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早くやるとは何か?

Photo by Luke Helgeson on Unsplash

こんにちは。ウォンテッドリーで CTO をしている安間 健介です。

この記事は Wantedly Advent Calendar 2024 の1日目の記事です。これからウォンテッドリーの様々な人が記事を繋いでいきますので、最後までお楽しみください。

この記事では、「早くやるとは何か」に着目して、Wantedly Valueを使って説明していきます。エンジニアやデザイナといった開発に関わる人だけでなく、仕事のスピードを上げていきたい人の手助けになれば幸いです。


目次

  • なぜ早くやるのか?

  • 正しい「早くやる」の要素

  • 素早く着手

  • スコープを明確化

  • 誤解を低減

  • 高速なフィードバックサイクル

  • コミット

  • Wantedly Valueで考える開発における早くやるとは?

  • User Obsession

  • Move Fast

  • Less is More

  • Code Wins Arguments

  • Get Things Done

  • One Team

  • Overtake

  • まとめ

なぜ早くやるのか?

成功の鍵として、時間があります。一定時間を超えてしまうと社会情勢・競合他社の状況から失敗が確定します。

時間の重要性はデータでも裏付けられています。調査によると、製品の市場投入が6カ月遅れると、その製品の収益は平均33%減少するとされています(*)。一方、競合より早くリリースすれば市場シェアを増加させる可能性があるとの報告もあります。

そのため、迅速な対応と意思決定が成功を大きく左右します。

(*) https://hbr.org/1991/01/the-return-map-tracking-product-teams

正しい「早くやる」の要素

ただ闇雲に早くやっても効率的ではありませんし、仕事が雑になってかえって遅くなってしまうかもしれません。ここでは、正しい「早くやる」の要素を5つに分解して考えてみましょう。

素早く着手

  • 仕事を先延ばしにせず、迅速に取り組む。

スコープを明確化

  • 過剰な範囲を避け、最小限の必要性を定義する。

誤解を低減

  • 「早くやる」≠「工程を飛ばす」

高速なフィードバックサイクル

  • 結果を早期に確認し、改善を繰り返す。

コミット

  • 各タスクに責任を持ち、真剣に取り組む。

以上のように、「早くやる」にもいろいろな意味が含まれていることがわかってきます。ご自身が想像している「早くやる」がどこに当たっていたのかを見返してみると良いかもしれません。もしも、想像していたものよりも多くの要素があったとしたら、この記事によってパワーアップできるかもしれませんね。

Wantedly Valueで考える開発における早くやるとは?

要素が出尽くしたところで、どんな風に開発に活かしていけばいいかをWantedly Valueで考えていきましょう。

ウォンテッドリーには、Wantedly Valueという大切にしている価値観があります(*)。これを浸透させることによって、エンジニア・デザイナなどが同じ価値観を共有できるようになります。Wantedly Valueは全社共通の価値観であるため、より身近なものに置き換えて考えると理解しやすくなります。今回は、このWantedly Valueを「早くやる」という視点で解説していきます。

Wantedly Valueは、6つのValueから構成されています。これら一つ一つが「早くやる」にどのように関係しているのかを、次のセクションから順にお話しいたします。その後、「早くやる」に特化した項目の「Overtake」を追加しています。

(*) https://wantedlyinc.com/ja/careers/values

User Obsession

「仕事の正しいゴールを決めること」

  • 目指すべきゴールはあっているか?
  • ユーザのためになっているか?

元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

「全てはユーザのために」という方針を強固に示すべく、Obsessionという強い言葉を使っています。また、User Obsessionは「ユーザの声を丁寧に全て聞くこと」ではなく、毎回自分たちの仮説をマーケットやユーザに問い、そこで自然淘汰され、生き残った部分を伸ばしていくことです。すなわち「使ってもらえる物を作る」姿勢のことを指し、本質的にはUser Reaction Firstになります。ユーザの声ではなく、本質的な欲求に応えることそが、真のUser Firstだと考えます。

Move Fast

「仕事を素早く着手すること」

  • 向かう方向がわかったら、とにかく早く動きます。
  • 方向があっていれば、ゴールに近づくことができます。
  • 「早くやる」≠「工程を飛ばす」です。
  • V字モデルで書くと、実は山あり谷ありの道になる。設計やテストの工程は、分解されます。
  • アジャイル開発であったとしても、ウォーターフォール開発であったとしても、基本的な考え方 / 工程は同じです。1つ1つの開発サイズを小さくすることによって施行回数と早いフィードバックをもらうことが大切です。
  • 設計、テスト、レビューなどの全工程を効率的に進めることが重要です。
  • 仕様通りに動作するのかを確認しましょう。
  • User Obsessionとも関係しますが、効果・価値があるかを確認しましょう。

元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

世の中にはヒト・モノ・カネなど様々なリソースがある中で、「時間」だけはどんな規模やステージの企業にも平等に与えられた資源です。しかし企業規模が大きくなり安定成長フェーズに入ると、往々にしてそれまで当たり前だったスピード感はどんどん遅くなっていくものです。私達は、有限資産である「時間」を最大限に活かし、先延ばしにせずにすぐに取り掛かる姿勢を大事にしています。

