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LITALICOジュニア指導員 大岡 (おおおか)
学生時代、長崎大学で作業療法学を学ぶ。 大学卒業後、青年海外協力隊として2年間ジンバブエの特別支援学校で活動。 2019年度の新卒でLITALICOに入社。駒沢教室で1年目は放課後等デイサービスの指導員として勤務。現在は児童発達支援の指導員として0~6歳のお子さまの支援に加えて、保育所等訪問支援の訪問員として従事。
PT=理学療法士、 OT=作業療法士、 ST=言語聴覚士といえば、医療や福祉の分野で重要な役割を担っている専門職の1つ。
これまで病院などの医療機関や、介護施設などの成人向けの福祉機関を主な活躍の場としていたPT OT STですが、最近では児童福祉分野でもその活躍が期待されています。
LITALICOジュニア(https://junior.litalico.jp/)は、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、お子さま一人ひとりに合わせた支援を提供する教室(児童発達支援や放課後等デイサービスなど)を運営しています。
この記事では、LITALICOジュニアの教室で活躍するPT OT STの声をお届けします。
今回紹介するのは、新卒でLITALICO入社後、現在はLITALICOジュニア駒沢教室の指導員として活躍する大岡です。
ジンバブエの2年間がすごい悔しかったのが大きくて
―この分野に関心を持ったきっかけを教えてください。
実はきっかけは本当にささいなことなんです。高校で進路決める時に、近くにいた友達が「作業療法士」って書いていて、「私もそれでいいや」って。(笑)なので、入学する前はどういう分野なのかあんまり詳しく知りませんでした。
―すごい理由ですね。(笑)この分野との出会いは偶然だったんですね。実際に大学で学ばれてみてどうでした?
入学してからは作業療法士のカッコよさにひかれてしまって、この道を選んで良かったなと思ってずっと過ごした4年間でした。作業療法士の役割はクライアントさんに対して、「その人にとって意味がある作業をサポートする仕事」だということを大学では教えられていました。日常生活の中で、一人ひとりが意味があると感じていることが実現できるように、お手伝いをする。自分にとってだけじゃなくて、相手にとって本当に意味があることに関わることができるという点に大きな魅力を感じました。
―素敵な考え方ですね。OTを目指して学ぶ中で児童発達の分野に関心を持ったきっかけを教えてください。
もともと教育に関心があったのですが、大学を卒業してから、2年間、青年海外協力隊としてアフリカのジンバブエという国の特別支援学校で教員のボランティアをしていました。現地の特別支援学校は、視覚障害と聴覚障害と、あとは肢体不自由のお子さまのクラスに発達障害の子が混ざっているという環境だったのですが、そこで情操教育、図工とか、音楽とかを指導するクラスを担当させてもらってました。
―異色のご経歴ですね。海外の特別支援学校とても興味深いのですが、どんなことが一番印象に残っていますか?
大学を卒業した後、OTとしての実務経験がない状態で、現場に入っているので、当時は、何が正解なのか分からない状態がずっと続きました。「他の作業療法士さんだったら、もっと出来ることがあったんじゃないか」って。分からないがことが多すぎて、すごく悔しい思いをしました。なので2年間を終えた時にもっと自分で支援ができるようになりたいと思ったんです。個別でお子さまを見て、アセスメントしたり支援の手だてを考えたりできるようになるための経験を積みたいと思っていました。
―LITALICOとの出会いを教えてください。
日本に帰ってから、一時期大学でアルバイトをしていました。その時にお世話になっていた精神科の先生に就職の相談をしたのですが、その先生が「LITALICOっていうのがあるよ」って教えてくれたんです。実は、LITALICOワークスにも興味があってちょっと迷っていたのですが、ジンバブエの2年間がすごい悔しかったのが大きくて、お子さまを相手に支援の経験を積みたいと思って、ジュニアにしました。
※LITALICOワークス(https://works.litalico.jp/)とは、就職を目指す障害者のための就労移行支援サービスを指します。
―入社の決め手はなんだったのでしょうか?
