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思考訓練と試行錯誤
人生を歩んでいると、自分ではない誰かと会うことになります(あたりまえ)人は無意識に自己評価するように、他人のことも評価します(これもきっとあたりまえ)私は自分の子供たちに「自分より優れている(と思う)人と付き合うよう」アドバイスしていますが、手前味噌ながらそれは彼らに高い志と成長意欲があるからであって「その日暮らしでよい」「成長なんてしたくない」というタイプであれば私もわざわざ上記のようなことは言いません冒頭書き出しの「自分ではない誰か」の話に戻しますと、私のこれまでの薄い人生を振り返っても、俗にいう【天才】と【それ以外の人たち】に分けられ、多数派は当然に後者です【それ以外の人たち】の中...
褒めてほしい大人たち
コンプラ重視の社会情勢は日々加速していますが、私は今から約20年前世の中に「そのスィッチ」が入った瞬間を記憶しています。2008年にFacebookが日本に上陸した瞬間がそれです 私は当時「いいね」ボタンしか押せないことに一定の合理性を感じつつもどこか「気持ち悪さ」を拭えませんでした。極端にいえば「いいね」の強要であり、その逆の評価の禁止と捉えたからです。人に対してはプラス評価しか許さないと言わんばかりの圧を感じましたが、以来四半世紀経った今、広いくくりでいうSNSのひとつでいうXやヤフコメの世界では人を激しく誹謗中傷する輩が絶えず、断続的に重大事件を引き起こしていることはどこか皮肉な...
自分より優秀な自分
Don't think, feel(考えるな、感じろ)とはかの有名なブルース・リーの名台詞ですが、私たちフォービスの行動規範は、今年度から「Don't think, move(考えるな、動け)」です目下、全社員が「自分より優秀な自分」を携えています。いわゆるAIのことです。社員には会社が法人契約したAIライセンスを付与していて、分からないことがあれば一生懸命頭を悩ましたり考えたりするのではなく「自分より優秀な自分」に課題解決の協力をしてもらうようにしていますもはや「考えること」はそれだけで時間の無駄、何か問題や疑問にぶち当たった時、かつ自身で即答或いは即時解決出来ない場合は「うーん」では...
海と毒薬
最近ふと、この言葉が頭に浮かびましたこの言葉から、日本国内では、大きく二つの意味合いが想起されるはずです①「苦肉の策」の意。敵を騙すために自分や味方の不利益を承知で実行するはかりごと②昭和に発表された、遠藤周作氏の小説タイトルなんで自分の頭によぎったかを考えましたが答えがありません。ただ、少なくとも上記①の概念ではなく、恐らく下記の社会事象と②の掛け合わせから来たものだろうと自分で思いました・昨年末から今年にかけて世間を騒がしている、某テレビ局を舞台にした大規模なスキャンダル・当該テレビ局の役員の中に、上記小説著者の末裔がいたこと・同小説は、倫理観や宗教観、同調圧力や集団主義をテーマにし...
お電話かわりました
デジタル化が進むにつれ、顧客対応も大きく変化してきています迷惑電話などの対策のため代表電話をサイトに公開しない会社や、問合せに電話を使わない(何がなんでも、フォーム入力かチャットボットへ寄せようとする/笑)会社も少しずつ増えています。顧客が高齢者の場合はまだ難しいですが、対応する企業側のコスト最適や働き方改革に鑑みればデジタルシフトはどんどん進むでしょうちなみに私が顧客の立場の時は、急ぎでない限り、記録され履歴を振り返ることが出来る問合せフォームを使うようにしていますさて、コールセンターやお客様窓口が適切に設置されている企業であれば、分業・連携体制がしっかりしており対応記録も一元集約され...
税の本質
別のコラムで割愛した「103万円の壁」についてコメントしようと思います。さきにお断りしておくと、私は税理士ではなく税務当局の職員でもありません。ただ仕事柄、長年「税」と付き合って来た身として昨今の報道に猛烈に違和感があるため敢えてこのコラムを作りましたタイトルにもある「税(金)の本質」は「みんなからお金を集めてみんなのために使う」です。例えば所得税や消費税で集めたお金を公共事業や社会保障に使うという意味です。税を納付することは社会の一員であることを意味し、自己の責任を果たしていることにもなります。「経済を回す」にも近い概念ですそうなると税の使い方が気になります。税率が上がっても、その使う...
〇〇の壁
今から約20年ほど前、ある解剖学者による書籍が大ヒットしました。以来「あれこれ論じても仕方がない」「相容れない」といったことを皮肉る時に『〇〇の壁』などと形容されたりもしましたビジネスをやっているといくつもの【壁】に出会います。男女の壁、世代の壁だけでなく、組織の壁、部署の壁等々(※今ちまたで騒がれている「〇〇円の壁」はナンセンスなのでここでは対象外とします)。そしてそれらの壁に向き合った際、①それらの壁を壊そうとする人と、②壁は壁と承知し与件の一つに入れて(何なら前提にして)行動する人に大別されますビジネスは基本的に「停滞」ではなく「進捗」させてなんぼです。もっと具体的に言えば「売上」...
あらがうのではなく乗る
AIが世界を席巻していますSNS上の広告もグラフィックスも或いは詐欺SMSまでも、一見その真偽真贋が分からなくなるほどに高精度なものが飛んでくるようになりました(苦笑私が社会人デビューした年に公開された映画『ターミネーター2』では自律自走し始めたAIが人類に刃を剥く近未来が描かれる訳ですが、この構図を予感とさせる状況は2025年の今も指数関数的に激化して来ていて、情弱とされるタイプの人たちは斯かる広義の「AIと人の戦い」に負け、駆逐されることでしょうビジネス界では「自分以外の自分」をクローンとして配置する企業も登場してきましたが、弊社も生成AIの利用を義務付けると共に有料版ライセンスを全...
