先日、ワンキャリアでは以下のリリース(執行役員人事)を発表しました。
新経営執行体制に関するお知らせ
四名の経歴についてはこちらとなります。
今回新たに執行役員になった四名の中には、いわゆる「大抜擢」と呼ばれる人物もいます。
まず、四名の内訳は、それぞれ、①エンジニア出身、②人事出身D&I担当、③デザイナー出身、④経営企画・経営管理部門出身となります。それぞれの社歴は1.5年、2年、2.5年、3年となっており、特に、伊藤は新卒三年目での執行役員の就任となります。
……自己紹介が遅くなりました。
私、ワンキャリアで取締役をしております、北野と申します。
(プライベートでは作家をしております!)
人事は、どの企業にとっても悩みの種ですよね。
「人事に関して、一度も悩んだことがない経営者はいない」
とも言えるぐらいだと思います。
そこで、この記事では、CSO兼CHROをやってきた身からして、私たちの人事戦略の背景と、私たちが大切にしている考えについて僭越ながらお話させていただければ、と思っております。
このお話をする目的は何か?
「ナレッジシェア」と「採用」です。
私たちが大切にしている方針についてご共有させていただくことで、今まさに事業成長を目指している経営者・人事・リーダーの方に少しでも参考になれば、と思っております。また、考えに共感するかたにジョインしていただければ、と思っています。
それでは、少しの時間ですが、お付き合いいただければ幸いです。
・論点①:「抜擢」は、必要不可欠な経営人事機能である
2021年10月7日。
弊社は東京証券取引所マザーズに上場しました。
当然、事業成長をここで止めるつもりは全くなく、今も第二・第三の事業を作っている最中です。
その中で、今回の役員人事。抜擢人事とも呼べるものは、必要不可欠なものである、と私たちは感じています。なぜか?
それは
「抜擢のない組織は、組織として老朽化してしまっているから」
です。時代が変わる時、あるいは、非連続的な事業成長を企業が遂げるとき、そこにいるのは常に「ニュースターの登場」です。
漫才であればM-1、音楽であればYou Tubeや紅白。私たちが新しい風を感じ、未来に対してワクワクするとき、必ず必要なのは「新しいスターの登場」です。
私の世代であれば、宇多田ヒカルがセンセーショナルに登場して、J-POPの音楽シーンを一新したのが懐かしいですし
現代なら米津玄師さんの登場でしょうか。
ですが、企業はどうでしょうか?
一般的な企業には普通にいくと「抜擢」を拒むものがあります。
代表例は「年功序列型の人事制度」ではないでしょうか。
年功序列、それは完全に「抜擢人事」とは反対の考え方です。
どれだけ成果を出したか、どれだけ意欲を持っているか、普段から勉強しているか、は関係ない。
在籍年数が長い人が出世する、という世界観です。
しかし、これでは確実に事業成長は止まる、と私は思っています。
なぜか?
それは「変化に対応できないから」です。
正確にいうと「顧客のニーズが、変わり続けていくことに対応できないから」です。
どういう意味か?
そもそも、年次や年齢というのは、サプライヤー(企業)側の理屈です。
ユーザーやクライアントからすると、
「何年勤めたか」など、どうでも良い話です。
ユーザーニーズが変わらない事業ドメインでは別ですが、
IT・テクノロジーを活用した産業では、
「ユーザーニーズは劇的に変わり続けています」
だとしたら、当然、それに迎え撃つ企業人事側も
「いま、市場に最も求められている人材」こそが、組織の最前線に立つべき。
言い換えれば、
「抜擢」は、必要不可欠な経営人事機能である、
と私は考えております。
・論点②:「全部完璧」は求めない。強みのチャレンジ=抜擢である
では、抜擢する際の私たちの、判断基準は何か?
