「いい会社」って、なんだろう?
多くの人が当たり前だと思っている就職の価値観。でも、それって本当?このシリーズでは、タニクリが考える「働く幸せ」の定義を、皆さんに問いかけてみたいと思います。
◯ 就職は結婚と似ている。給料や休みだけで選んでいませんか?
職業選択は、人生における最も重要な決断の一つです。しかし、多くの人がその選択を、まるでスーパーで買い物でもするかのように、「条件」だけで決めてしまっているのではないでしょうか。
少し想像してみてください。「イケメンで金持ちと結婚したら、絶対に幸せになれますか?」。ほとんどの人が「No」と答えるはずです。なぜなら、幸せな結婚生活に必要なのは、外見や年収といった「条件」以上に、「価値観や考え方が合うかどうか」が大切だと、誰もが知っているからです。
では、就職活動はどうでしょう。多くの学生や求職者が、給与、休日、勤務地といった「条件」を比較検討することに多くの時間を費やしています。それはまるで、写真と年収だけで結婚相手を選ぶようなもの。それでは後から「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが起こりやすくなるのは当然です。
結婚がゴールではなく、そこから幸せな関係を築いていく「スタート」であるように、就職も入社がゴールではありません。自分にとって「いい会社」になるかどうかは、入社してから、その会社の人々とどのような関係性を築いていけるかに大きく左右されます。
だからこそ、タニクリはこう考えます。会社選びで最も大切なのは、その会社の理念や考え方といった「価値観」に、心から共感できるかどうかだと。経済的な合理性も大切ですが、長期的な幸福を考えた時、価値観の一致こそが最も重要な土台となるのです。そして、価値観のズレがもたらす最大の問題こそ、多くの人が会社を辞める本当の理由へと繋がっていきます。
◯退職理由No.1はいつも「人間関係」。では「良い人間関係」とは?
「なぜ、人は会社を辞めるのか?」この問いに対する答えは、いつの時代も驚くほど一貫しています。それは、職場における「人間関係」の問題です。では、私たちが目指すべき「良い人間関係」とは、一体どのような状態を指すのでしょうか。
様々な調査機関が発表する退職理由ランキングを見ると、常に上位を占めるのは「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」といった、人間関係に起因する項目です。給与や労働時間以上に、人との関わりが私たちの満足度を大きく左右していることは明らかです。
しかし、「人間関係が良好な職場」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?いじめやハラスメントがないこと?揉め事がないこと?もちろん、それらは最低限の条件です。しかし、マイナスがない「ゼロ」の状態が、必ずしもプラスであるとは限りません。
タニクリが考える「本当に良い関係」は、もっと深く、力強いものです。それは、日常的に世間話をする仲の良さや、飲み会で盛り上がる楽しさとは少し違います。私たちが定義する「良い関係」とは、
「本当に困った時に、心から助け合える関係」
のことです。互いに信頼し、いざという時には自分のことのように協力し合える。他者に注意でき、他者からの忠告を素直に聞き入れることができる。そんなオープンで親密な関係こそが、私たちが働く上での『真の安心や安全』に繋がると信じています。だからこそ「いい会社」とは、制度が整っている会社ではなく、この「助け合える関係」に満ちた会社のことだと私は考えています。