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こんにちは、採用広報の西木です。
freeeは3〜5月まで完全リモートワークを続けてきました。
6月から部分出社を一部認めたものの、夏以降も基本的にはリモートワークが続く予定です。
今回はそんななか開催された社内イベント『社会の進化を担う責任感謝祭』についてレポートしたいと思います。
『社会の進化を担う責任感』とは、freee定める価値基準の中の「マジ価値2原則」のうちの一つで、
【社会全体を前に推し進めるべく、社会に信頼される存在であると同時に、本質的であればあえてリスクを取って挑戦していく】という姿勢を表したもの。
(* 詳しくは採用ページで特集しています)
freeeでは、今年から一つひとつの価値基準に記念日を制定する取り組みを始めており、今回の『社会の進化を担う責任感謝祭』もその1つです。
「社会の進化を担う責任感」は名前の通り、壮大なテーマなので、一見すると重くて固い印象を持ちます。実際に社内サーベイでも「社会の進化を担う責任感」の設問は、共感度は高いけれど、体現はそれに比べると低い傾向にあります。
その原因を
・壮大なテーマすぎて、具体的な行動がみんなの中で描きづらいのではないか。
・社会を変革するための第一歩がプロダクトを通じて、VISIONを語ることなのではないか。
と導き出しました。
みんな一人ひとりが確かに社会を進化させているという実感を持ち、互いの日々の取り組みの積み重ねが今日までの社会進化を支えてきたことに感謝できる日にすることを目的に『社会の進化を担う責任感謝祭』の開催に至ったのです。
全体としては、三部に分けて運営されました。
まずはfreeeでは珍しい全体朝会。こちらはオンラインでCEO佐々木が語りました。
その内容は、社内一丸となって進めてきたAPI連携(=会計freeeと全国の銀行とを繋げること)の現状報告と、これからを語るもの。
運営側の狙いとしては、過去の変遷を知ることで今日までの進化を実感し、CEOの見ている世界を社内に共有することで、自分たちの日々の1つ1つの取り組みが確かに社会を進化させているという手応えを感じてもらうことでした。
佐々木「2012年の夏、現CTO・横路とともにスクレイピング(銀行と同期する機能)の開発をはじめました。初期は本当に大変な作業もあったけれど、一歩づつコツコツと拡充してきました。
同期はカスタマーサポートの中でも一番問い合わせが多い領域であったし、会計freeeの中で一番大変なオペレーションでした。
いつか銀行と公式のAPI連携がするのが目標で、常に安定的に動いている状態にしたかった。そんな夢があったからこそ頑張ってこれました。そして銀行の人と会うたび、想いを伝えました。
そんななか、2013年に現freeeの小村と出会い、ジャパンネット銀行との公式連携機能を実現できました。ただ実現できたのはここだけで、他の銀行との同期はスクレイピングを地味に続けるしかありませんでした」
佐々木「転機が訪れたのは、2015年。MUFGのビジコンで、freeeメンバーの藤崎がAPI連携を提案してグランプリを獲ったんです。そこでMUFG側からも『API連携を目指して頑張ります』とのお言葉をいただきました。
それから世の中にフィンテック旋風が吹き、どのように銀行はフィンテックに対応するのかということが世間の話題になりました。2015-17年にかけて、freeeは住信SBIネット銀行を皮切りに、多くの銀行とAPI連携を行いました。
ただここでもまだ、色々な銀行に対応しようとするには課題がありました。もちろん相手にも条件があるので、便利になるだけでは連携してくれないところも多く、一筋縄にはいかなかったのです」
佐々木「さらに追い風が吹きます。それはヨーロッパで『全ての銀行は民間企業にAPIを解放しなければいけない』という趣旨の、新しい法律ができたこと。日本でもそれを検討しようという流れができました。
そこで僕も金融庁の金融審議会に呼んでいただき、APIを解放したら世の中にどんなメリットがあるのか説明することができました。
こう言った努力が実って改正銀行法が成立しました。内容を端的に言うと
・日本の銀行はAPIを開放するよう努力しなければいけない
・スクレイピングをしている会社は、銀行と契約締結し、オフィシャルな連携にしなければならない
というものでした。
また、この法律の中で新しく、電子決済等代行業者(=銀行と接続できる業者)というものが法律上定義され、freeeはその第一号として金融庁に登録されました。それはfreeeのセキュリティ面が高く評価された結果でした」
佐々木「法整備は進みましたが、実際の連携で立ちはだかる壁には色々なものがありました。細かくいうと、API接続の開発コスト・銀行との条件の折り合い・セキュリティチェックの基準の擦り合せ・契約事務のハードルなどです。
特に開発コスト面では、当初は効率的に開発する知見はなかったし、少しずつ経験値が溜まることで乗り越えていきました。
それでも接続銀行を増やしていくのは難航しました。一方で、それを期待して使ってくれるfreeeユーザーは本当に多く、だからこそ全銀行接続しなければいけないと思いました。
そこで改めて社内で議論して、2019年8月、改正銀行法施行までに、国内の全銀行とAPI連携を実現させるためのチームを結成しました」
(メンバーはfreee finance labが中心でした)
