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「辞める時のお願い」に込めた想い

多くの会社にとって、退職は「関係の終わり」を意味するかもしれません。しかし、タニクリでは、退職は「これまでの関係を土台とした、新しい関係の始まり」と捉えています。その考え方は、私たちのユニークな退職プロセスに表れています。私たちは、退職を決意した社員に、一つのお願いをしています。そのお願いは入社する前の面接時にお伝えしています。そのお願いとは、退職を決めたときには「退職の相談を、上司である僕にするのではなく、一番最初に、自分が辞めることで最も影響を受ける現場の仲間にしてください」というものです。そして、どうすれば皆が困らない「きれいな良い辞め方」ができるかを、当事者であるあなた自身が中心...

これから社会に出るあなたへ

ここまで、僕の長くて、少し風変わりな話にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。最後に伝えたいメッセージは、とてもシンプル。『人生は、何が起こるかわからない。だからこそ、面白い』そう思えるようになったことが、今までの不思議な体験から僕自身が掴んだ人生の最重要な幸福哲学です。僕自身、根暗な学生時代を過ごした後で、モテ修行をしたり、俳優を目指したり、父親とナタで殺し合い寸前の喧嘩をしたり・・・でも、それがきっかけで心理学を学び、こんな会社の社長をつとめることになるとか、夢にも思っていませんでした。人生は計画通りに進まないこと、思い通りにいかないことだらけ。でも、振り返ってみれば、そ...

会社のめざすもの

会社には、その存在理由を示す「理念」があります。(表現している、していないの違いはありますが)理念は、会社が進むべき道を示す北極星のようなものであり、日々の業務と社会への貢献を結びつける、大切なストーリーの核となります。タニカワクリーニングの経営理念は、「服をキレイに、福をつなぐ」です。そして、私たちのビジョンは、「社会に幸せを生むつながりを創り出す」ことです。私たちのお仕事は、クリーニングという事業を通して、お客様の衣類をキレイにすることです。しかし、私たちの目的はそれだけではありません。キレイになった服に袖を通した時のお客様の晴れやかな気持ち、大切にしていた服が蘇った時の喜び、そうい...

採用面接で聞きたいこと・伝えたいこと

タニクリの採用面接は、少し変わっているかもしれません。私たちは、候補者の能力やスキルを一方的に「評価」する場ではなく、お互いの価値観や考え方を深く「理解」しあうための、対話の場だと考えています。そのため、私たちの面接は、1回につき最低でも2時間、それを2回以上行います。短い時間では、その人の本質や、私たちが大切にしている考え方や哲学を十分に伝え、理解し合うことはできないからです。面接では、スキルや経験について詳しく聞くよりも、あなたの過去の体験についてじっくりとお話を伺います。学生時代の部活動、アルバイトでの経験、前の職場での出来事…その中で、あなたが何を喜び、何に悩み、何を大切にしてき...

働く会社を選ぶ「基準」って??

結論から言いましょう。会社は「好きか嫌いか」で選んだほうがいいと思います。キャリアの選択において、私たちはつい論理的な損得勘定で物事を判断しがちです。「給料が高いか」「安定しているか」「スキルが身につくか」もちろん、それらも重要な要素です。しかし、最後の最後で頼りになるのは、もっとシンプルで、直感的な感情かもしれません。それは、その会社が、その場所が、その仕事が、その仲間が、「好きか、嫌いか」という感情です。仕事は、私たちの人生の多くの時間を占めることになります。これから先、楽しいことだけでなく、たくさんの困難や壁にもぶつかるでしょう。・・・いや、必ず壁にぶつかります。なぜなら、仕事では...

「どんな会社に入るか」より「自分にとっての良い会社」をどうやって作るか

就職活動をしていると、私たちはつい「どこかに存在するはずの、完璧な“いい会社”」を探してしまいます。しかし、それは幻想かもしれません。本当に大切なのは、「探す」という受け身の姿勢から、「自ら作る」という能動的な姿勢へと転換することです。断言しますが、誰にとっても完璧な「いい会社」など、この世のどこにも存在しません。どんなに評判の良い会社でも、必ず何かしらの問題や、自分とは合わない部分があるものです。だからこそ、視点を変える必要があります。「どこに入るか」よりも、「入った場所を、どうやって自分にとってのいい会社にしていくか」を考えるのです。働きやすい環境は、会社が一方的に与えてくれるもので...

自分の選択に責任を持つこと

◯ 人生の舵取りを他人に任せない。自分の選択に責任を持つということ人生がうまくいかないとき、私たちはつい「誰かのせい」「環境のせい」にしてしまいがちです。他人のせいにするのは、心理的にとても楽だからです。人間にはもともと自分の心や身体を防衛する機能が備わっており、これは無意識のレベルで働いてしまいます。しかし、その「楽さ」の代償として、私たちは人生の最も大切なものを手放してしまいます。それは、自分の人生の舵取りをする権利、つまり「主体性」です。かつての僕は、俳優の夢を諦めて家業を継いだことについて、「父親に無理やり連れ戻されたせいで、俺の人生はめちゃくちゃだ」と、父のせいにしていました。...

あなたは「問題のない人生」を生きたいですか??

「問題のない、平穏な人生を送りたい」。多くの人がそう願うかもしれません。しかし、もし本当にそんな人生があったとしたら、それはおそらく、この上なく退屈な人生ではないでしょうか。考えてみてください。「問題や失敗を避けるための、最も確実な方法」は何だと思いますか?それは、「何もしないこと」です。行動・挑戦しなければ、失敗することはありません。誰とも関わらなければ、人間関係で悩むこともありません。でも、そんな人生に喜びや感動はあるでしょうか。人気漫画『ワンピース』を思い浮かべてみてください。もし主人公のルフィが「海賊王になるのは大変そうだから、村で静かに暮らそう」と決めたら、物語は1ページで終わ...

