなと感じますよね。

田中:今回のリモート出向は、私たちクラフトバンクにとっても新しい挑戦です。

東京のベンチャーと地方の老舗企業にはあまり接点がないのは事実ですが、私たちは「職人酒場®️」というイベントを全国各地で開催していますし、これからも接点をどんどん増やしていきたいですね。

もちろん地域のエリア拠点を作るという経営上の目的もありますが、私たちが目指す「建設業の魅力を高める」という点から考えると、地方の企業と協力していくことが、本当に大事だと思っています。

今回のように、人材を通じた支援もさらに広げながら、私たちなりの新しい「地方との関わり方」を模索していきたいと思っています。

山田さん、杉野さん、これからも引き続きよろしくお願いします!


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