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成長機会を求めて独立したデザイナーが、フリーランスとして事業の一翼を担うまで。

働き方の多様化にあわせ、プロジェクトの遂行を担う「チーム」もまた正社員だけで構成されるものではなくなりつつあります。実際に私たちウォンテッドリーでも雇用形態を問わず様々なメンバーが活躍中ですが、 その中でもデザインチームは積極的にフリーランス/業務委託を受け入れることで、アウトプットの質・量双方での底上げを図っています。

今回のWantedly Blogに登場する竹村さんは、2020年に業務委託としてデザインチームに加わってからわずか3ヶ月にも関わらず「Pulse」α版リリースの際にはプロダクトデザインにおいて中心的役割を果たすなど、早速メンバーからの厚い信頼を集めている人物。

デザイン経験の豊富な竹村さんがプロダクトカンパニーに求める挑戦機会について、また、フリーランスの立場から見たウォンテッドリーのものづくり文化についてインタビューしました。

出世よりもデザイナーとしての成長を選びたい

ーーまず、デザイナーになるきっかけから竹村さんのキャリアをお伺いしたいと思います。

竹村:僕の大学生時代はちょうどコミュニケーションの中心地がSNSに移り変わった頃で、「このデザインかっこいい」「このプロダクトがいけてる」といった話題がソーシャルで次々に広まるようになったタイミングでした。

僕自身は経済学部生でしたが、「目に見える成果物に対して世界中からフィードバックが集まる仕事」への憧れからデザイナーになりたいと考えはじめて、スクールにも通うようになりました。

新卒で入社したのは、アウトソーシングをメインにする2,000名弱規模のIT企業です。デザイン未経験者でしたが、研修後すぐに大規模なサイトリニューアルやアプリの開発等のプロジェクトに常駐する形で携わりました。プロジェクトの規模は1-2週間のものもあれば、足掛け2年にわたるものもあり、様々でしたね。

ーー2年にもわたるプロジェクトとなると、常駐先の社員という感覚でしたか。

竹村:そうですね、とても仲良くさせてもらいました。とはいえデザイナーとしての裁量でいうと、常駐先からの期待値としても、自分自身の認識としても「ディレクターの定めた要件を絵に起こす人」としての役割範囲からはみ出すことはありませんでした。当時はまだ経験年数が浅く自信も足りなかったこともあり、受け身になっていた部分があったのだと思います。

その後、受託制作事業のディレクターとして本社に呼び戻されました。本社勤務は昇進コースでしたし、顧客折衝からチームマネジメントまで担当させてもらえるようになったのですが、会社で出世すること自体にはあまり興味を持てず転職を意識するようになりました。

ーー2,000名規模の会社での昇進に興味が持てなかった理由は?

竹村:やはり、デザイナーとしてキャリアを作りたいという気持ちが大きかったからですね。プロダクトデザインにより深く関与したいと思って転職した2社目でもデザインリードを務めさせてもらいましたが、短納期のクライアントワークを繰り返すなかで「まだまだデザイナーとしてやれることがあるのでは?」という思いが大きくなってしまって。

ちょうどこのタイミングで大きな手術をするという転機があり、それがキャリアを見つめ直す上での決定打になりました。「自分はユーザーにとって本当にいいものを作っているのか?」「このまま納品をゴールに仕事をしていたらデザイン面での妥協が増えてしまうのではないか?」という危機感が強まったんです。

そこでまずはユーザーファーストの観点からUI/UXを深堀りして考える癖をつけようと、社内を巻き込んでプロダクトデザインの特訓を始めました。毎日1つのUIデザインを考えるというプロジェクトだったのですが継続できるメンバーが少なく、自分一人の熱量が空回りしているようなもどかしさがありました。

プロダクトデザインの引き出しを増やすために取りくんだDaily UIチャレンジ

自分のデザインはどれだけ事業を背負えるだろうか

ーーフリーランスとして独立したのも、「いいものを作りたい」という思いがあってのことでしたか。

竹村:そうですね。ただ、当初は独立すること自体が目的ではなく、会社のミッションやものづくりのカルチャーに共感できる会社があればジョインすることも視野に色んな会社に話を聞きに行っていました。

ただ、プロダクトカンパニーは会社によってデザイン領域の定義が様々で、IA(情報アーキテクチャ)に深く関わった経験が必要だったり、マークアップからフロントエンドまでの経験が求められたりと、受託の現場で培ったデザインスキルだけでは要件が合わないこともありました。

