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UXという言葉がプロダクトデザインの現場に浸透して久しい今、その中でもプロダクトの文言に特化したミートアップを開催しました。
ミートアップの公開から間もなく定員枠の倍の数の応募が集まり、Twitterでも「#UXライティングサミット」のハッシュタグに注目が集まるなど、UXライティングに対する世の中の関心の高さが伺えたこのイベントについて、当日の様子を含めて振り返ります!
イベント開催の背景
そもそも、UXライティングとはなんでしょうか? ウォンテッドリーのD&E (Design & Editorial) Squadでは、「テキストを駆使して、プロダクトやサービスの価値がユーザに届くまでの最短距離の道筋をデザインすること」と定義しています。
プロダクトにおいてテキストコミュニケーションが占める役割については決して見過ごせるものではなく、実際に海外ではGoogleやAmazonといった大企業が「UXライター」の求人を出すなど、日に日に注目が高まっています。しかし、現状としてプロダクトUXを専門に扱うライターの絶対数は、グラフィック/UIデザイナーよりも圧倒的に少なく、日本国内で公開されているUXライティング事例もまだまだ多くはありません。
そんな中、ウォンテッドリーでは、プロダクト開発の過程においてライターとデザイナーが共同作業をすることによって、プロダクトデザイン全体が底上げされると考えています。
そこで今回のミートアップでは、フリーのUXライターとして活躍する永井 一二三(ながい かずふみ)さんをゲストスピーカーにお迎えし、ライター/デザイナー双方の立場からUXライティングがデザインプロセスにおいて担う役割と可能性について焦点を当てました。
LT & ディスカッション
① UXライティング概論 (永井 一二三さん)
今回はUXライターに限らず、これからUXライティングを取り入れたいプロダクト開発関係者全ポジションを対象としたイベントです。まずはライティング・コピーライティング・UXライティングの比較について、UXライター永井さんからお話しいただきました。
コンテンツライティング、広告のコピーライティング等と比較しても極端に短いテキスト量を扱うUXライティングの目的は、「ユーザーのタスク完了」をサポートし、「プロダクトのもつトーン」を牽引することと紹介する永井さん。とりわけ今後スマートスピーカーやチャットボットなどのAIを媒介するコミュニケーションが浸透していく過程では、「トーン(言葉遣い)」をデザインすることの重要性が増すだろうと語られました。
② WantedlyのUXライティング (加勢 犬)
続いてウォンテッドリーのインハウスエディターである加勢が、Wantedly Adminにおける最近のリニューアルを具体例として取り上げつつ、UXライティングの思考プロセスを共有しました。
▼発表用スライドはこちら
時間を経るごとにテキスト量が増えていき、コミュニケーションの統一に課題を抱えていたWantedly Admin。「機能補助」と「行動喚起」のためにプレースホルダーやラベル、ボタン文言などを組み合わせつつ、プロダクトの思想を表現する工夫について、苦労話も交えて語られました。
③ パネルディスカッション
リードデザイナーの青山をモデレーターとして迎えたパネルディスカッションでは、デザイナーとライターの理想的な共同作業とは? デザイナーがUXライティングを学ぶには?といったテーマについて意見交換がされました。
「もったいぶった表現よりも、ユーザーの意識の背後に沈む言葉を選択するのが良いという特性上、UXライティングの言葉はサービスの垣根を超えて平準化していくのかもしれない。しかし、同時に個性も出さないと他のプロダクトと差別化できない。」という加勢の指摘に、頷く参加者も多く見られました。
ワークショップ「スカウトボタンを考える」
UXライティングの概要がなんとなく理解できたところで、いざ実践!
グループに分かれてWantedly Adminの「スカウトする」という文言をリニューアルするとしたら?という架空のプロジェクトに挑戦していただきました。ボタン文言はUXに大きく影響する要素であると認識した上で、いざひとつの解を選ばなければならないとなると、おのずと皆さん真剣な顔です......!
皆さんの答えは「会いたい」「見つけました」「やっと会えたね」など、同じテーマでもバラエティある着地となりました。ぜひ、本日のプロセスを各自持ち帰って活かしてもらえれば幸いです。
「人気女優と結婚した小説家が、初対面で放った一言。CV率は実証されている。」とのこと。
懇親会
最後はお疲れさまの懇親会。お互いのサービスにおけるデザイン上の課題やUXライターに向く人材など、積極的に意見交換がされていました。現状はUXライティング領域はUI/UXデザイナーが兼務していることが多いかと思いますが、デザイナーの人数が枯渇している今、文言のスペシャリストを社内に置くことでデザイナーの負担が軽減できるのではと期待の声が多い印象でした。それが開発スピードにつながり、結果としてユーザに届く価値が最大化できたらいいですね。
▼参加者のTwitterでの反応
ウォンテッドリーでは今後も定期的にデザイナーイベントを開催していきますのでご期待ください!