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「自分の価値観で選択をすることが、もっと当たり前になればいい」
Wantedlyで働く人を紹介する「Wantedlyの中の人」。
今回紹介するのは、日本が誇る2大キャラクター、”ピカチュウ”と”ジバニャン”と共に働いてきた、アライアンス担当の後藤さんです。
個人でもブログを通し「働き方」や「生き方」について発信し、サラリーマンのモヤモヤをワクワクに変える活動をしている後藤さんに、エンタメ業界から一転してWantedlyで働こうと思った理由を伺いました。
午前2時、ポケモンとの遭遇
ポケモンに入社した理由は、いくつかの偶然が重なりあった結果でした。
新卒では東京海上日動火災保険に入社しましたが、全く仕事に身が入りませんでした。というのも、いろいろ内定をもらった中で、最終的に会社の持つブランド力で1社目を選んでしまったからなんですね。大学に早稲田を選んだのも、「東京に出たかったから」と「モテたかったから」という超ミーハーな理由。大学選びまではそれで良かったかもしれませんが、会社選びも同じようにやってしまったので、働いていることに意義を感じられなかったんです。
保険は事故とか火災とか人のネガティブな体験のときに役立つもの。でも自分は、人のポジティブな体験につながるほうがやりがいを感じられるタイプ。仕事に身が入らないのも当然なわけです。人を楽しませるとか、自分のアイデアを形にするとか、そういう仕事がしたいと思って、社会人1年目からコピーライター養成講座や編集会議に行ってみたりしていました。一方で周りの同期がゴルフに行っている間は、一人自室にこもり自己啓発本とか呼んでました(笑)
そんな風に働いていた1年目の2月ごろ、いよいよ「丸1年で辞めよう。フリーターでもなんでもやってやる!」と腹をくくりました。大企業を辞めることは怖かったけど、あまのじゃくな性格が背中を押したのかなと思っています。
ただ腹を括ったはいいものの、今に比べると丸1年で辞めて転職する人なんてほとんど居ないので、求人の数がそもそも少ないんですね。当時は薬局の店長くらいしか自分の経歴にマッチする求人が出てこなくて。「これはやばいかも」と思い始めた矢先、夜中の2時位に、何気なく求人を見ていたらたまたまポケモンの求人を見つけたんです。
「場所が六本木ヒルズ? いいじゃん。え、あの本当にポケモン?」みたいな(笑)
ただ掲載期限がその日の朝までだったんです。「これはなにかの運命だ!」と思って、急いで職務経歴書を書きました。褒められた話じゃないですが、1年目なんて大した仕事してないので、必死に4年目の先輩がやっていたことを思い出して職務経歴書を埋めました(笑) 実際の面接ではあまり何を書いたのか気にしてなかったみたいですが。
当時のポケモンはまだ社員が100人程度で、いわゆるベンチャー企業。面接のときも「早稲田出て、マリン(東京海上日動火災保険の通称)なのに、馬鹿だね〜」なんて言われて。でも、人柄を気に入ってもらえたのか、内定をいただくことができました。
辞めると腹を括った瞬間から、トントン拍子で次に向かう先が決まっていったので、人生「決め」が大事だなと思った瞬間でもありました。
ポケモンで変わったサラリーマン観
たまたまポケモンが新卒採用をし始めた年だったため、自分も新卒枠として採用されました。同時に入ったメンバーは全員違う部署で、自分の配属は営業企画。自分が子供の時に流行ったもの、信じているものを、今の子供たちに営業や販促で広める仕事です。営業企画に配属された新卒は自分だけで、同期の中でも「自分にしかできない仕事だ」という強い使命感がありました。また、「もし、今の子供達にもポケモンを広げることができたら、2世代に渡ってポケモンが広がったことになる。それはただの流行ではなく、文化を創ることになるよ」と言われたことも自分のモチベーションにつながりました。
ポケモンには6年間いました。自分のアイディアや企画が全国で展開されて、世の中にインパクトを与えている実感もあったし商品も売れるから、定性的にも定量的にも仕事としての満足度が高かったです。子どもたちが自分の企画した商品を手にして喜んでいるのを見たとき、本当に嬉しかったんですよね。「ポケモンでなんか楽しいことできたらいいな」くらいに思ってたんですけど、色んな人達の力を借りて、人が喜んでくれることをプロデュースすることは想像以上に楽しかったです。
ポケモンで特に思い出に残ってるのが、セブンイレブンを巻き込んだ全国展開の企画です。
