- バックエンド / リーダー候補
- PdM
- Webエンジニア(シニア)
- Other occupations (17)
- Development
- Business
2023年9月にEngineering Manager(以後、EM)に就任した鴛海 太一(おしうみ たいち)。前職は新卒でゲーム業界に約2年在籍した後、ウォンテッドリーへ入社するという社内では比較的珍しい経歴の持ち主だ。Wantedly Visit のBackend Engineer として活躍し、現在は EM とQuality Control Squad のLeader を務めている。
なぜゲーム業界から飛び出し、ウォンテッドリーへの入社を決めたのか。EM就任後の意気込みと合わせてこれからの開発組織への想いをインタビューした。
開発手法とカルチャーの違い。更なる成長スピードを求めていた
ーー まずは2018年に2社目のキャリアとしてウォンテッドリーを選んだ経緯についてお伺いしたいと思います。
前職は新卒でゲーム業界の会社に入社し、主にデータ分析や基盤ツールを作るチームに所属していました。周りのエンジニアは優秀なメンバーが多く、恵まれていた環境でしたが、そこから入社半年くらいで大きな社内編成の変更があり、そのタイミングで開発組織の在り方や自分のキャリアについて考えるきっかけは何度かありました。
そのような状況でいろいろな業界を見ていく中でWeb業界が良さそうだと思い、そこから何社かカジュアル面談で企業に話を聞きに行くことを始めました。
ウォンテッドリーには「エンジニアカルチャーが浸透している」と感じた
ーー Web業界といっても事業内容や会社の規模など様々な会社がありますよね。その中でなぜ、ウォンテッドリーへの入社を決めたのですか。
今でも覚えていますが、オフィスでカジュアル面談を行いました。その時は採用担当者と配属先のエンジニアと面談をしたのですが、正直エンジニアよりも採用担当者の印象をすごく覚えています。その時のカジュアル面談では会社のビジョンやミッションだけではなく、開発組織やエンジニアリングの話を採用担当者が専門用語を交えながら話していたので感心しました。自分が大切にしている持論として、人事や採用担当者がエンジニアのカルチャーを理解して話せるということは「社内のエンジニアカルチャーが浸透している会社だ」ということがわかる判断基準の一つかなと思っています。
組織の中でのパワーバランスなどでエンジニアのカルチャーや思想が薄れていく会社もあると思いますが、採用担当者レベルまでしっかりと浸透しているということはすごく良い印象でした。もともと、ウォンテッドリーのミッション・ビジョンへの共感はすごくあったのですが、その採用担当者とのカジュアル面談で自分の志望度はかなり上がりました。
ウォンテッドリーでは候補者の適正や希望をみて選考過程の中で 1day インターンを実施していますが、実際の開発組織を知ることができたのは、入社への意思決定につながる貴重な体験でした。選考の段階で双方の認識をきちんと確認することができるので、単にスキルマッチだけで入社をすることが防げます。どのようなメンバーが働いているのかなどの実態を入社前に知ることができたので、これらを事前に確認できたのは大きな利点でした。
超人がいる組織よりも、ベースの能力が高い組織は何よりも強い
ーー ウォンテッドリーに入社後、実際に働いてみて開発組織の実態として良い点や悪い点はありますか。
良い点としては、エンジニアリング能力のベースが高いメンバーが多いことだと思います。正直、ウォンテッドリーには界隈の有名人がいるような突出した人がたくさんいるわけではないのですが、逆にいうとベースの能力が高い組織なんですよね。例え新卒でも高いエンジニアリング能力を有していることもあり、エンジニアリング能力の基準が高いので、かなりコミュニケーションはとりやすいと思います。
あとは、エンジニアに限らず全社的な話になるのですが、何かを改善することに関しての意識は高いと思います。ただ目標を達成することを考えるのではなく、効率良く正しい方向に向かっているか思考しながら日々業務を改善していくメンバーがいるところも良い点です。この背景には、新しい変化が起こったときに拒絶をするのではなく、適切なものだと判断できる情報があれば賛同してやるというカルチャーがあることが大きく影響しています。
逆に現時点での課題感としては、全体的にまだ組織内の育成力が若干低いことです。個人的な見解にはなりますが、エンジニアは手を動かすことが好きな人がわりと多い印象だと思っています。これはウォンテッドリーに在籍しているエンジニアの特徴というよりかは、エンジニア全体においてそのような志向性の持ち主が多いと思います。そのため、マネジメントをしたいというリーダー層が少ないのでまさに今求めている状況ではあります。
更なる成長に必要なことは何か?それは当たり前を疑うこと
ーー 今のウォンテッドリーのフェーズはいわゆる第二創業期といわれていますが、この環境をどのように感じていますか。
今までは事業の成長に向けてやればいいこと・やったら伸びることが見える状態を維持するために必要なことを続けていましたが、ここ最近は伸びが少しずつ悪くなってきているという状況です。そのため、今後は停滞している状態から再び大きく成長するために、プロダクト的にも組織的にも挑戦をしていかなければなりません。できることは全て出し尽くした状況で更に次の大きい一手を考えることになりますが、複雑な問題を解くような楽しさを感じることが多くあります。
ーー このような環境ではどのような人がマッチするのでしょうか。
ただ与えられたタスクをやるだけではなく、自ら課題を見つけて取り組めるひとは特にやりがいを感じられる機会が多いと思います。ある程度、環境が揃っている環境では流れに身を任せるだけでも開発はできますが「これは正しいのだろうか」「これは最適なのだろうか」と当たり前を疑わないと、停滞した状態から抜け出して大きく成長することはできません。自分の手で課題を見つけて解決することにやりがいを感じられる人はマッチすると思いますし、そういったメンバーがいるチームで切磋琢磨しながら働くのは楽しいと思います。
組織の改善の一端を担うことのやりがい。未来をつくる責任と楽しさ
ーー 現在はどのような業務をしているのでしょうか。
現在自分がやってることは EM と Quality Control Squad の Leader の仕事など幅広く関わらせていただいています。例えば新規事業の立ち上げのサポートをしたり、VPoE室内で組織課題を考えて議論したりもしています。このような組織改善の一端を担えるということは、組織ひいてはプロダクトの未来をつくることに関わる部分なので責任もありますが、非常に楽しいです。
一方で、マネジメント関連での大変さはやはりあります。自分の行動を変えることは簡単なんですけど、他人の行動を変えるのはすごく難しいので、そこはやりがいとも言えます。
ーー ちなみに人の行動を変えさせるために意識されていることはありますか。
自分は何よりも「信頼」が大事だなと思っています。やはり、信頼されているかどうかは、その人の話に耳を傾けるかどうかに大きく影響します。もちろん、話の筋が通っていたり、論理的に整理されていれば問題ないこともあると思うのですが、最初の印象は変わると思います。そのため「いかに信頼を構築するか」はマネジメントにおいて一番大事だと考えています。
ーー最後に、今後の展望について教えてください。
Wantedly という10年以上やってきたプロダクトをさらに成長させるフェーズがまさに今だと考えています。この第二創業期という企業フェーズだからこそ、成長できるチャンスがたくさんありますし、こういった経験はなかなかできることではないと思います。単純に組織やプロダクトを大きくさせるのではなく、更にもう一段階成長させるというフェーズで一緒に成長していきたいという人と出会えたら嬉しいです。