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「1社ずつ改革しても、日本のGDPは上がらないんすよ」
全国大会常連のアスリートとして育ち、大手コンサルファームでは誰よりも強い「当事者意識」で異例のスピード出世を果たした、頼れる不屈の仕事人! 毎週更新するクラフトバンクのメンバー紹介、トリを飾る第9弾は、ストラテジックソリューションチームの石田さんです。
大手ファームで感じた「既存コンサルの限界」を突破すべく選んだ舞台は、レガシー課題が山積する建設業界。無茶に思える「前期の10倍」という高いハードルを越えた先に見据えるものとは? 冷静な戦略と熱い想いで描く、未来への勝算を伺いました。
お客様の課題を自分事で考えるコンサルタント
自己紹介をお願いします!
石田 佳弘と申します。妻と子供2人の4人家族で、茨城県に住んでいます。子どもがまだ小さいので、休日は家族でお出かけすることが多いです。バーベキューとか、水族館とか、子どもたちの喜びそうなところに連れて行ってます。
休日はそんな感じですし、平日は仕事に追われているのもあって、もう少しビジネス書を読んだりするインプットの時間を確保しなきゃなと思ってる今日この頃です。
出身は兵庫県姫路市で、学生時代は10年間ひたすらバレーボールをやってました。ずっと全国大会に出場していて、中学・高校・大学と全部バレーボール推薦で進学して。もう「部活しかしてない」と言い切っていい青春時代です。
勉強は全然しておらず、高校時代に真剣に解いた模試の偏差値が40くらい……。ちゃんと真面目にやったんですよ? まあ自分で言うのもなんですけど地頭はいい方だと思ってるので、勉強に対するやる気が本当になかったんでしょうね(笑)。
新卒からのキャリアを教えてください。
就活ではシステム開発企業に絞って受けていました。きっかけはDropboxを知ったこと。大学生だった当時って、常にUSBを持ち歩いてたんですよ。でもDropboxが出てきて、ファイルをクラウドに保存できるようになった。「めっちゃ便利じゃん、すごいな」と衝撃を受けて、システムを作ってみようと思ったんです。
それでたしか、システムを作ってそうなイメージの会社を7社くらい受けました。バレーボールの練習が週6日あったので、就活にあんまり時間を割けなかったんですけど、なんとかNEC・富士通・日立などのシステム系子会社から内定をいただいて。
単純な男だったので、内定後の最終的な決め手は正直、ロゴの色ですね。青色が好きなんで、青いロゴのNECにしました(笑)。
でも入社していざシステムを作ってみたら、全然面白がれなくて。どうしようかと思っていた時に、コンサル会社と動く案件があって、そこで初めてコンサルっていう職種を知ったんです。一緒に働いたことで「あ、自分はこっちの方が興味あるな」と気づいたので、入社から1年半でコンサルに転職しました。
まぁ今となって思うことですが、もう少しNECでシステムを学んでおいた方がよかったな。コンサルをする土台としてシステムの知識があったら、今できることの幅がもっと広がったはずなので、ちょっともったいなかったなって思います。
コンサルではどんな経験を?
転職してすぐ、大手通信会社のシステム案件にたった一人でアサインされました。当時は常識がなかったので、「あ、コンサルってこういう感じなんだ。頑張らなきゃな」って感じで受け止めたんですけど。今考えると、入社したての24歳に丸ごと任せるってだいぶハードですよね(笑)。
ノウハウがあるわけじゃないけど、頼れる人もいないし、自分でやるしかないわけです。図らずも一発目の案件から無茶を乗り越えた経験が、今の自分の原点になってるのかもしれません。
その後は業務改革、組織機能設計や、数十億規模のシステム開発案件のPMOなどのプロジェクトに入りました。
最初は一番下っ端だったんですけど、少しずつロールが上がっていって、入社1年半くらいでシニアコンサルタントに昇格し、さらにそこから2年くらいでマネージャーに昇格しました。周囲と比べて、かなり早い昇格だったと思います。
「スピード出世の要因は?」ってよく聞かれるんですけど、ぶっちゃけ運だと思ってます(笑)。まあ強いて言うなら、お客様のことをすごく考えていました。高いコンサルフィーをいただいてるので、その期待に応えたいという責任感は強かったです。
一番最初の案件を一人で担当したからこそ、お客様の課題は自分の仕事だし、期待に応えるのは自分だっていう当事者意識が強くなったのかな。自分ごととして人一倍考えて動いてきたから、お客様にも可愛がってもらえて、いろいろご指導ご鞭撻をいただきながら成長できたんだと思います。
その後、3社目は経営目線を身につけたいと思って、宇宙ベンチャーでコンサル事業の立ち上げをやりました。入社当時は3人で年商3000万だったところから、45人規模・年商8億くらいまでスケールさせました。成功したと思うし、自分としても成長を感じられる時間でした。
4社目が、前職である外資系コンサル「デロイトトーマツコンサルティング」です。今までやってきた業務コンサルのスキルをさらに伸ばしたくて入社しました。グローバルの知見を身に着け、業務コンサルの専門性を身につけることができました。社内外からも一定の評価をいただいて、それなりにご機嫌に働けていたと思います。
上がらない日本のGDPを変え得る一手
転職を考えたきっかけは?