セブンイレブンの仕事は自分が25歳のときに携わったもので、全国1万5千店舗のセブンと提携した商品販促の企画でした。流通本部、ベンダー、メーカー、広告代理店などと手を組んで企画の立案、提案、実行まで総合的にディレクションさせていただいた案件で、カードゲームの商品企画や500円くじの企画、タイアップキャンペーンなどのプロモーション企画などトータルプロデュースをしました。
炎天下のイベントでピカチュウのサンバイザーをひたすら配ったり、流通の店頭に立って販売を手伝ったり、結構泥臭くて、大変なことも沢山ありましたが(笑)
僕は何かを生み出すクリエイターではないけれど、ディレクションをして創られたものを多くの人に届けてインパクトを与えることはできる。社会を巻き込んだ大きいことをできるのってディレクションができるサラリーマンならではのやりがいだなと感じました。
(ピカチュウと出演したイベントの控室。僕はポケモンマスターです)
ポケモンに入って一番痛感したのは、今まで自分は他者の価値観で生きてきたということ。こういう会社に行ったら周りから「すごい」って言われるとか。何にそのお金を使うかわかっていないくせにとりあえず給料は欲しいなとか。有名な会社に行けば親も喜ぶかなとか。
ポケモンに行ったときは周りから「大企業を辞めてもったいない」「なんでポケモンなの?」って言われました。営業部もできたばっかりで、今ほどベンチャーに行くことが当たり前でも無かったので。自分自身もゲームやおもちゃを作っている会社に行くなんて思ってませんでした。ゲームなんて小さい頃しかやってなかったし、ポケモンのマニアでも無かった。ただ、「人を楽しませる仕事がしたい」という目的を持っていたから、ポケモンに入ることができて、「人を楽しませる仕事」がずっと実現できていたからポケモンでの仕事は楽しかったんだと思っています。
ただ、残念なことというか、ありがたいことというか、6年もいるとある程度職位も上がっていって、会社の中で偉くなることが次第に目的になってきてしまったんです。ふと冷静に振り返った時、「あれ? これで良いんだっけ」と思いました。もともとはポケモンを使って世の中を巻き込んで人のポジティブな体験を増やしたいという動機で入ったのに、ずれてきているなと。
最後の部署が宣伝部だったこともあり、今度は代理店側で何か面白いことを仕掛けられたらという理由で電通に転職しました。ところが、やっぱり大企業は自分に合わなくて、結局1年も経たずに辞めてしまいました。
自分にしかできないシゴトはなんだ?
改めてもう一度子供向けのキャラクタービジネスをやりたいなと思い、今度は妖怪ウォッチが有名なレベルファイブに転職しました。最初の1年はかなり自由に働いていて、特に思い出に残ってるのが、当時流行っていた速水もこみちさんの「MOCO'Sキッチン」をパロディした「GOTO'Sキッチン」です。
レベルファイブでは自社配信の番組をやっていて、それが2時間くらいの長丁場の番組だったんですね。そこで「箸休め的にミニコーナーが欲しいから後藤なんかやっていいよ」って社長に言われたんです。当時「妖怪ウォッチカフェ」というカフェを自分でプロデュースして作っていたので、「カフェの紹介をMOCO'Sキッチンみたいにやったらどうですかね」と冗談で言ってたら、実現することになってしまい。。。
自分が出演することが、社長からのこの企画の唯一の条件で、「あとは後藤の自由にやっていいよ」と。企画、脚本、演出、出演ぜんぶ自分でやっていたので、まるでYoutuberみたいでした。結局自分が辞めるまで4回続いて、名称は”ゴトミチ”でした(笑)
初回は「ゴトミチって誰だよ!」ってネットで叩かれてたりしたんですけど、自分がいなくなったあと「ゴトミチどこいった!?」となくてはならない存在(?)になっていて、なんだかんだ嬉しかったです。
(twitterに当時あげられていた画像)
でも、1年くらいしたらいきなり部長に昇格してしまい、ポケモンに居た時と同じ悩みのループにハマっていきました。加えて、ゲーム業界の人たちって相当なレベルでゲームやアニメが好きで、自分はそこまででは無かったんですね。だったら、自分じゃなくてもっとエンタメが好きな人にこの席を譲りたいなと思ったんです。
そして、自分は自分にしかできないことをしようと。
一体それはなんだろうと思った時、ふと浮かんだのは10年前の自分の姿でした。
エンタメではシゴトの悩みは救えない
僕はこれまでずっとエンタメの領域で人を楽しませることに力を入れてきました。それは間違いなくやりがいのある仕事でした。僕はゲームやアニメなどが人を救うことはあると思っています。それくらいエンタメの力は強いと信じています。
