本日は、代表山田のnoteを紹介します。
先週、メンターの方(上場企業のCOO)と議論する中で、CXOや事業部長など経営者やそれに近いビジネスパーソンにスピーディーになるためには、能力やスキルよりも遥かにスタンスが大事という結論に至りました。
サイバーエージェントさんは、このスタンスを「素直でいい人」という超絶シンプルな表現に集約しており、とても参考になります。
サイバーエージェントは変化と共に成長してきたこともあり、どのような局面でもオーナーシップを持ち、周囲を巻き込みながら物事を推進していける人が活躍できる可能性が高いという意味で「素直でいい人」を掲げています。
Cyber Agent Way
では、一見重要視されそうな能力やスキルよりも、スタンスが大事なのでしょうか。
スタートアップはそもそも人がついていけないスピードで成長しないと意味がない
タイトルの通りですが急成長しているスタートアップは昨対比で2倍、3倍の速度で成長するため、当然従業員数も同じように成長していきます。サイバーエージェントさんのように急成長事業がどんどん社内から出てくる会社も同じですね。
結果的には、事業戦略やマネジメントなども、1年前より今、今より1年後に求められる能力値がどんどん高くなっていきます。成長著しいスタートアップに経験のある経営陣が転職していくケースなどはこうした成長に対応するため、と言えるのではないでしょうか。
また、その成長速度は人の成長できる限界を往々にして超えてしまうことがあります。自身も前職時代に、入社から2年でユーザー数が7倍くらいに増えて、社員数も3倍くらいになった時期があったのですが、全くついていけず能力不足の結果、成長痛で組織崩壊に近いところまで至っても、何もできなかった苦い経験があります。
正直、こんなスピードで成長できない、辛いと色んな人に相談に行ってのを記憶しています。(ご本人は覚えていらっしゃらないと思いますが、当時ビズリーチが100人規模くらいの時に、南さんに相談にいったことがあります。エコシステムって素晴らしい。)
急成長に追いつくためためには経験者からの学習とチームを活かす力が大事
急成長期に個人の能力を磨き込んで追いつけば良い、あるいは事前に仕事の経験やMBAなどを通じてその準備をしておくんだという考え方もありますが、個人的にはお勧めしません。一部の天才ならできるか、あるいは成長率がそれほど高くない証拠ではないでしょうか。頑張るスタンスだけでは対応しれないのが急成長スタートアップの特徴です。
急成長やそこで起きる課題への対応について、前職のCFOによく言われたのはスタートアップの成長に耐えるのには「見たことがあるか」はとても大事な要素だとのことでした。(彼は2回上場を経験して、3回目のチャレンジをしています。再現性すごいw)
人は過去に「見たこと」があれば想定して動くことができます。故に、例えばメルカリなど、ベンチャーの経営経験者が揃っている企業が急成長に合わせて、柔軟な組織づくりなどを実現できたのも一つの事例ではないでしょうか。
従って、急成長によって当たる壁を過去に経験している人から学んで、自社で必要なピースを取り込んでいくのが、スタートアップの急成長を人が超えられる数少ない方法だと思っています。
VCの知見などはまさに、他の投資先で起きた事象を体系化して伝えるという意味で、一つの事例として生かせますし、更には実際にスタートアップの急成長を苦しみながら乗り越えてきた人に相談して解決策を探っていくなどもお勧めです。
また、同時に個人の能力で勝負するのではなくチームの力で勝てるかどうかも大事な要素です。伸びている企業のトップは採用に強いというのは、個人が足りない部分をチームで補完できるからこその強さにあると思っています。例えばトップセールスに秀でたCEOを支えるためにマーケに強いCMOを採用するなどは一つの事例ではないでしょうか。
実際に事業を運営していると、数人程度のチームでやっているときは、個人の能力が高ければある程度カバーできるのですが、10人を超えてくるとチームを活かす方が遥かに効率的です。だからこそ、個人の能力ではなく、チームの能力を活かすことが大事になってきます。
経験者から「素直」に学んだ上で、自社に必要なものを「咀嚼」することが大事
経験者から学ぶ際に大事なのはまず素直に受け止めることだと思っています。経験者とはいえ、自社のビジネスに取り組んできたわけではないので、完璧な回答が提示できるわけではありませんし、クライアントやユーザーの解像度は当然、自分たちの方が高いので、アドバイスを否定しがちです。経営幹部やマネジメント候補は元々優秀な人が多いので、余計にそうなる傾向があります。
しかしながら、経験したことがないからヒアリングしている前提に立てば、まず素直に聞いてみることが大事だと思っています。
その上で大事なのは自分がアドバイスを咀嚼した上で、自社に合っているところを取り込んでいく、逆に異なるところは捨てていく。この繰り返しこそがスピードのある成長を会社にも、経営者を目指す個人にももたらすと思っています。
個人の成長より事業の成長という視点
チームを活かすためには、メンバーがついてくるリーダーでないといけません。どんなリーダーであれば、一緒に仕事をしたい、ついていきたいと思われるかですが、いろんな要素があるとはいえ事業をチームで伸ばしていけるか人だと思っています。
自身も、20代の頃「自分が経営幹部になりたい」と思っていた頃はせいぜい数人までのチームマネジメントはできていたものの、それ以上になるとなぜか部下が離れていってしまう現象に悩んでいました。
当時は、自分が仕事を頑張っているし、自分が結果を出しているのに「なぜ?」と思っていましたが、この主語が自分に紐づいていたのが、ぶっちゃけメンバーに見透かされていたのだと思います。20代半ばの自分を見たら、まず主語を個人視点の「I」から、事業視点の「We」とか「Our Product」に変えるように伝えてあげたいですね。
能力やスキルよも大事な「スタンス」まとめ
以上をまとめると能力やスキルももちろん大事ですが、スタートアップの経営者に必要な「スタンス」は以下ではないかまとめてみました。
①素直さ:まずは素直に先人の声に耳を傾けられるか
②咀嚼力:アドバイスや過去事例を理解した上で、自社の状況にあったものを取り入れる力
③事業視点:個人の成長ではなく、事業やプロダクトの成長に軸を持つ視点
ぜひ、スタートアップで経営を目指す人は、うまくエコシステムを活用して組織と個人の急成長を同時に実現してもらいたいなと思います。また、個人的にもスタートアップの立ち上げから7年、前職で経営層になってから早10年弱になりましたが、相談した際に何の見返りも期待せずに色々とご指導いただいた方には感謝しかありません。
ちなみに、Findyでは先輩かつ現役の経営者にメンターになってもらい経験者から学ぶ機会を作ったり、コーチングなどを取り入れて、若手が成長する環境が整っているので、ぜひ、そうした急成長をしたい方はご連絡をお待ちしています。
追記:フィードバックを受けてタイトル変更してみました
タイトルの方、アドバイスいただいたので途中で変えてみましたw
アクセス増えるといいなー!
①初期案(変更時のいいねは36件)
スタートアップで経営者を目指すなら能力やスキルよりもスタンスの方が大事な理由
②変更後
スタートアップ経営7年目で気づいた、能力やスキルより大切なこと