正直、直感なんです。(笑)HPを見て、すごく明るそうな環境だなって感じたのと、この環境だったら自由に、縛られずに支援の仕事ができると思ったんです。あとは、「障害のない社会をつくる」という会社のビジョンに惹かれました。
個人への支援に留まらず環境への働きかけができることにやりがいを感じています
―実際に入社されてみてどうでした?
はじめは目の前の指導にいっぱいいっぱいで、あんまり広い視野を持つことが出来なかったのですが、時間が経つにつれてイメージしていた支援の仕事ができるようになってきました。今は、教室での通所支援だけじゃなくて、保育所等訪問支援にも行かせてもらってるんですけど、個人への支援に留まらず環境への働きかけができることにやりがいを感じています。教室内では新人の指導員の育成を担うチューターという役割を務めているのですが、教室全体のことを考えて動ける環境をいただけているのもありがたいですね。
―組織ならではの環境を活かしてチームの中で活躍されているのが伝わってきました。人の支援者、OTの視点からはこれまでLITALICOで働いてみてどう感じましたか?
正直1年目の時は、OTとか関係なく指導員をするのに精一杯という感じでした。専門性と言っても、新卒入社の私の場合はスキルも知識も少ない状態だったので、何が自分にとっての専門性なのかも分からない状態でした。この半年くらいで、作業療法について改めて学びなおす機会があったんですが、そういった場を通して、専門性ってこういうところかなって納得できるようになってきました。
―現場で経験を積んだり自己研鑽をする中で自分の専門性が見えてくるということでしょうか。普段の支援の中で、専門性を活かせていると感じる瞬間があれば教えてください。
私の場合は、本当にまだまだなんですけど。例えば、感覚の探求が激しいお子さまの支援をする時に、今、どういった段階なのか、どういった感覚が好きなのかをアセスメントしたり、感覚を活かしたお遊びを提案したりすることはできているかなと思います。あとは、運動や作業の目標の段階づけでしょうか。例えば、運動をIEP(個別支援計画)の半年後の目標に入れるってなった時に、どういうステップを踏んでいけば、その目標を達成できるのかということを他の指導員と一緒に考えたりすることがあります。
その人にとって、その仕事が意味があるものであったらいいな
―学生時代一緒に学ばれていたOTのお友達とは今でもお話をされることはあるんですか?
あります。実は、私の仲良かった友達はみんな児童発達の分野で働いているんです。病院の外来でお子さまを診てる子や、学校に訪問する作業療法士として頑張ってる子もいます。全体の中では、小児の領域は珍しいんですけど。人によっていろいろですね。
―OTが活躍する様々な環境がある中で、LITALICOの魅力をあげるとしたら、どんなところでしょうか?
LITALICOのいいなって思うところは…本当に誰も敵がいないです。(笑)人の意見に対して、頭ごなしに否定する人がひとりもいなくて、支援のアイディアを出し合う時も、壁がないので、すごくみんなで意見が出しやすい空気だなと思います。入社した年とか年齢とか関係なく支援と向き合える環境はいいなと思っています。あとは、キャリアのコースの選択が出来るところも魅力かもしれません。作業療法士でも、マネージメントのコースを選択して、教室長やマネージャーを目指すことが出来るので、複数の選択肢の中から、自分の得意が一番発揮出来る環境を選べるところはありがたいですね。
―今後のキャリアの展望などがあれば教えてください。
今は、チューターをやっていて、スーパービジョンコースにいるんですけど、悩み中ですね。もっとたくさんのケースを見て、発達段階のアセスメントをしたり、新しい手立てを提案したり、そうした支援者としてのスキルをもっと高めたいなと思っています。大学で学んだ作業療法士としての支援に対する考え方が私はすごく好きなので、それを大切にしながら専門性を磨いていけたらといいなと。
―最後に児童発達の分野への転職を検討されているOTの方へメッセージをお願いします。
その人にとって、その仕事が意味があるものであったらいいなって思っています。なんか、せっかくやるなら、嫌々やるのではなくて、楽しくやれる仕事や、環境を自分で探せるといいなって。だから、私は職場選びに成功してるなって思いました!(笑)