私たちトレノケート株式会社は、"世界を変える「人」を育てる" をビジョンに掲げ、創業より約30年にわたり、IT人材の育成に尽力してきました。1,500を超える研修コースや自主学習教材を取り揃え、企業や個人の学びを支援し続けています。
今回は、研修講師部門「ラーニングサービス本部」の本部長として活躍する蔦田 哲也 に、IT研修講師のキャリアパスについて語ってもらいました。
エンジニアとしてのキャリアとは異なる「教える仕事」には、どのような可能性があるのか?
研修講師としての成長ややりがい、そしてこれからの展望とは?
「講師」のキャリアに興味がある方は、ぜひご覧ください!
【プロフィール】
蔦田 哲也(つただ てつや):トレノケート株式会社 ラーニングサービス本部 本部長。
銀行系シンクタンクでシステム開発・マネジメントを経験後、2008年にトレノケートへ転職。研修講師、マーケティング部門を経て、現在は研修講師部門の統括を担う。
ーーまずは、蔦田さんご自身のこれまでのキャリアを教えてください。
新卒で銀行系シンクタンクに入社し、システムの企画・開発から導入・運用まで幅広く経験しました。現場で実務を5年ほど積んだ後、マネジメントへとシフト。最初は3人規模のプロジェクトを任され、売上や利益管理にも携わるようになりました。
そこからさらに経験を重ね、最終的には50人の部下、パートナー企業を含めると1000人規模のプロジェクトをまとめ、大規模システム開発を推進しました。
十数年にわたってシステム開発に携わる中で、「これから自分はどうキャリアを積んでいくべきか」と考えることが増えてきました。そんな時、たまたま当時の部署に配属された新人が受けていた研修を目にする機会があり、その研修を提供していたのが、現在のトレノケートの前身であるグローバルナレッジネットワークでした。
研修の成果発表会で、受講生が堂々とプレゼンしている姿を見た時、「こんな短期間でここまで成長するのか」「人を育てる仕事って面白そうだな」と感じました。そこから『教育』という分野に興味を持ち始め、最終的に転職を決意したんです。
ーー トレノケートにジョインしてからは、どのようなキャリアの変遷をたどってきたのでしょうか?
2008年にトレノケートへ入社し、まずはプロジェクトマネジメント分野の講師としてスタート。その後、研修サービスの企画・拡販を担当するマーケティング部門を経て、現在は研修講師部門「ラーニングサービス本部」の本部長として組織を牽引する役割を担っています。
現場・企画・組織運営と、多様な経験を活かしながら、人材育成に携わることができる今のポジションに大きなやりがいを感じています。
キャリアの道は多彩!研修講師の昇進ステップ&役割の変化
ーー 「ラーニングサービス本部」とは、どんな部門ですか?
トレノケートが提供する人材育成サービス全般を担う部門です。
「こんな学びの場が必要だ」「今の時代に求められるスキルとは?」といったお客様の声を集約し、集合研修、オンライン研修、eラーニングなど多様な教育サービスを企画・開発・実施しています。
そして、それらのサービスを確実にお客様に届けるための運営・サポート部門も本部内にあります。
例えば、教室やテキストの手配、オンライン研修環境の整備(Zoom設定、テストID発行など)、eラーニング受講環境の準備など、講師や受講者が安心して学べるよう、事前準備から当日運営までを支えています。
"「講師」と「サポート」が一体となり、質の高い教育サービスを届ける"、これが、ラーニングサービス本部の役割です。
ーー特に本部内で、講師部門での役職や、それに伴う役割の変化を教えてください。
はい。講師部門にはメンバー・リーダー・部長・本部長と、成長に応じたポジションがあり、研修の実施から、組織全体の運営へとステップアップしていくキャリアパスがあります。
▶ メンバー(講師)
研修の実施、企画・教材作成を担当し、教育サービスの根幹を担います。技術領域を深めつつ、教えるスキルを磨いていきます。
▶ リーダー(チーム統括)
専門領域ごとの講師チームを統括する役割を担います。専門性に加えて、マネジメントや事業視点が求められるポジションです。
・ 研修の方向性を決め、提供すべきコースをプランニング
・ お客様の要望に応じた研修のカスタマイズや提供の判断
・ チームごとの売上管理
▶ 部長(組織マネジメント)
複数のチームを統括し、組織運営の中核を担います。大きくは以下の仕事を担当しながら、より事業全体の成長を意識する役割になります。
・ 新しいサービスやコースの企画・投入
・ 新規提携先の開拓
・ 自部門ごとのコスト管理と利益コントロール
▶ 本部長(事業統括)
ラーニングサービス本部全体を統括し、会社全体の教育事業をリードします。
・ 組織全体の方向性の策定
・ キャリアパスや評価制度の設計
・ 給与・人事評価の決定
このように、専門性を磨きながら、事業を支える立場へとステップアップできる環境が整っています。
ーー多様なスキルを持つ講師の皆さんは、どのように評価や等級が決まるのでしょうか?
