リクルートメントマーケティング連載第3回:採用におけるリードナーチャリング | リクルートメント・マーケティング入門
こんにちは、Wantedly Vistチームです!前回までは、デジタル時代において、いかにオンラインプレゼンス(存在感)を高め維持するのが大事かという話をしてきました。 今日は、その先にある「知...
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こんにちは、Wantedlyビジネスチームです!前回は、リクルートメント・マーケを語る前提として「デジタルマーケ領域」の進化について振り返り、リクルートメントマーケとの類似点についてみてきました。
今日は、具体的に「リードジェネレーション」について見ていきましょう。「リードジェネレーション」とは「潜在候補者の獲得」すなわち、最終的に選考にのる見込みのある人に、そもそも自社について知って貰う。そしてリードというくらいなので、その後ナーチャリングにつなげるための継続接点をつくることをいいます。
この、「見込みのある人に知って貰い、接点を作る」方法がここ20年で大きく変化しましたが、それはひとえに世の中のデジタル化が大きいといえます。
そこでまず最初にざっくりと、私達をとりまく環境について振り返りたいと思います。
過去20年ほどで誰でも発信できる時代になり、流通情報量は人間が消費できる情報を遥かにしのぐようになりました。
マスメディアが主流だった時代は情報こそが希少でしたが、今では人の「アテンション」の方が希少になっています。そこで人は「受身でひたすら情報を受ける」姿勢から、能動的に自ら情報を取りに行く姿勢に変わっています。
また、恐ろしい事実として、既にメディア接触時間は既にデジタルデバイスが過半数にまでなっています。2000年代から、いつかデジタルデバイスやインターネット広告がマスメディアを追い抜くとは言われていましたが、まさにそれがいま現実のものになろうとしています。
人の購買様式も大きく変化しましたが、テレビは未だに強い影響力はあるものの、5年前と比較するとオンラインメディアと比べてその力は相対的に弱まるばかりです。
下の図でも、特に若い世代がオンラインでの情報収集に重点を置いていることが伺えます。
このように、ここ10年で大きく外的環境が変わった今、採用だけにとどまらず、あらゆる領域で、いかにオンライン上での存在感を獲得・維持できるかが重要になってきています。
このような変化を受けて、採用のあり方も大きく変化しています。デジタルメディアの台頭のみならず、日本においては少子高齢化に伴う労働力不足という文脈においても、採用 = 選考ではなく、採用 = 間口を広げていかに多く母集団を形成するか、まず「自分たちについて知って貰うか」そしてその先が大事になってきています。
では、オンラインでの存在感を高めていくにはどうすればいいのか。
第一に、会社として発信していく軸を決めましょう。ビジョン(何のためにやっているのか/WHY)とバリュー(どうやってやっているのか/HOW)です。特にこの「WHY」が大事ですが、それを理解するためにこの動画がおすすめです。
発信する内容ですが、この動画にあるGolden Circle(ゴールデンサークル)で挙げられている「WHY」「HOW」「WHAT」が軸になります。Wantedlyの募集でも軸となる項目ですね。
そこに具体的に「事業領域、業務」そしてそこに時間軸を付け加えて「過去・現在・未来」について伝えていくと、会社に対する理解が深まります。そして、そこに「共感」できる人をアトラクトするコンテンツを発信していきます。
具体的なコンテンツは、このような領域があります。自社がどの部分の「象限」に強いのか認識し、戦略的に弱い領域を厚めに発信していきましょう。
第二に、どう発信するのか。認知形成の手段には大きくわけて3つの領域、「Earned(アーンド) = 努力をして手に入れた」「Paid(ペイド) = お金を払って手に入れた」「Owned(オウンド) = 所有している」があります。
その中でもデジタル時代に台頭してきているのがEarnedやOwnedの領域です。この分野の分野を伸ばすとオンラインでの存在感が増し、自社について知ってもらいやすくなります。
それぞれの手段にはメリット・デメリットがあるので、上手く組み合わせて使っていきましょう。
より具体的には、Blogや動画、イベントや広告などがあります。5項目をそれぞれ詳しくみていきましょう。
様々な発信手段がある中で、全ての情報発信のベースとしてブログが良いといえます。理由としては、TwitterやFacebook等では情報粒度が小さすぎ、流れていってしまって蓄積され辛かったり、メッセージが伝わり辛かったりするからです。
一方で、ブログ運用は「はじめる」よりは「継続」が最大の課題です。自社でサーバをたててブログをデザインするなど、初期に大型投資をするよりは、まずはブログサービスを提供しているサードパーティのもの等を利用して小さく始めましょう。
何を発信していいかわからない、という人は、のべ6,500社が利用しているWantedly Feedでの企業の情報発信を参考にしてください。具体的には、社員の想いの紹介や創業ストーリーが人気記事です。尚、Wantedly Feedは無料で利用できます。
スマホが普及したり通信回線が強化されたりした結果、動画は若い世代の間で大きく普及しています。
海外では「SodaStream」というイスラエルの会社が採用向けバイラル動画を作成して48万再生を獲得するなど、動画を上手く活用した認知形成が進んでいます。
一方で動画制作はSNSやブログと比べてコストもかかるため、チャネルを運用していくよりは、ブログやTwitterといった他SNSで単発で発信していくような使い方をオススメします。
また、こちらの調査によると動画を視聴することで志望度が上がるデータが出ています。
オンラインでのコミュニケーションが発達すると同時に、若い世代は、会社や業界の壁を超えてオフラインで顔をあわせるミートアップや勉強会等への参加が進んでいます。
企画が重すぎると中々実現しないので、あまり企画を必要とせずに実現する方法で - 社内勉強会に社外の人の参加枠をもうけたり、カジュアルにピザや寿司を食べながら社員と交流できるイベントを実施するなど - まずは始めてみましょう。
どのようなイベントが実施されているかはWantedly上でも事例がみれます。
TwitterやFacebook Pageといったソーシャルメディアは、それぞれのユーザへの導線として活用しましょう。また、継続してフォロワー数を増やすことで会社の情報発信力やリーチ力が強くなっていきます。
TwitterやFacebook Pageは気軽に始められるのが強みですが、よくある問題がネタ切れし更新が滞るというものです。ですので頻度高く発信よりは、継続して発信を続けられるよう体制やコンテンツなど設計して開始できるとベストです。
最近はSNSの発達で、興味をそそる情報はあっという間に広まりやすくなりました。なので、広告にお金をかけるよりは会社のユニークな「施策」や「制度」を発表すると大きく拡散され認知が高まる傾向が強くあります。
一方で流行に踊らされて次々と耳障りの良い制度を乱発し、最終的に事業が立ち行かなくなって制度を変える(リモート勤務を縮小するなど)といった事例も増えているので、制度設計は長期的な方針を見据えて行うのが本質的といえます。
コストをそこまでかけずに開始できるようになったリードジェネレーションですが、ハマりやすい罠もあるのでみてみましょう。
1つ目が「継続しない」です。
機運が高まったタイミングで一時的に大量の情報を発信するものの、担当者が変わるなどして継続されないことはざらです。またその結果として、会社の状況が数年単位で劇的に変化する中、公開情報が古いものばかりになってしまうことが多いといえます。個人芸に依存しないように、長期的な発信に責任を持つ担当者をたてるなどして体制を築きましょう。
2つ目が、ROIを短期で測りすぎるという落とし穴があります。
即時的な効果を期待しすぎて、ROIが悪いという判断をし投資をやめてしまうケースですが、オンライン・プレゼンスを高める施策は数年単位での投資になるので、そういった心構えで取り組むようにしましょう。
<次回に続く>