加害者と被害者
この世には大きく分けて「加害者意識が強い人(自責タイプ)」と「被害者意識が強い人(他責タイプ)」がいます基本的に「被害者意識が強い」「他責タイプ」の人はそこからなかなか脱却することは出来ません。そしてその指向はその人の言動として顕著に現れます少々飛躍するかも知れませんが身近な例をひとつ。とある人物が「転職面接の練習をしたい」というのでお付き合いしたことがあります(その人は面接を受ける側ね)。曰く「自分の市場価値を上げたい」「今の場所ではそれが到底無理」「だから会社を変える」のだそうですまず転職する権利は誰にでもあり、誰でも持ちうる自由意思なので、そのモチベーションを私が否定することは出来...
「配送料タダ」の誤謬
あなたは一人で生きていけますか?多くの人が、専門家が建てた家に住み、外国人が作った衣服を身にまとい、誰かが作った野菜や誰かが釣った魚、又は適切に処理された動物の肉に赤の他人か機械が調合した調味料を振りかけて食べ、毎日山のような生ごみや汚物を排出し、業者さんにそれらの処分を委ね、生命を維持しています。日本の食料自給率は61%(農林水産省による、2023年度の生産額ベース統計)。つまり、国家レベルでみても約4割は国外の世話になって存続している訳です。タイトルにもある配送料にも関係者の人たちの多大な労力が含まれています。仮にECサイトが「無料」を謳っていたとしても、当然にその労力への対価は誰か...
誰かに迷惑かけている訳じゃない
ひと様に迷惑をかけてはならないこう言われて育った人は私だけではないと思いますあなたの目の前の人が「他人に迷惑かけなきゃ何しても良いだろう」と言ったらあなたはこの人をどう評価しますか?「迷惑をかける」を、誰かの「世話になる」と言い換えたらどうでしょうか?誰かの「世話になる」ことなく、生きていける人っているでしょうか?人間は、他の生物に比べてかなり脆弱な状態で生まれてきます。誕生したての赤ん坊が何らのケアもされずに放置されたらどうなるかは想像に易しいでしょう。生まれてすぐ適切な処置がなされ、衣服が提供され、栄養補給や排泄物処理がマメに行なわれ、清潔で安全な環境での世話を受けてはじめて、人は人...
努力してはいけない(後編)
会社にとって最も有害なのは、③「がんばり屋だけど、目標達成できない人」です。(ここからお話しする内容は、私は一般論と理解していますし、経営や人事評価を論じる場面でもしばしば先人が引用してきましたが、内容がやや過激なこともあり賛否あることを承知しております)タイプ③の人を考察してみます。・このタイプは基本的に一生懸命がんばる人です。ひたすらがんばる人です。・他の社員が怠けている間も真面目に働きます。朝は人より早く始業し夜も残業をいとわず頑張ります。がどうしても目標が達成できない。それでもとにかくがんばる。・勤務時間はどんどん延びます。体力も気力も有限なので、やがて「これ以上むり」「これ以上...
努力してはいけない(前編)
古くは某国の軍人、現代では某大学の教授、或いは有名なプロ雀士までもが本質的に同じことを言っているので、今回はそれらの要素を統合・要約して話をします。会社は、方針に賛同する個人が集まり、顧客のために付加価値を創出するチームです。チームには判断と指示を行うリーダーがいて、他のメンバーはリーダーの指示に則して動きます。ただメンバーの役割や腕前、「タイプ」は決して一律ではなく、人により異なります。リーダーもまたしかりです。メンバーの「タイプ」を下記の4つに分類したとします。① なまけ者だけど、目標を達成する人② がんばり屋で、目標を達成する人③ がんばり屋だけど、目標達成できない人④ なまけ者で...
なんでもないようなこと
人によっては「当たり前」で「今ごろ?」「今さら」の話だと思うのですが、私の実体験をメモしておこうと思います。私はいま山梨在住で、遠く離れた愛媛に80歳越えの両親が住んでいて、東京では大学生の子供らが独り暮らしをしています。一年前、私が愛媛へ帰省し両親と某有名回転寿司のお店に行った時のこと、いつものように端末で注文し品々が送られて来て手に取って口に運ぶという動作をします。お腹が一杯になってきた終盤、父親が隣にいた私の母親にボソッと「大勢で食べたらやっぱ美味いのぅ」と呟いたのです。普段は夫婦(2人きり)で食べる回転寿し。同じ店。息子の私が加わっただけの話です。私はその呟きにピンと来なかったし...
中抜きとピンハネ
このタイトル、死語に近いかも知れないけど、誤用も散見される言葉なのでピックアップしてみました。※特定の業種をイメージされにくくするため多少抽象度を上げて進めて行きます。あるサービスまたは商品が以下のように流れているとします。・サービスまたは商品の流れ:A社→X社→B社・お金の流れ:B社→X社→A社「中抜き」とは、AがXを通さずBと直接取引することです。Aに言わせるとXはただ間に入っているだけで手数料をとる(つまり「ピンハネ」する)なんて納得行かない。だからXを外してAと直接取引をするという論理です。Xが「ただ間に入っているだけ」が事実なのであればAの主張は分からんでもないですね。インター...