でも、10年前の自分は社会的な価値やブランドばかりを気にして、自分が信じてる意思決定が出来なかった。それがあったからこそ今があると思っていますが、同じ様に1年も悩んでしまう人を助けたいと思った。シゴトで悩む人の苦しみは、エンタメでは解決できません。その人にとってのシゴトを充実させるしかない。
自分にも4歳になる息子が居て、その子が大学を卒業するときくらいには、自分の価値観で選択をすることが、もっと当たり前になればいいと思ったんです。
そんなことが実現できる仕事はないかなぁと思っていたとき、たまたまFBでWantedlyを見つました。エージェント経由で紹介してもらう仕事は前職の経験を活かせるものが多く、Wantedlyでならもっと別の軸で企業と出会えそうだと思って登録した矢先に、CFOの吉田さんからスカウトの連絡が来たんです。登録して3,4時間後くらいのことで、まさに寝耳に水でした。
吉田さんの経歴を見て思った最初の感想が「いかつい」でした。京大出身、アメフト部でモルガン・スタンレーが1社目。早稲田出身の自分的には絶対に友達になれなそうなタイプだと思いました(笑)。自分はプログラミングも英語も出来ないし、最初に話を聞いているときは、本当に俺で良いのかって思いました。自分は泥臭くシゴトを進めてきたタイプだったので、Wantedlyのスマートなイメージとは対局にあるかなぁと。でも、吉田さんから「うちも結構泥臭くやってますよ」と聞いたりして、徐々に親近感が湧くようになっていきました。
それでも、エンジニア中心=ドライな組織という偏見が少しありました。ところが、中に入ってみると、ビジョンに共感している熱い想いがにじみ出ている人の多い組織で、いい意味でギャップを感じました。
Wantedlyでは唯一のアライアンス担当として働いています。アライアンスもポケモンや妖怪ウォッチのようなキャラクタービジネスと本質は変わりません。掛け算でWantedlyの価値を高めていくのが目的です。まずは大きい会社と組んでWantedlyの認知度を高めるところから取り組んでいます。例えば、最近だと京都銀行や電通とアライアンスを締結しました。
また、2020年を見据えて、短期的なユーザーを増やすのではなく、長期的に教育や就活のあり方を変えていくことも自分の仕事だと思っています。
例えば、大学と一緒にやっているキャリア教育もその1つです。学生のうちから「シゴト」とは何かについて考える機会を増やして、長期インターンをすることが当たり前の文化を作る。そうすると、いまの採用媒体をもう学生は使わなくなり、結果的にWantedlyのポジションがあがっていく。そんな、未来への布石を打っていくようなことをしています。
10年前の自分に伝えたいこと
自分自身、社会に出てからずっとインターンをやってるみたいなもので(笑) 経験しないと自分が合ってる職業かどうかわかんないんですよね。Wantedlyだって本当にたまたまの出会いだし。学生のうちはいくら失敗しても履歴書に傷が付くわけでもないから、安心してインターンやら起業やらすればいいと思っています。
10年前の自分に就活のアドバイスをするなら「真面目になりすぎるな」って伝えたいです。学生からすると働くって何か得体の知れないもののようなイメージがあって、なんとなく辛そうで嫌なものじゃないですか。実際働くとそうでもないのに。でも、変な先入観があるから仕事も辛いものになっていくと思うんです。日本は学生と社会人の溝が深すぎる問題があると思っていて、そこを埋めていきたい。
また、サラリーマンであることも悪くないと伝えたいです。ポケモンで働いているときに実感したことですが、サラリーマンでいると自分一人では出来ないことが圧倒的スピードで成し遂げられるんです。Wanteldyでも「最大社会的インパクト」という言葉を掲げていますが、会社にいると個人では使えないいろんなリソースを使えます。会社同士の掛け算でなんでもできる。起業家や独立したクリエイターの方は本気で尊敬しますが、気の持ちようで僕らも彼らみたいに働けるんだと教えてあげたいです。
そして、将来的には、自分の子供の世代がなにか選択を迫られたときに、選択することに対してより自由な世界を創ることができればと思っています。理不尽な抑圧がない世界です。
Wantedlyならそれを変えられると本気で思っています。
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