「業務コンサルを何件やっても、日本経済は上向かない」と気づいたのがきっかけですかね。
基本的にコンサル会社って大企業をクライアントとして、一社一社に対して業務効率化や支援を提供するんです。でも日本全体の労働人口や生産力が減っていく中で、個社別に効率化していっても埒があかない。せめて業界横断でまとめて改革しないと、日本のGDPは上がらないよなって、当時の上司と話していたんです。
ただ、自分のいた組織でゲームチェンジャーになるレベルの改革を実現するには3つの壁があって。1つ目は、コンサルフィーが高すぎること。数千万を払ってくれるような大企業や官公庁が主な顧客なので、リーチすべき中小企業に手が届かないんですよね。
2つ目は、身動きが取りづらすぎること。業界改革をしたいなら自社だけではやりきれないから、どこかと組んで進めていく必要があると思ったんですが、デロイトはグローバル企業で監査法人も入ってる関係上、アライアンスを組むのに半年くらいかかるんですよ。新しいことにチャレンジするにはスピード感が足りないと思っていました。
3つ目は業界知見が足りないこと。私がいたのはサービスカット(業務改革)の組織だったので、私自身には何のドメイン知識もなかったんです。インダストリーカット(業界改革)の組織にいたら、どっぷり浸かった業界があったんだろうけど、私の場合は「どの業界を改革するか?」から考える必要がありました。
となると、自分でリーズナブルなフィー設計ができて、動きが早くて、業界知識がある会社に行くべきだなと思うようになり、それって「まだコンサル機能・組織がないバーティカルSaaSベンダー」なんじゃないかと思ったんです。
じゃあどの業界にベットするのが良いか? 可能性があるのは、国内でGDPが一定高い産業で、まだまだアナログ文化が根強く残っていそうな建設・運輸・農業あたりかなと。その中でも建設業界は、企業同士の横のつながりが強い。業界横断で動かせる可能性がより大きいと思って、建設に決めました。
そこから、規模が大きすぎず小さすぎず、社員数が100人前後くらいのSaaSベンダーを探しまくって、一番最初にヒットしたのがクラフトバンクだったんです。
選考時の思い出と、入社の決め手は?
とりあえず応募したら、最初に代表の韓さんが出てきました。サービスの説明をめちゃくちゃしてくれたんですけど、まったく理解できず。「カスタマイズで何でもできる!」とか言われたけど、結局何ができるのかわかんねぇよと(笑)。でも、狙ってる層とそこに対する戦略はすごくいいなと思いました。
狙ってるクライアントが年商10億未満の建設会社で、そこにリーチするために地方銀行と連携してるって聞いて。確かにベンチャー企業のことを信用してない会社も、銀行のことはすごく信頼してるもんな、とすごく納得しました。私はずっとナショナルクライアント(大企業)しか担当してこなかったので新鮮でしたね。
入社の決め手は、最後のオファー面談でした。オファー面談を担当してくれた巻島さんが「あなたのここが良くて、来てくれたらこれをやってほしくて」みたいなことを書いたワンペーパーを作ってくれたんですよ。そんなもの今まで用意してもらったことなかったので、「あ、本気で来てほしいと思ってくれてるんだな」って感動しちゃって。
まあそういう書類って10分くらいで作れるとは思うんですけど、私のために準備をしてくれた小さな工夫と気持ちが本当に嬉しくて、人柄と本気度に心を掴まれたって感じですね。
今はどんなお仕事を?