大人になってからの成長とは?

◯大人の「成長」とは価値観の変化〜考え方・ものの見方・捉え方が変わること「成長」と聞くと、私たちは何を思い浮かべるでしょうか。子供の頃は、身長が伸びたり、できなかったことができるようになったりと、成長は目に見えて明らかでした。しかし、大人になってからの「成長」とは、一体何を指すのでしょうか。子供の成長が主に身体的な変化や知識・スキルの獲得であるのに対し、大人の成長の本質は、もっと内面的なところにあります。それは、「物事の見方・捉え方・感じ方が変わること」、つまり「価値観が変化すること」です。かつての僕は、自分の不幸をすべて親のせいにしていましたが、それは「自分自身の問題だ」と捉え方が変わ...

幸せな人間関係のつくり方②

◯あなたはどのタイプ?〜4つの人生スタンス「I'm OK, You're OK」を目指そう私たちは皆、自分自身と他人に対して、無意識のうちに基本的な「対人スタンス(立ち位置)」を持っています。この根底にあるスタンスが、私たちの思考や感情、そして人間関係のパターンを決定づけていると、TAでは考えます。TAの「OK図表」は、自分と他人に対する肯定感(OK)と否定感(not OK)の組み合わせで、4つの基本的な人生のスタンスを示します。1. 「私もあなたもOK」(I'm OK, You're OK)    ◦ 自分も他人も信頼し、価値ある存在だと認めている、最も健全で自律的なスタンス。協調的で...

タニクリの考える「仕事の哲学」②

◯「やりがい」は自分では作れない。「ありがとう」と一緒に人からもらうギフトです「やりがいのある仕事がしたい」多くの人がそう願いますが、「やりがい」とは一体何なのでしょうか私たちは、やりがいとは主観的な感情だと考えがちです。しかし、実はその感情は、他者との関係性の中でしか生まれない、という逆説的な真実があります。ちょっと考えてみてください。あなたが「やりがい」を感じるのは、どんな瞬間でしょうか?それはおそらく、「自分の仕事が人の役に立った」「お客様に喜んでもらえた」「〇〇さんにお願いしたい、と選んでもらえた」「あなたと一緒に働けて嬉しい、と好意を伝えられた」といった瞬間ではないでしょうか。...

タニクリの考える「仕事の哲学」①

タニクリの考える「仕事の哲学」「働くこと」の本当の意味とは何でしょうか。このシリーズでは、お金、やりがい、そしてチームワークについて、タニクリ独自の視点から深く掘り下げていきます。◯ 仕事の本質は「自分以外の人を喜ばせること」「仕事とは何か?」この根源的な問いに対して、あなたならどう答えるでしょうか。お金を稼ぐこと、自己実現のため、社会貢献のため…様々な答えがあるでしょう。タニクリでは、仕事の本質を非常にシンプルに、しかし力強く定義しています。私たちの会社では、「お客様」という言葉を少し広く捉えています。それは、商品やサービスに対してお金を払ってくださる方だけを指すのではありません。タニ...

幸せな人間関係のつくり方①

幸せな人間関係のつくり方ここでは、心理学の一分野であるTA(交流分析)の知見をベースに、誰もが実践できる人間関係構築の技術と心構えを、僕自身の体験を交えながら分かりやすく解説します。◯たった3日で父との関係を変えた「本当の挨拶」とは?「挨拶なんて、ただの形式でしょ?」そう思っている方もいるかもしれません。しかし、日常のありふれた「挨拶」という行為には、こじれてしまった人間関係を劇的に改善するほどの、驚くべき力が秘められています。伝説の「ナタ事件」の後、僕と父の関係は完全に冷え切っていました。この状況を何とかしたいと心理学の先生に相談した僕が受けたアドバイスは、あまりにシンプルなものでした...

「いい会社」って、なんだろう?②

◯「飲み会」より「困った時に助け合える」関係 〜信頼と信用の違い〜「信頼」と「信用」。私たちは日常的にこれらの言葉を使いますが、両者の違いを明確に意識している人は少ないかもしれません。しかし、この二つの概念の違いを理解することは、質の高い人間関係を築く上で非常に重要です。まず、「信用(Credit)」とは、過去の実績やデータ、記録などに基づいた、条件付きの評価です。例えば、クレジットカードの審査は、過去の返済履歴という「信用情報」に基づいて行われます。つまり、信用は「過去」を向いており、条件を満たさなくなれば失われる可能性があります。一方、「信頼(Trust)」とは、その人の未来の行動や...

「いい会社」って、なんだろう?①

「いい会社」って、なんだろう?多くの人が当たり前だと思っている就職の価値観。でも、それって本当?このシリーズでは、タニクリが考える「働く幸せ」の定義を、皆さんに問いかけてみたいと思います。◯ 就職は結婚と似ている。給料や休みだけで選んでいませんか?職業選択は、人生における最も重要な決断の一つです。しかし、多くの人がその選択を、まるでスーパーで買い物でもするかのように、「条件」だけで決めてしまっているのではないでしょうか。少し想像してみてください。「イケメンで金持ちと結婚したら、絶対に幸せになれますか?」。ほとんどの人が「No」と答えるはずです。なぜなら、幸せな結婚生活に必要なのは、外見や...