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【後編】「テクノロジーで世界をもっと良くする」ためにノバセルCTOが目指す組織づくり

<プロフィール>

ノバセル 取締役CTO 戸辺 淳一郎

サッカープレイヤーを増やすことをミッションに掲げた会社の創業・経営を経験し、2015年4月にNewsPicksに参画、VPoEを務める。2020年9月にラクスル株式会社へ入社し、ノバセル事業の開発をHead of Engineeringとして指揮する。2022年2月ノバセル株式会社のCTOに就任。

前編はこちらから

組織づくりで意識して取り組んでいることは何ですか?

組織づくりに関しては、育成や教育に対して世の中的にも度々話題になりますが、本当にそこに時間とお金をかけているか、そこに時間をかけていることが評価されたり正当性を持っているか、というところは気になっています。例えば私は多い時には週40時間の内、30時間は採用と1on1に時間を使っています。CTOの時間の使い方として、一週間の3/4を採用コミュニケーションやメンバー育成といったマネジメントに時間をかけていいのかという議論はあると思いますが、ノバセルのエンジニア組織がうまくいっていると感じてもらえているとすると、この時間の使い方で今の状態が作り出せているんです。

昔は私も「CTOもコードを書け」と思っていたし、自分自身もコードを書くのが好きでエンジニアになったのですが、今になって思うのは、私自身もそれなりのレベルでコードを書けますが、それでも自分でコードを書いている限りにおいては一番できる他のエンジニアと同程度か場合によってはそれに劣るくらいのパフォーマンスしか発揮できません。CTOにしかできない仕事や中長期の未来に向けた時間の使い方をするようにマインドが変わりました。1on1はその効果をはっきり理解していない人にとっては軽視されがちで、私も軽視していた時期があるのですが、この仕事こそCTOとして自分のユニーク性を持ってできる仕事だと理解するようになってからは、1on1の時間を確保し続けることを心がけています。


時間の使い方に対するマインドが変わったきっかけなどがあったのでしょうか?

マネジメントと向き合う中で、“メンバーとの相互理解”がとにかく重要だということを理解しました。マネージャーとしての究極の仕事は、メンバーをプロモーションさせること。プロモーション「させる」だけでなく、「させない」を決めるにしても、メンバーと向き合い、知る必要があります。メンバーから見たら「このマネージャーは自分のことを知ってくれている、見てくれている」というのが非常に大事。この信頼関係をしっかり築くための一番効果的で良い時間の使い方が1on1だと思っています。

少し話は逸れるかも知れませんが、育成やマネジメントに関するトレンドにフォーカスしたアンテナの張り方はしていませんが、もう少し広い視点で「群」としての思考の変化は敏感にキャッチしたいと思っています。組織のダイバーシティへの提言などは積極的に行っています。世間の動きに対しては採用・育成だけに関わらず敏感に先を読んで対応できるようにしていきたいですね。

組織の中に世の中の動きに対する感度が高い人が一人でもいるかいないかで、その組織の未来はだいぶ違うかなと思いますが、そういう点を意識されているんですか?

そうですね。私も意識していますし、ラクスルの役員は皆、世の中の変化やトレンドへの感度が非常に高いです。特にラクスルCEOの松本さんの感度の高さ、未来を見据える姿からは刺激を受けており、私もノバセルやエンジニア組織の視座を上げていければと動いています。

組織づくりについては、今後は事業成長スピードを維持しつつも、採用はより計画性を持って行っていこうと考えています。並行して、世間に対するノバセルテックに対するプレゼンスも上げて行きたいですし、新卒育成にも力を入れていきます。特に新卒採用については、2年で新卒エンジニアを一人前に育て上げることを目指しています。このサイクルが回せるようになると組織のケイパビリティの上がり方も大きく、採用コストも削減できます。ノバセルで求める“一人前”のレベルまで2年で成長するのは結構なストレッチではあるのですが実現に向けた体制構築を進めています。

採用の話に戻りますが、「コーチャブルか否か」という点は新卒でも中途でも見ているポイントです。ポテンシャルと育成した場合の吸収力がどのくらいあるかは大きな判断軸です。既存の能力は高くても、吸収力が低そうという場合は「コーチャブルではない=成長促進は難しいので採用しない」という判断になります。一方で、特に新卒採用においては、その時点の能力がなくても、過去の経験の中で努力して何かを身につけている経験や、エンジニアとしてのスキルや技術面に対してモチベーションを持って取り組める方であれば、一定のレベルまでは十分成長しうると思っているので、努力して自分を上げていける方かを判断しています。


そのような評価基準を見事クリアし、ノバセルに参画してくれたメンバーに期待することや常々言っていることはありますか?

マネジメントに期待するのは、「育成」「規律を持った統制」「高い視座」。マネジメントに限らずエンジニアには常々「視座を上げよう」と伝えています。

メンバーにはマネージャーの視座を、マネージャーには役員の視座を、役員にはCEOないしは社会貢献の視座を、といったように、自分が属しているところより一つ上の視座を持つようにと言っているものの、口頭で伝えられたことをすぐに身につけて実践できるかというとなかなか難しいですよね。また、実践にあたっていくつかトレードオフが発生する場合、どういう意思決定ができるかという点は視座だけではないと思うので、なかなか一筋縄にはいきません。

また、発言しやすいことと、緩い組織というのはまったく別物です。コミュニケーションが取りやすい組織にはしたいですが、規律に対して緩い組織にはしたくない。その点はメリハリを持ったコミュニケーションをしますし、カルチャーを維持するためには、心理的安全性と緩さを履き違えずに、しっかりと規律を持って統制をしていくことが必要だと思っています。

順調に採用・組織づくりができているように見えますが、戸辺さんが今一番苦労していることは何ですか?

引き続き、尖った人材の採用を進めて、組織の独自性を高めていければと思っています。そうすることで、独自性や技術的な優位性のあるプロダクトを、組織としてしっかりと作れる力を向上させていければと思っています。理想の状態が山登りの10合目だとしたら、今はまだ2合目か3合目。やりがいのある環境です。


最後に、これからノバセルにジョインしていただく方に期待することや求めることを教えてください。

「自分にしかできない何か」を見せてほしいです。とはいえ、“ある分野の日本一”とかそういう難しいことではなく、考え方のユニーク性や、「自分だったらこういうことをやる」という意見や意志で構いません。組織や思考、バックグラウンドのダイバーシティも進めていきたいので、その人にしかできない思考などを組織に入れていって、チームや周りに良い影響を与えられる人が入ってきていただけると嬉しいですね。


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