そこで僕にできることを考えた結果、まずは業務委託としてプロダクト作りに携わることから始めようと。なので、転職という選択肢を残しながらの独立でしたね。

ーー「デザインが好きだからデザインファームにいたい」ではなく、プロダクトカンパニーで働きたいと考えるに至ったのはなぜでしたか。

竹村:自分の培ったスキルをどれだけプロダクトに還元することができるか、自分のデザインはどれだけ事業を背負えるのかを知りたくなったというのが一番の理由ですね。より抽象度の高いレイヤーでデザインスキルを活かしてみたいと考えているデザインファーム出身者は、僕以外にもたくさんいると思います。

あと、僕のようにある程度の経験年数を踏んでいるデザイナーだと、デザインファームではすぐに教える側にまわってしまう。なので、自分と同じような経験量をもったデザイナーと同じ現場で切磋琢磨したいという思いもありました。

ーーその思いにフィットした現場がウォンテッドリーのデザインチームだったということですね。では実際、委託としてジョインする前にはウォンテッドリーにどんな印象をお持ちでしたか?

竹村:元々Wantedly Visitのユーザーでしたし、「すごく使いやすいよね」と前職の仲間と話していたくらいプロダクトの洗練されたUI/UXに強い興味を持っていました。きっとデザイナーの持つ裁量が大きい会社なのだろうと思っていましたが、実際にプロジェクトに加わってからも「ここまでできるんだ」と驚くことばかりです。

「デザイナーを尊重する会社」で味わう、新鮮な驚き

ーー3月に業務委託としてのコミットを開始してからの立ち上がりはどうでしたか?

竹村:委託とはいえ経験者採用なので、即戦力として求められているのだろうなという覚悟のもと現場入りしました。ただ、同じチームの上野さん(@uepon_design)が「竹村さんがバリューを発揮できるように、まずは小さな成功体験から積み重ねていきましょう」という方針を伝えてくれて。そこでまずは既存プロジェクトのサポートで入り、小さなデザインタスクを任せてもらいました。

ーー全社がリモート勤務に突入した4月には、Pulseのα版リリースに向けてゼロイチでのデザインタスクが始まります。スモールスタート期間を経たとはいえ、いきなり新規事業のプロダクトデザインにアサインされて戸惑いませんでしたか?

竹村:新規プロダクトのデザイン開発についてはこれまでも経験を積んできた部分なので、自分の得意分野でもありました。僕がメインで担当したのは管理画面のデザインでしたが、これまでにもダッシュボード系の機能はUIに起こしたことがあったので、スピード感をもってアウトプットすることができたと思います。

とはいえ、Wantedlyの管理画面は歴史の古いUIなので、すでに表示されているオブジェクトとの関係のなかでどう情報を整理するかという難しいチャレンジでもありました。「UIで大切なのは新たに作り出すことよりも、既存の体験をより良くしていくことだ」という過去の学びが活きたプロジェクトでしたね。

竹村さんがUIを担当したPulseのダッシュボード画面。チームの鼓動を表す「重なりあう円」のイメージは、プロダクト・アイデンティティの役割も担っている。

ーーウォンテッドリーのデザインチームに加わって、常駐の現場との違いは感じましたか?

竹村:何から何まで違うことだらけですが、なによりもフリーランスとしての関与でも裁量をもって働けるのが決定的に違うポイントです。常駐時代はどこまで意思決定に介入していいのか悩むこともありましたが、ウォンテッドリーではデザイナーだけでなくエンジニアやCSとも緊密に議論しながらデザインを洗練させていくことができるので、ものづくりにおける様々な過程を楽しむことができています。

他にも、リモート環境下でもプロダクトデザインチームで毎日Sync Upする機会があり、Pulse以外でどんなプロジェクトが進んでいるのか、チームメンバーがどんなデザイン課題と向き合っているのかを知れて新鮮でした。デザインファームにいた頃だと、別チームのデザイン上の挑戦やアウトプットについて知れる機会が少なかったですから。

ーープロダクトデザインチームのリーダーである上野さんは、竹村さんの目からみてどんな人ですか?

竹村:他のメンバーの仕事をつねに理解しようとしてくれる人ですね。なぜそのアウトプットになったのか、メンバーのデザイン意図をWHYまで立ち返って聞き出してくれて、必ず肯定してくれる。そのうえで、他にどういうアプローチがあるのか一緒に考えて横に広げてくれるんです。

個々のメンバーのデザイン意図がここまで尊重されるのは、この会社のデザイン文化を作ってきたCDOの青山さんの貢献が大きいと思います。おかげでフリーランスとしてチームに加わった僕も、安心してデザイナーとしての挑戦に集中することができる。これからも、どのように自分の経験をプロダクトに落とし込んでいけるかを日々考えながら、このチームでデザインに向き合っていきたいです。

プロダクトデザインチームのDaily Sync Upの様子

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取材・撮影・執筆:加勢 犬(@Dr_KenDog
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