5月に入社してすぐ、ストラテジックソリューションチームを立ち上げました。立ち上げ時はサービス提供モデルとかについて韓さんに相談したんですが「それは君が一番詳しいと思う」と究極のワンフレーズコーチングを受けまして、自分で自由に決めながら今の部署の基礎を作りました。
業務の可視化・課題抽出から、現場と一緒に解決策を検討・実装するまでお客様に伴走する、コンサルティングサービスを提供しています。
具体的には、まず現場ヒアリング。現場の人って、非構造化された思いの丈をバーッと喋ってくれるので、それを構造化して課題や打ち手を探っていきます。見えてきたものをマネジメント層に報告しつつ、「御社にとって最適な解決策はこういうものですよ」と提言していくサービスですね。1案件につき大体2〜3ヶ月のスパンです。
調査した上でお客様にとって最適なのがCBO(クラフトバンクオフィス)であればもちろんCBOの導入をおすすめしますし、そうでなければ他の解決策を検討するなど、いろんな方法でサポートしてます。こういう「フラットな目利き役」としてクライアントの業務効率化に加われるのは、クラフトバンクのいいところかなと思います。
各サービスベンダーは自社サービスの機能や競合優位性などを説明することが多いですが、お客様の業務が複雑だと「そのサービスが自社にとって最適か」を判断できない場合があります。我々はコンサルを通じて《お客様にとっての判断軸》を毎回個別に用意しているので、各ベンダーのスペックと自社の適合性をしっかりと公平に比較できるんです。
コンサル費用も、大手ファームの1/2〜1/3で提供できています。ただ、安かろう悪かろうではなく、私は大手ファームと同レベルのサービス水準を目指してサービスを提供しています。まあ建設業に特化してこのコスパ感でサービス提供できているのは、ウチだけなんじゃないでしょうか。
お客様にとって出会ったことがないサービスだからこそ、プロジェクトの中盤~終盤になると「これもやってほしい」「ここに困っている」と追加の引き合いをいただくことも多いです。本当の意味で、クライアントのためになってるなって実感がありますね。
無謀な「前年比10倍目標」も腕の見せ所
資金調達や会社の成長をどう見ていますか?
資金調達により、投資家の皆さんからの成長に対する期待・プレッシャーというものは当然あると思っています。大きなお金を預けていただいている以上、しっかりと成長しなければならないけれど、投資額を考えると普通の成長ではダメで。非連続的な、より難易度の高い成長を求められてるんですよね。
だから目標設定もなかなかですよ。ウチの部署の前期の目標は売上1800万の売上でしたけど、今期は10倍の1.8億。それで来期は12億で、その次が40億ですって。流石にその増え方は、韓さん馬鹿ですか?って感じですよ(笑)。
正直「無理じゃん」って思うこともあります。でも、この無茶ぶりをどう実現していくかが僕らの腕の見せ所だとも思っていて。しんどいんですけど、これはこれで自分のスキルアップの機会なのかなって思ったりもします。
直近の課題はメンバーの育成ですね。プロフェッショナルファームではみんなコンサル経験があって基本スキルを持ってましたけど、クラフトバンクではコンサル未経験のメンバーと一緒に、一定の品質を担保する必要があります。
そう考えると、メンバーはメンバーでコンサルタントとして成長する苦労があるし、マネージャー以上は事業をどうスケールさせるかを考えるフェーズなのかな。個人のスキルアップは当然ですが、今後は会社として「面」で立ち向かっていくべきタイミングが多くなると思います。
これからやっていきたいことは?
まずは無茶な目標にチャレンジしたいです。1.8億から12億がムズいと思ってるんですけど、達成させに行きます。
ちゃんと利益を上げる組織になったら、そこで得た資金を投資してもらって、新たなサービスを立ち上げたいんです。当初の転職理由である「ゲームチェンジャーになるような業界横断改革」をしたいので。
最終的には、銀行間の決済システム「日銀ネット」とか、外貨送金の時に全銀行が使う「SWIFT」みたいな、業界にとってなくてはならないインフラシステムを作りたいと思っています。
そう考えたら今無理だと思ってる40億なんてただの通過点ですね。クラフトバンクを年間で100億、1000億を売り上げるインフラサービスの会社にしていかないといけませんから。
建設業界の中には、システム化する業務・領域も共通化する場所も、いくらでもあると思います。どこにベットするのが良いかの仮説立てと検証を、来期でやっていきたいですね。
この夢は公言しているので、韓さんからずっと「プロダクトの構想できた?」って言われ続けています。早いところ見通しを立てないといけませんね。そんな簡単にできねーよ!とは思っていますが(笑)。
最後に、読者へメッセージをお願いします
クラフトバンクはCBOというサービスを持っていますが、コンサル後のソリューション提案ではそこに囚われず、クライアントにとって本当に良いものを考えて提供できる強みがあります。
CBOに機能が足りていないなら、真摯に受け止めてプロダクト側にフィードバックをしていますし、世の中に存在しないけど確かに必要なものがあれば、プロダクトとして企画して作ってしまうのも良い。
本当の価値を提供するために、本気でクライアントのことを考えて動ける。そういう自由度を活かせる人と一緒に働けたらいいなと思います。
大手コンサルティングファームだと、ジュニアメンバーは資料作成だけ任されるというのもよく見かけますが、クラフトバンクではクライアントへの説明なども早い段階からお願いしています。私の持っている知識やスキルは具体的にめっちゃ教えますし、ビジネスマンとして成長できる場所かなとも思います。
お客様のために考えることが好きな人。コミュニケーションを通じて、本当に価値のあるものを手渡したい人。非連続な成長の先で、業界全体に大きな変化をもたらすインフラシステムを形にしてみませんか。
(執筆・撮影:青柳ゆみか https://x.com/aopan_na )