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こんにちは。freeeでUXデザイナーをしているtottsuです。
普段はユーザーの体験やWEBの画面設計をしています。
今回はfreee毎年恒例のウェア制作のお話をしようと思います。
『デザイナーって何を考えてモノを作っているのかな?』『freeeのカルチャーを知りたい!』など、もし気になる人がいたらぜひ読んでみてください。
きっかけ
ムーブメント研究所(人事や総務、社内イベントを担当している部署)のnyariさんが「パーカーとフリースを作りませんか!?」と声をかけてくれたことがきっかけで始まります。多分その前に社内ユーザーテストで私がインタビューをしたからだと思います。直感で選んで頂いたそうです。
入社したてだったのでびっくりしたのですが、入社したてだからこそ普段関わりのない部署の人と活動するのも良いかもと思って引き受けました。たまにはリアルのものも作りたい。
1.要件をまとめる
まず条件や、なぜそれをするのか聞き出すところから始まります。
私は仕事の際、大抵は要件を聞き出し、スケジュール感の認識を合わせ、細かく顔を合わせて、両者の意見をすり合わせていきます。これはWEBであろうが、そうでなかろうが大体一緒です。コンセプト、仮デザイン、本デザインと週ごとに話しながら進めていきました。
前提
[1]freeeは毎年会社パーカーを新しく作っている
毎年はすごいな〜と思いつつ、「昨年や今までのものと差別化をしなければ!」とすでに脳内にモヨモヨがよぎります。さらに今年は『価値基準イラスト』というfreeeのメンバーが大切にしている言葉を入れたフリースも作りたいそうです。
入って数ヶ月の時点で、毎週何かしらオールハンズや月次締め会のようなものがあったり、季節ごとのイベントもリモート化の中でもかなりしっかり作られていて、弊社は本当にカルチャー大事にしているんだなって思いました。
[2]リモート下だから家で着る
今まで社内パーカーというものは会社に置きっぱなし・・というケースもあったのではないでしょうか。私は前職でそうでした。ところがしばらくは自宅で着る事になる。途中でコンビニやスーパーにいくことも十分に考えられる。コンビニの店員が見て、気にならないくらい生活に馴染むデザインの方が良いのではないか、と考えました。
[3]プレミアムラインがある
freeeは通常のパーカーと別に、毎年某ブランドのテキスタイルを使用したリッチなパーカーも作られているという話を聞きました…。すごい気合の入れようだなと驚く私。というわけで限られた条件や色でノーマルなウェアを作るにあたって、奇抜な差別化をすべきではないと思いました。また私が担当するパーカーは取引先などにも配布される可能性があるため、あくまでスタンダードは外せないと考えました。
ここまでがいただいた話を整理した内容になります。
社員が着やすい、これなら在宅中に着ようと思えるものにしたい。どうやってそれを表現しようか…。
というのも、そもそも会社のTシャツやパーカーって着ますか…?
パーカーを作った人とは思えない発言ですが、本質に立ち返ると、正直あまり着ない気がする・・。会社の冷房が寒い、会社で表彰があるからチームパーカーを着る・・それくらいしか今まで自身が来た経験がなく、パジャマ化することも珍しくないと思ってしまったんです。
何故かと考えると、今までの会社パーカーやTシャツってサービスのメインカラーを使って、ロゴがドーンとプリントされていて、ファッションとして着づらかったなと思いました。せっかく作るなら、自分が本当に欲しいモノを作りたいと考えました。
2.コンセプトを作る
これらの要件や思いをまとめてコンセプトを決めます。
「家でもさりげなく着られて、老若男女が親しめる、会社パーカーだけど会社パーカーらしくない普通のパーカー」を作ろうと思いました。
定番のスポーツブランドやファストファッションのラインをイメージし、性別・年齢を選ばない親しみやすいものが良い。ハイブランドのようなハードルがなく、誰もがそれっぽくなるを伝えるイメージボードを作りました。nyariさんに見せて「良いですね!」をいただきました。価値基準を全て伝えたいなど、ムーブメント研究所からの要望は満たしつつ、コンセプトが決まったら、次はそれに基づいて実際のデザインをしていきます。
3.デザインする
<パーカー>
パーカーに入れる要素は会社ロゴのみ。どういう表現にするかを決めます。
世の中のパーカーをリサーチしつつ、ド定番ではありますが、左胸と袖口に刺繍をするデザインに決定しました。生地や色に限りがあったので、刺繍にすることで素人っぽくなるのを避け、安っぽい感じを回避しようという作戦です。また取引先にも渡せるfreeeの定番カラーである白x青と別に、黒x濃いグレーで刺繍するという変わり種アイデアも許可していただきました。こちらはよく見ると立体的な刺繍でロゴが見えますが、パッと見は会社パーカーとは思えない、さり気ないデザインにできた気がします。
<フリース>
フリースは価値基準から抜き出すイラストを選ぶところから始まります。こちらは少し苦戦しました。
というのもプリントするにしてもフリースは毛があるので埋もれるし、刺繍にするにはイラストは細かすぎる…。そこでコンセプトに立ち返り、イラストを置くのではなく、イラスト内の価値基準ワードの文字を抜き出して、ぎゅっとまとめてワッペンのように刺繍しようと思いつきました。
少しポップなテイストのロゴTシャツなどをイメージしつつ、胸と後ろ首部分に刺繍でデザインをしました。
4.素材や刺繍の縫われ方を確認する
パーカー、フリースそれぞれの業者にデザインの提案や見積もり依頼をします。業者とのやりとりはnyariさんが担当してくださったので割愛。ここが大変だったりするのですが、お任せしてしまいました。業者選定や費用がね、大変なところですよ本来はw
私はイメージがどこまで実現できるのかを確認するのみ。アパレルのことはプロではないので、どこまで刺繍で細かい再現ができるのか、サイズは想定で大丈夫のか・・などを確認します。自宅でパーカーに定規を当てて刺繍のサイズ感などをシュミレートしたのですが、細かすぎると潰れるなど、業者の方からも丁寧なアドバイスをいただいて、サイズや糸色を決定しました。その後サンプルを送っていただき、実物確認、そして量産へ…。
最後に
パーカーは無事に配布されました。私と同じチームで購入してくれた人が「これコンビニまで全然着て行けましたよ!」と感想を伝えてくれて、想像通りの使われ方をしてもらえて嬉しく思っています。
「デザイナーってデザインをしている人ですよね!」とよく言われます。その通りですが、結構3の『デザインする』のみをイメージされることが多いなと思っています。でもデザインって、実は大半が材料集めだったりします。freeeのUXデザイナーはリサーチや要件確認、ユーザーテスト、などかなり広義でのデザインをしています。また実物が上がってきた時の確認が重要だったりします。
この記事で、少しでもfreeeのカルチャーやデザイナーの仕事に興味を持っていただけたら幸いです。