佐々木「APIの接続料を求める銀行との交渉や、契約書やセキュリティチェックの資料を作成・やり取りする膨大な事務工数など、大きなハードルがありました。freeeとしては、一つひとつ交渉しつつも、丁寧かつ効率的に対応できる工夫を重ねました。
そのひとつとして、2020年頭に、効率的にAPI連携のためのセキュリティ監査を進めるべく『freee監査DAY』を開催しました。これはfreeeにいろんな金融機関の方を招いて、freeeのセキュリティの取り組みに関して一括実地説明を行うもの。そこで『銀行とスタートアップが協業して、新しい価値をつくっていくんだ』というfreeeのスタンスを強く表明しました。この頃には、会社として丁寧に報告を重ねてきたことで、金融庁からも信頼されるプレイヤーになれていたと思います」
佐々木「結果として、API契約が100を超え、おそらく業界ナンバーワンの数字になっています。それに加えてユーザベースで90%がAPI化、そしてスクレイピング含めたカバー率は99.9%までいきました。
また同期の部分の仕組みが一気に入れ替わって行くことにも、カスタマーサポートチームが本当に頑張ってくれてここまで進んできました。
はじめはスクレイピングという形でスタートした口座連携が、オフィシャルなAPI連携となり、法律も変え、銀行とスタートアップが連携することが当たり前となる、そんな時代を作ることができました。
これは『いち企業が始めたことでも、じっさいに社会を動かすことが可能である』という重要な事例だと思っています。これにとどまらず、freeeは社会に大きな変化を起こしていきます。社会を良くしていくのは国じゃなくて企業になっていく、そんな流れをビジネスを通して作っていきたいと思います」
このような言葉で、佐々木は朝会を締めくくりました。
第二部は、ユーザーさんからの感謝メッセージ動画です。
freeeユーザーさんからのありがたい声を届けることで、具体的にどのように社会の進化に携わっているのか知ることができました。
動画は1時間に1本公開され、以前記事に登場していただいた株式会社大都さんをはじめ、多くのユーザーさんからありがたい言葉をいただきました。
そして第三部、夕方から開催されたのは『D-1グランプリ』というイベントでした。
M-1 グランプリのMは漫才ですが、D-1のDが表すものは、なんとデモ!
そう、デモンストレーションです。
PMMチーム(Product Marketing Manager)が主催のD-1グランプリは『プロダクトを通じてVISIONを語るには、デモが一番なんじゃないか』という思いで企画しました。
freeeではセールスやサクセス活動をおこなうとき、ユーザーさんに向けてさまざまなデモを行なっています。
いわば、社内にはデモの達人がゴロゴロしています。
今回は彼らの実力を余すところなく発揮してもらおうと、以下の5部門でデモ動画を募集しました。
参加資格は全freeers(社員、派遣社員、アルバイト、業務委託、インターンなど)。
審査方法は、動画を見ながらMC・コメンテーター・ゲストがコメントしつつ、視聴者(全社員)からの投票。
各部門の優勝者には豪華商品(Amazonギフト券5万円分)が送られます!!
これには皆さんのモチベーションもガン上がり!
たくさんのデモ動画が寄せられました。
そしてD-1では事前審査(予選)を行い、ふるいにかけたあと、当日は各部門3つずつデモ動画が流されました。
事実上の決勝戦です。
ここからは結果を発表していきます。
会計経営者層向け部門で優勝したのは、アライアンスの西村でした。
freeeで管理会計の効率化手法を広めるために取り組みました!
HR部門で優勝した山本は、人事労務freeeの最新の便利な機能を使ったわかりやすいデモを行いました。
API部門では、田中がAPI連携したスプレッドシートを用いて顧問先報告資料作成のデモを行なってくれました。
自由演技部門では、リリースしたばかりのプロジェクト管理freeeを使ったデモが松場によって行われました。
会計経理向け部門では、梅田が3分間で180件の債権消し込み手続きを完了させました。
僕もいち視聴者として、全てのデモを見ました。
freeeのプロダクトで出来ること、効率的な使い方などがギュッと詰まっていて、とてもわかりやすかったです。
また各プレゼン面白く、それを受けたコメントでMCやコメンテーターからよく笑い声が上がっていたのも印象的でした。
イベントを通してセールスなどのビジネスサイドと開発サイド、サポートメンバー含め全社の一体感も感じることができました。
CEO佐々木による締めの言葉のなかでは、「来年も開催したい」という旨が発表されました。
さらなるプロダクトの進化と楽しいデモを期待したいと思います。
さて、リモート下で、丸一日かけて行われた『社会の進化を担う責任感謝祭』でしたが、佐々木の言葉による振り返り・ユーザーさんからの声・そしてD-1グランプリを通してfreeeのプロダクトの意義を知る機会になりました。
具体的に、プロダクトのどのような部分が既存のソフトにはなくて、業務効率化に繋がっているか知ることができたのも楽しかったです。
アンケートでも、「自分たちの日々の業務が社会の進化に繋がっている」と感じられた人が100%という結果になりました。
また今月、別の価値基準をテーマにした価値基準記念日があるので、採用広報としてレポートしたいと思います!
お楽しみに!