◯大人の「成長」とは価値観の変化〜考え方・ものの見方・捉え方が変わること
「成長」と聞くと、私たちは何を思い浮かべるでしょうか。子供の頃は、身長が伸びたり、できなかったことができるようになったりと、成長は目に見えて明らかでした。
しかし、大人になってからの「成長」とは、一体何を指すのでしょうか。
子供の成長が主に身体的な変化や知識・スキルの獲得であるのに対し、大人の成長の本質は、もっと内面的なところにあります。
それは、「物事の見方・捉え方・感じ方が変わること」、つまり「価値観が変化すること」です。
かつての僕は、自分の不幸をすべて親のせいにしていましたが、それは「自分自身の問題だ」と捉え方が変わった時、僕は大人として一歩成長することができました。
ナタ事件の後、僕のやり方が周りを傷つけていたと気づいた時も、僕の価値観は大きく変化しました。
大人の成長とは、新しいスキルを身につけることだけではありません。
様々な経験を通して、自分の世界の見方そのものを、より広く、深く、豊かにアップデートしていくプロセスだと思います。
経営学者のクリス・アージリスは、人間が「未成熟」な状態から「成熟」した状態へと成長していくプロセスを示しました。例えば、それは「自己中心的」な視点から、他者との関わりの中で生きていることを理解する「相互依存的」な視点へと変わっていくことです。
簡単に言えば、「自分ごとの範囲」が変わっていくこと。
自分のことしか考えられなかった子供が、大人へと成長していくにつれて、家族や友達のこと、職場の仲間やお客様のことまで自分の問題のように考えられるよう、変化していくことです。
より沢山の人ことを「自分の問題として捉えられるようになる」ことが成長と言えるのです。