Less is More

「仕事のスコープを決めること」

  • 本当に必要な機能だけに限定して、素早くゴールを目指します。
  • 機能を減らすことは、最も難しいことの一つであるとされています。

元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

使う側のことを考えず、「あれもいいよね」「これもいいよね」と機能を継ぎ足していくことに比べ、作る側が使う側のことを徹底的に考え抜いて、極限までシンプルに、ユーザが考えなくても直感で使えるプロダクトを作ることはとても難しいことです。しかし、シンプルに保つために頭を使い、何にNOというのかを考え続けることが、使われ続けるプロダクト作りで大切なことだと考えます。足し算よりも、引き算。

Code Wins Arguments

「叩き台を作って進めること」

  • 議論を延々とするよりも、動くもの・叩き台を作ってみることが大切です。
  • ファーストペンギンになった人を賞賛しましょう。


元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

Code Wins Argumentsは、仮説を証明するために何時間も議論するのではなく、実際に動くものを作ってユーザの反応を確かめてみようという姿勢のことです。これはプロダクト以外の領域にも当てはめられます。限られた情報の中で「決断」を繰り返し、失敗してもそこから学びを得て、どんどんと前に進んでいくことで、プロダクトも組織も成長していくと考えます。

Get Things Done

「フィードバックサイクルを高速に回すこと」

  • 完璧ではなく完成を目指します。
  • フィードバックループを回し、ステークホルダとの期待値・方向性を調整します。
  • ステークホルダからフィードバックをもらって、方向性を合わせて完成から完璧まで持っていきます。
  • ドラフト版で内容を確認しつつ、次の工程に進むに足りうる品質レベルまで引き上げてから進んでいきます。もしも、次の工程に足りないような品質レベルで進んだとすると、要件定義や基本設計からの手戻り・ユーザテスト工程からの手戻りが発生する可能性が高まります。

元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

GTDはMove Fastとセットの概念です。フットワーク軽く物事に取り組む姿勢を推奨している一方で、それらが宙に浮いたままになってしまうということがままあります。始めたものは、終わらせる。完璧は目指さず、Done is better than perfectの精神で、やり切り、振り返りや効果検証をすることによって学びや成長実感が得られます。

One Team

「コミットすること」

  • コミットメント: チームで目標を共有し、結果に責任を持つ。
    • 二人三脚みたいなもので全員が息を合わせて進まなければなりません。
    • 周りの人と一緒に、自分も頑張る。
  • 全力で達成: 自分で取り組むだけでなく、助けを求めることも重要。
    • 一人でやり切るだけが仕事ではありません。


「コミットすること」

  • 「いつまでに」「誰が」「何をするか」を決めます。
  • 1つ1つのタスクにコミットして、自らいつまでにやると宣言します。



元来の定義をこちらに貼っておきますので、詳細を知りたい方はどうぞ。

どんな組織も、組織規模が大きくなると部署ごとに一定の断絶が生まれがちになります。その結果、組織としての全体最適ではなく、部署ごとの個別最適に陥りやすくなります。そういった構造的問題に常に危機感を持ち、誰もがお互いの部署やチームをリスペクト・信頼した上で、全社最適で思考して行動する。そんな姿勢を大事にしています。

Overtake

「過去の自分・チームを超えること」

  • 過去の自分やチームを超えることを目指し、常に成長を意識します。「101%の出力」を毎日追求し、小さな進歩を積み重ねることで確実な成果を得ます。たとえ「3歩進んで2歩下がる」過程であっても、進み続けることが大切です。この積み重ねにより、1年後には出力が150%に達する成長を実現します。
  • 継続的な改善と挑戦を通じて、着実な成果を手に入れましょう。

「過去の自分・チームを超えること」

競合も常に努力を続けています。その中で差をつけるには、「さらに頑張る」「効率的に頑張る」「継続して頑張る」のいずれか、またはそれらを組み合わせた戦略が必要です。一方で、努力を止めてしまえば、競合に追い抜かれるのは時間の問題です。止まらず、進化し続ける姿勢が、競争の中でリードするための唯一の方法です。


まとめ

Wantedly Valueに関連付けて、「早くやる」をお話しさせていただきました。まとめると以下のことが大切です。

  • 「仕事の正しいゴールを決めること」
  • 「仕事を素早く着手すること」
  • 「仕事を正しい手順ですること」
  • 「仕事のスコープを決めること」
  • 「叩き台を作って進めること」
  • 「フィードバックサイクルを高速に回すこと」
  • 「コミットすること」
  • 「過去の自分・チームを超えること」

私たちウォンテッドリーの開発チームは、このような思いを持ちながら、皆さんにサービスを届けていきたいと考えています。

明日は、VPoEの要からの記事になります。楽しみに待っていてくださいね。

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