- フルリモート/PdM
- リモート/カスタマーサクセス
- フルリモートOK
- Other occupations (15)
- Development
- Business
- Other
「苦しい時間が長くて、まだ全然もがいてますよ」
スーパーゼネコンを飛び出し、転職活動の中ではじめてカスタマーサクセスという仕事を知った青年は今、組織の急成長に合わせた体制や仕組みを作っています。
前回のインタビューから約3年が経ち、あっという間にCSチームを率いるマネージャーへと成長した前田さん。しかし向き合ってきた壁は高く、まだ乗り越えられていないとのことで……!?
マネージャー初挑戦のプレッシャーの中、なんとか壁を突破しようとする彼のリアルな試行錯誤と、目指す理想に迫りました。
プロフィール
前田紘人さん(29歳)
学生時代は海外の道路整備を行うNPO団体に所属し、新卒でスーパーゼネコンに入社。より大きな裁量で、よりシンプルに価値提供できる環境を求めてクラフトバンクに転職した。その際、未経験のカスタマーサクセス(CS)にジョブチェンジ。自分の仕事が顧客の反応に直結する手触り感にやりがいを感じ、CS職を楽しんできた。
8人→20人超の組織へ!大きく変化したCSの体制
3年前と比べて、一番の変化は?
まず明らかに変化しているのは組織の規模です。僕の入社時、CSは8人程度でしたけど、今では20人を超えました。人数の増加に伴って、僕の肩書きもVPoCS(Vice President of Customer Success)になって、マネジメント業務の割合が増えましたね。
肩書きが強くなっちゃったのに伴って、他部署の人から恐れられることが増えました(汗)。僕は子どもみたいに無邪気に喋っているつもりなのに変な印象になっちゃってるので、ちょっとオーバーに怖くない言動をするよう心がけています(笑)。
CSの体制や業務分担も、3年前とは全然違います。以前のCSは顧客を分担して持ち、その顧客のことならフォローからSQLコーディングまで全てひとりで担当する体制でした。今は業務を切り分けて、3つの職種のメンバーを集めた4人1チームで顧客に向き合う体制になっています。
CSをさらに複数の職種に分けたのですね
そうですね。元々、クラフトバンクのCSはやることが多かったので。
問い合わせ対応や顧客との折衝を行う「カスタマーサクセスマネージャー(CSM)」、顧客の要望に応じてCBO(CraftBank Office)のカスタマイズをする「CSエンジニア」、主担当者のサポートに入る「カスタマーリレーション(CR)」と、大きく3つに分かれています。
特にメインで顧客と向き合うCSMは、ITコンサルタントに近いようなスキルが求められる職種で、日々顧客の課題に技術で応えるコミュニケーションをしています。
より具体的な話については、先日公開した業務紹介記事をご覧いただけると嬉しいです。
昨年10月からはチームごとに目標を設定し、達成度を確認しながら自律的に動いてもらっています。今年はもう1チーム増やしたいので、リーダーになってくれるメンバーを育成しているところです。
僕の仕事は、成果を出してもらうこと・キャリアを積んでもらうこと・給料を上げること
3年でいちばん大変だったことは?
ピープルマネジメントですね。これは本当に、明確に失敗してきたなと思いますし、今もまだ乗り越えられてないです。
VPoCSの役割はCS組織が成果を最大化できるよう、課題を特定して改善に注力し、同時に人材を育てることだと思っています。ただ、この役割を十分に果たしているかと考えると、「できた!」って思える瞬間がCSプレイヤー時代よりも圧倒的に少なくて難しいなと。
そもそも、代表の韓さんからカフェに呼び出されて「大した話じゃないんだけどさ、マネージャーとかやってみる?」って軽く言われて、なんの経験もないくせに「興味あるんでやります!」とか答えちゃったのが全ての始まり。安請け合いしなきゃよかった!と、何度思ったことか……(笑)。
生産性向上に関しては、情報収集・体制変更・数字を考える場作りなど仕組みを作ったことで徐々に変わりつつありますが、まだまだ発展途上なので本を読んだりしながら試行錯誤中です。
もっと実力不足を感じているのは人材育成。入ってすぐの若手には登れる階段を用意して引っ張るマネジメントで成功体験を積んでもらいますし、自分で考えられるメンバーには大雑把なゴールや意図を伝えて自分で工夫してもらっています。でもその間の「登れる階段には慣れてきた」くらいのメンバーに対して、どんなマネジメントをするか、センスが試されてる感じです。考えられる余地を残したり、モチベーションを管理するあたりは本当に難しい……。
逆に、これはできた!という成果は?
