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翔空会の原点~子どもたちと共に歩んできた物語~
ルーツの物語① 原点は、ひとつの出会いから 私が福祉の道に足を踏み入れるきっかけとなったのは、大学卒業後に携わった児童養護施設での経験でした。最初は右も左も分からず、子どもたちの前に立つ自分に自信もありませんでした。それでも、日々の生活の中で子どもたちと向き合ううちに、彼らの笑顔や涙、そして不安や孤独に触れるようになりました。その一つひとつが、私の心に強く刻まれています。 ある日、夜遅くに泣いていた子がいました。理由を聞くと、「どうせ自分なんか、誰も必要としていないんだ」とつぶやきました。その言葉に、胸が締めつけられるような思いがしました。小さな身体で背負ってきたものの重さに気づき、私は...
翔空会の原点~子どもたちと共に歩んできた物語~
第2回:小学校の先生になりたいと思った日私の子ども時代を振り返ると、学校の担任の先生との出会いにとても恵まれていたと思います。その中でも、特別に心に残っているのが小学5、6年生の時の担任・吉澤先生との出会いです。4年生までの私は、「どうか吉澤先生が担任になってくれないかな」と密かに祈っていました。そして5年生になった春、その願いがかなって吉澤先生が私の担任になったのです。嬉しくて仕方がありませんでした。忘れられない出来事があります。5年生の時、楽しみにしていた林間学校を目前にして、私は不運にも骨折してしまいました。「もう行けないかもしれない」と落ち込んでいた私に、吉澤先生はこう言ってくだ...
翔空会の原点~子どもたちと共に歩んできた物語~
第1回:父から学んだ厳しさと温かさ私は昭和49年、福島に生まれました。父母と2歳下の妹、4歳下の弟の5人家族。いわゆる「長男」として育ちました。今振り返れば、この「長男である」ということが、後の私の生き方に大きな影響を与えているのだと思います。父は学生時代、高校では柔道を、大学ではラグビーをやっていた体育会系の人でした。卒業後は〇〇〇という会社に就職し、その後は実力を認められ、着実に出世を重ねていきました。家では厳しく、特に私には人一倍きびしい態度をとっていました。当時の私は、父に近づくのが怖く、半径1メートル以内に入ることもできませんでした。しかし、父が52歳で病に倒れ、あっという間に...