前提として、現在、評価制度や等級の仕組みはさらにブラッシュアップを進めており、今後もより良い形にアップデートしていく予定ですが、講師にはそれぞれ得意分野や志向性が異なるため、4つのキャリアタイプに分類しています。
- 研修の実施が得意な人(講師として研修実施に特化し、受講者の学びを直接支援)
- 教材開発が得意な人(質の高い教材を作成し、研修の土台を支える)
- コンサルティングが得意な人(お客様の課題をヒアリングし、最適な研修プランを提案)
- マネジメントが得意な人(講師チームを統括し、組織運営に携わる)
これらの4つのタイプごとに「等級が上がるにつれて期待される役割」を明確化し、8段階の等級を設定しています。
例えば、「研修の実施が得意な人」なら、講師スキルの向上とともに、より高度な分野の研修を担当できるようになったり、新人講師の育成を担ったりと、役割が広がっていきます。
一方で、「マネジメントが得意な人」は、チームを率いる立場へとキャリアアップし、組織の成長に貢献する道も選べます。
このように、「得意を伸ばしながら、自分に合ったキャリアを築ける仕組み」を整えています。
「やりたい」を仕事に!技術者の挑戦を全力サポート
ーー メンバーのキャリアや目標はどのように決まるのでしょうか?
メンバーのキャリア目標は、会社の期待と本人の希望をすり合わせながら、柔軟に決定・見直しを行っています。
半期終了時と年度末の年2回、定期面談を実施し、年間の目標を設定・振り返りながら、必要に応じて調整します。
このサイクルを通じて、「新たな挑戦」や「会社からの期待」をすり合わせ、納得感を持ってキャリアを築ける仕組みになっています。
また、公式な定期面談とは別に、チームごとの定例ミーティングや1on1を個別に実施し、細かな相談やフォローアップができる環境も整えています。
ーー目標達成に向けたメンバーのモチベーションを高めるために行っていること、意識していることはどんなことでしょうか?