CSのプレゼンスと平均給料を上げたことですね。プレゼンスについては定量的な評価が難しいですが、僕が査定や評価に関わるようになってから、平均給料は明確に上がりました。
一般的な他社のSaaSのCSと比較すると、うちのCSはかなりもらってる方だと思います。サービスのカスタマイズ性と機能の複雑さから、一般的なSaaSのCSよりも難易度の高いことをしていると思うので、当たり前っちゃ当たり前だと思っています。
とはいえ給料って市場との比較で決まることが多いじゃないですか。日本におけるCS職は一般的にコストセンターとして捉えられがちなので、上げていくのは難しかった。でも、かなりこだわって取り組んできました。
プレイヤーとしてはお客様のサクセス、すなわち売上の向上やコストの削減を考えてきましたが、マネージャーとなった今は自分の部署やそのメンバーをサクセスさせることを考えています。
そう考えると、メンバーに成果を出してもらうこと、スキルを身につけてキャリアを積んでもらうこと・その結果として給料を上げること の3つは、僕の仕事かなと思っています。
顧客の反応がやりがいだった前田さんの、今のやりがいは?
まぁ正直言うと、目の前のお客様を喜ばせたいんですよね。苦手なピープルマネジメントをしながら、中間管理職として日々、クッション役を引き受けてるので、少し寂しかったりします。
とはいえ今目の前にいるのはメンバーたちなので、やっぱり優秀な人が成果を出せる仕組みを作ったり、アシストできたりするのは嬉しいですね。過去に教育系のNPOに入っていたこともあって、成長を目の当たりにするのが好きなんです。
若林くんっていう入社11ヶ月くらいのメンバーがいるんですが、最近だと彼の成長が著しくて。僕の案件を引き継いでくれて、追加で契約を持ってきたんですよ! 今まで活用度を上げるためのサポート対応が主だったのに、顧客折衝の能力が身について、追加で課題を見つけて契約をいただくコミュニケーションができるようになった。今期はこういう事例がちょこちょこあって、めっちゃ嬉しいですね。
さらなる成長をするために、暇になりたい
今後の目標を教えてください
組織の目標としては、まずは上場です。上場はあくまで通過点ですが、上場は業界全体に関わるような変革を起こす大きな通過点だからです。
目の前の人を助けるだけなら、個人事業主でもできます。でも「検索するならGoogleだよね」と言われるくらいの立ち位置になりたいなら、企業じゃないとできない。「建設領域の経営管理といえばクラフトバンクだよね」「第一人者で変革者だよね」と言われる存在になるための手段の目安として、上場は大きなマイルストンのひとつです。
個人的な目標で言うと、僕が暇してるような組織を作りたいですね。仕組みに関しても、育成に関しても、前田がいなくても回る状態になったらベストです。
その状態を実現できたら、スタートアップに転身してずっとCSに向き合ってきたので、他の役割に挑戦してみたいです。
僕はクラフトバンクのサービスができ始めた頃に入社してそれを伸ばしてきたので、もっと前のフェーズからやってみたい。爆発的に成長する新規事業を作るとか。フィールドセールスのプレイヤーとしてイチから出直して、セールスの気持ちや技術を知って視野を広げるのも良いですね。
どんな人と一緒に働きたいですか?
とにかく、僕の仕事を奪ってくれる人、 これに尽きます。特に、僕が苦手としている人材育成を一緒にやってくれる人に出会いたいですね。
CBOはどんどん進化していて、マニュアルを作ってもすぐにアップデートが必要な状態です。ちゃんと教育担当者を置いて育成に当たるべきだと思うんですが、社内のメンバーはお客様に向き合いたい人が多いので、メンバーに向き合いたい方が来てくれたら嬉しいな。
理想に辿り着くには、まだまだ道のりが長そうです。力を貸してくださる方を探しています。よろしくお願いします!