それは「強み」です。
正確にいうと「強みにレバレッジがかかるかどうか?」です。
弊社では、5つのコアバリューを設定していますが、
社員の多くが「このコアバリューが好き!」と語るものがあります。
それが「個の強み」というものです。
個の強みを事業成長につなげる、という根本的な考え方です。
正直な話、私たちは凸凹な人材ばかりが集まっています。
できること、できないことが、明確な人が多いです。
これは「最も優秀な人ではなく、魅力的かどうか、で選ぶ」
とも表現できるでしょう。
平均能力値以上に、その人の魅力(強み)が引き延ばせそうか?でみる
(少なくとも私はそうやって採用を行ってきました)
そして、魅力的な人材、というのは往々にして
「弱み」もあるものです。
強みだけ、
弱みだけ、
ではなく、その両方が明確にある。
全てが強みである人材もたまには存在しますが、
そういう人は、おそらく、超有名企業のエリート街道を進んでいることでしょう。
ですが、私たちはそういう人材だけを追うのではなく
「強み」にフォーカスしたいと思っています。
実際、こうやって偉そうに話している、私自身も
「強みと弱みの差が激しい人間」だと思っています。
(たとえば、弱みとしては、細かいことが大嫌い、面倒臭いことが嫌い、
という致命的な側面があります。)
同様に、今回、抜擢された四名も明確に「弱み」があります。
一方でそれを上回るような「明らかな強み」が存在しています。
少し話がずれますが、私はこれまで6冊の書籍を執筆してきましたが、その研究過程で
「抜擢が失敗する条件」を解き明かしてきました。
結論からいうと、組織が抜擢で失敗する条件=「完璧を求めること」です。
織田信長や、三国志・曹操などがその実例なのですが、
抜擢とはそもそも、「強みにレバレッジを賭けた、事業へのチャレンジ」なのだと思います。
今回の執行役員人事に関しても、同様です。
四名の強みを、最もわかりやすいスキルで語るならば、「エンジニアリング」「D&I・人事企画」「プロダクト企画&デザイン」「経営企画・経営管理」というそれぞれの強みがあります。それぞれの専門領域から事業成長を目指してまいります。
・論点③「経営人事=フォーメーション」である
さて、最後に、特にスタートアップや事業成長を目指す、
経営が行うべき、人事施策についてのお話をさせていただければ、と思います。
「経営人事=フォーメーション」
という話です。
抜擢、とは一言で言っても、とても難しい意思決定です。
なぜなら「抜擢」は、社内外にさまざまな感情を生み出します。
それはポジティブなものもネガティブなものも含めてです。
ドロドロした感情が生まれるものだと思います。
そのため、この抜擢人事を推進できるのは
間違いなく「経営陣・CHROクラス」だと思います。
そもそも、現場人事と、経営人事というのは
役割や求められる機能が違うのではないか?
と私自身は思っています。
現場人事は、やはり、採用や育成、制度、労務などである
ある意味で「計算できるもの」
一方で、経営人事は、計算しづらい「非連続的な成長」をもたらすもの。
たとえば、PMIなどもそうでしょうし、文化形成などもそうでしょう。
そして、もう一つは、
「フォーメーションチェンジ」だということです。
「フォーメーション」=経営人事の重要な施策の1つ、だと思っています。
これは、サッカーなどの集団スポーツでたとえるとわかりやすいでしょう。
弱い敵と戦うのであれば、いつも同じ布陣、いつも同じ戦い方
これで勝てるでしょう。
ただ、敵が強くなれば、一筋縄ではいきません。
心理戦、索敵を踏まえた対策など、その都度都度、フォーメーションを変えていく必要がある。
スタメンメンバーを1日単位で変えていくのも当然重要です。
まさに、経営陣の役割だと思います。
抜擢はあくまで「その瞬間における最適な陣営」であって、未来永劫つづくものとは限らない。
あるいは、役職を外れたからといって
それは降格でもなんでもなく、単純に「今の状況に最適なフォーメーションチェンジを行った」
こう考えています。
実際、今期で執行役員の任務を終え、弊社にとっての第二の柱となりえる、新規事業にフォーカスして活躍してくれているメンバーもいます。彼自身も今回のフォーメーションチェンジを前向きに捉えて早速、成果を出しつつあります。
・終わりに
最後に、私たちは今後も「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに、新卒・中途領域で事業成長を加速させてまいります。
創業事業である・新卒領域では引き続き「情報の透明性がある就職活動と、採用DXの実現」、中途領域では「キャリアの地図を作る」をコンセプトに、長らく変わらないこのマーケットに一石を投じていきたいと思っております。
また、人事戦略の観点からいえば、常にチャレンジの余白をキープしながら、スピード感を持った人事施策を連続的に実現していきます。
ぜひ、新しいチャレンジをしてみたい方々、あるいは、もっと高みを目指たい、そう思っている方とご一緒できることを楽しみにしています。
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