◯ 人生の舵取りを他人に任せない。自分の選択に責任を持つということ
人生がうまくいかないとき、私たちはつい「誰かのせい」「環境のせい」にしてしまいがちです。
他人のせいにするのは、心理的にとても楽だからです。
人間にはもともと自分の心や身体を防衛する機能が備わっており、これは無意識のレベルで働いてしまいます。
しかし、その「楽さ」の代償として、私たちは人生の最も大切なものを手放してしまいます。
それは、自分の人生の舵取りをする権利、つまり「主体性」です。
かつての僕は、俳優の夢を諦めて家業を継いだことについて、「父親に無理やり連れ戻されたせいで、俺の人生はめちゃくちゃだ」と、父のせいにしていました。
悲劇のヒーローを気取っていたのです。
しかしある時、妻にこう言われました。
「無理やりって言うけど、あなたはどうやって東京から帰ってきたの?」
「高速バスの切符を、自分で買って、自分でバスに乗って帰ってきたんじゃないの?」
そう言われてハッとしました。
確かに、最終的に地元に帰ることを「選択」したのは、他の誰でもない僕自身だったのです。
人のせいにしている限り、そこに学びも成長もありません。
なぜなら、問題の原因は自分以外のどこかにあると考えているため、自分を変える必要性を感じないからです。
しかし、すべての出来事を「自分の選択の結果」「自分と関係ある事象」として引き受けたとき、初めて私たちは「では、どうしたらいいだろう?」と未来に向かって主体的に考えることができるようになります。
「主体性を持つ」
これこそが、幸せな人生を生きるために一番大切なことだと思います。