まずは、成果や貢献を正当に評価するため、インセンティブ制度(※)を設けています。
例えば、新しい研修コースを開発した場合、開発コースの売上の一部の割合分がインセンティブとして受け取れます。
他には、研修の品質向上を目的に、受講者アンケートで高評価を得た講師や、研修実施回数に応じたインセンティブも設けています。研修は準備に時間がかかり、業務負荷も大きいため、多くの研修を担当した講師が正当に評価される仕組みです。
さらに、「やりたいことをやってもらう」という考えを大切にしており、講師の興味や挑戦したいことを尊重し、それが仕事につながる環境を整えています。技術者が関心を持つ分野は最先端技術や新しい取り組みが多く、結果的に個人の成長と会社の成長がリンクする形になっています。
また、技術者同士のつながりを広げる機会も積極的に支援しています。社外勉強会や技術コミュニティへの参加を業務時間内でも認め、知識の共有やネットワーク拡大につなげてほしいと考えています。
加えて、外部研修の受講費負担や専門書籍の購入支援など、学びを後押しする制度も充実させています。講師だからこそ、多様な技術に触れ、幅広い知識を深められる環境が整っています。
※インセンティブの内容は毎年見直しを行っており、当社規定に準じます。
「人の成長を支えるやりがい」個々の特性を活かし、より良い教育へ
ーー今後のラーニングサービス本部のビジョンを教えてください。
今後のラーニングサービス本部のビジョンは、大きく2つあります。
まず1つ目は、急速に進化する技術に対応し、学びのあり方をリードすることです。
技術だけでなく、インフラの発展も加速する中で、単なる知識習得ではなく、「どのように活用できるか」がより重要になっています。そこで、ユーザー視点で実践的に学べる環境を提供し、企業や個人が変化に適応できる学びの場を創り続けます。
2つ目は、デジタル技術を活用した新しい教育スタイルの確立です。
従来の大規模な研修だけでなく、eラーニングを活用し、個々のペースに合わせた学びを提供することで、より柔軟で効率的な学習体験を実現します。疑問があれば少人数の講師に質問できる仕組みも整え、受講者一人ひとりが最適な学び方を選べる環境を目指しています。
このような新たな学習スタイルへのニーズは年々高まっており、テクノロジーが教育の可能性を広げる中で、新たな学びの選択肢を提供する大きな一歩になると考えています。
ーー当社の講師として、どのような方が活躍できると思いますか?
そうですね、どんな講師として活躍するかは、その人の強みによって変わります。
大きく4つのタイプに分けてお話しすると、それぞれこんな特徴があると思います。
- コンサル型:「人の課題を解決したい!」という熱い想いがある方でしょうか。相手の話をしっかり聞きながら、適切なアドバイスを提供できる人が向いています。コンサルティングは一人では完結しないので、チームと連携しながら動けることも大切ですね。
- 教材開発型:とにかく技術を深く追求するのが好きな人です。「この分野をもっと掘り下げたい!」という探究心が強く、正確な情報を伝えることにこだわりを持てる方が活躍できると思います。
- 研修実施型:「教えることが楽しくて仕方がない!」と思える人ですね。研修では受講者と直接やりとりするので、コミュニケーションを楽しみながら学びを届けたい方にはぴったりです。
- マネージャー型:ビジネス視点を持って、「どうすれば事業が成長するか?」を考えるのが好きな人ですね。新しい研修企画を立ち上げたり、企業と提携して新しい価値を生み出すことにやりがいを感じる方が向いていると思います。
こうやってみると、講師といってもいろいろな関わり方がありますよね。
「自分はどこで活躍できるだろう?」と考えたときに、少しでもワクワクするものがあれば、ぜひ挑戦してみてほしい です!
ーー最後に、「講師」に興味をお持ちいただいている求職者の方へ、メッセージをお願いします!
講師という仕事は、本当に素晴らしい職業です。
一度経験すると、その魅力にはまり、長く続ける方が多い気がしています。
それは、「人の成長を支えるやりがい」をダイレクトに感じられるからです。受講者が新しい知識を身につけ、できることが増えていく姿を見ると、「自分の仕事が誰かの役に立っている」と実感できます。
人が成長することは、人生において終わることのないテーマです。それを支える仕事ができるのは、とても幸せなことだと感じています。
また、働く環境の良さも大きな魅力です。講師は教育や技術に熱意を持つ人が多く、チームの雰囲気も穏やかで、互いに支え合いながら成長できる環境があります。
さらに、ワークライフバランスの良さもポイントです。エンジニア時代のような納期や運用負担がなく、無理なく働きながら知識を活かし、スキルアップできます。
「自分にできるだろうか?」と不安を感じるかもしれません。同じように、私も講師未経験でした。
でも、私たちには、未経験から一人前になれる仕組みがあります。 講師としての第一歩を踏み出せば、新しい発見や自分自身の成長が待っています。
ぜひ、一緒に挑戦してみませんか? あなたとお会いできるのを楽しみにしています。