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ラクスル株式会社に入る前
父親が買ってきたPC(Windows95)によって、それまでの生活環境ががらりと変わる衝撃。学生時代にそんな大きな変化を目の当たりにして、コンピュータやWebやインターネットに興味を持ちました。大学では経営学を専攻しましたが、「ITと組織変革」をテーマにしたゼミに入り、ITを活用しつつコア・コンピタンス以外をアウトソースするスキーム(One to Oneマーケティングのアウト・タスキング)について研究しました。その中で、コールセンターというITと顧客対応を融合した業務が面白そうだと感じて、新卒で大手コールセンター受託運営会社に入社。オペレーターはお客様の声をダイレクトに聞ける、まさに会社の顔。顔の見えないお客様に対峙するというのは時にハイストレスでもありましたが、お客様から直接「ありがとう」と言ってもらえることが励みになって3年間オペレーターを勤めました。
一方、Web制作に携わる仕事がやりたいという気持ちが大きくなり、オペレーターをしながら半年間、休日にWeb制作の学校に通いました。修了したタイミングでWeb制作の会社に転職しようと思ったのですが、会社の厚意もあり、Web制作を担当する部署に異例の異動をさせてもらい、それが今につながっています。結局2年ほどその部署にいたあと、業務委託ではなく事業会社で仕事をしたいと思い、旅行のクチコミサイトを運営する会社に転職。そこでは約6年、Webサービスを作る楽しさを身を持って知り、大切な仲間との出会いもありました。今でもみんなから刺激を受けています。その後、電子雑誌出版社を経て、“ある人”からラクスルに誘ってもらったのがきっかけで、現在に至ります。
その“ある人”というのがラクスルのWebマーケを当時から担っていた淵野さん。彼とは直接的な仕事ではなく実はバスケを通じて知り合ったんです。当時勤めていた会社のグループ会社のバスケ部を創部したのが淵野さんで、私も小学生の頃からバスケをしていたこともあって、その部に参加させてもらい、親しくなりました。その後、先に淵野さんがラクスルに転職したのですが、フェイスブックなどでラクスルについて発信している投稿を見て勢いのある会社だなと思っていたところに、フロントエンドエンジニアを探していると声をかけてもらい・・・2016年8月で入社して丸2年が経ちましたが、気がつけばいつの間にかすっかり古株社員になっていました(笑)
現在
フロントエンドエンジニアとして、印刷ECやハコベルのHTML/CSS/JavaScriptの設計およびコーディングを担当し、ユーザー体験の改善や新機能や新サービスの開発をする仕事をしています。実際にサイトを見ている人だけでなく、クローラーなどマシンから見ても、どんなサイトかよくわかるようにサイト内の文章構造を組み立てたり、メンテナンス性や拡張性を意識して作っています。そのあたりがちゃんとしていなくてもWebサイトじたいはつくれますし、そこがそれほど厳格でなかったがゆえにインターネットがこれだけ普及したという側面もありますね。
家族やWeb制作に馴染みのない友達に自分の仕事を説明するときによく使うのが「大工」という例え。テキストエディタが鉋やトンカチのような道具で、HTMLが土台や柱。CSSは家の壁や屋根といった見た目やデザインにあたります。ホームページというくらいで、URLは住所。自分自身はインターネットという広大な土地に対してURLという住所を持つ家を建てる大工さんだと思っています。インハウスのエンジニアなので「宮大工」に近いですかね。企業の伝統と文化を後世に残していけるようにと思いながらサイトをつくっています。だから実は宮大工の本なんかも読むんですよ。本職はネットですが、リアルにヒントがあるんじゃないかと思って、そういうところからも仕事にいかせる気づきを探しています。
先ほど「ちゃんとしていなくてもWebサイトはつくれる」とは言いましたが、そうしてできたサイトはちょっと大げさな例えではありますが、言わば“違法建築”。そうじゃなくて、ちゃんと仕様やルールに沿って、メンテナンスや拡張しやすいサイトづくりというのを心がけています。建物だって、消防法とか耐震性とか、いろいろあるじゃないですか。Webサイトも同じなんです。
ラクスル株式会社について
これまで携わってきたのは結局Webだけで完結するサービスですが、ラクスルには“印刷物”というリアルな商品があります。また、コールセンターではお客様との直接のやりとりもあり「ネットとリアルを融合させる」というテーマに共感した部分は大きいです。ラクスルにはいろんなバックグラウンドを持つ仲間がいますが、大きなビジョンの実現を目指してみんなが同じ方向を向いているのがいいですね。(ラクスル代表の)松本さんがすごいなと思うのは、ネットからチラシを買うという行為の先にある“本当に求めている価値”を理解した上で、集客支援にまでサービスを広げているというところ。その会社としての世界観にすごく共感しています。
この2年で会社の規模もずいぶん大きくなってきましたが、会社の経営課題がオープンで透明性が保たれているので自分自身も経営課題を意識しながら業務にあたれますし、自然と会社のビジョンを達成するためにどうしたらいいかを考えています。エンジニアだからといって自分の業務範囲を限定せず、できることはどんどんやっていて、採用などにも積極的に携わっていますよ。採用についても、外から来る人にとてもオープンで、社員みんなが人事担当者だという意識を持っているという文化もすごくいいと思っています。自分自身が初めてラクスルに遊びに来たときにそれを好ましく感じたので、そういう文化はこれからも引き継いでいきたいですし、このオフィスにもみんなに気軽に遊びに来てほしいですね。積極的に友達をオフィスに呼んだり、フェイスブックに会社のことを投稿したりしているのも、すべては会社のビジョンに共感しているし、なにより会社が好きだから。自分が好きなものに対して周りの人が「いいね!」と言ってくれるとやっぱり嬉しくなりますね。
今後どういうことをしていきたいか
これまでを振返ると、常に「接点」や「つなぐこと」を意識してきたように思います。それはラクスル入社のきっかけである淵野さんとの出会いにもなり、小学生の頃から続けているバスケに通じていて、大きな原体験としては高校3年生の時。所属するチームがインターハイやウィンターカップに出場し、私は6番目の選手でした。バスケには“シックスマン”という言葉もあるように、レギュラーでもなく控えでもない“シックスマン”は、試合の流れを変えたり、メンバーの潤滑油になったりと、チームにとって重要な役割を果たします。だから、今後も自分がラクスルにとっての“シックスマン”でいたいな、と。そもそもラクスルじたいがネットとリアルの接点なのですが、例えばユーザーインタビューでお客様とサービスをつないだり、有志の「もくもく会」を開催してエンジニアと非エンジニアをつないだり、フロントエンドエンジニアとしてデザイナーとサーバーサイドのエンジニアをつないだり。お互いが気持ちをわかりあい歩み寄りながらつながっていけば、その先に明るい未来があると思っています。
そして、これまではひとりでフロントエンドを担当してきましたが、この数ヶ月でフロントエンドエンジニアとして新たな仲間が2名加わってくれました。UXやユーザー中心設計にはもともと興味があったのですが、ようやくチームができ、少し時間がとれるようになった分、これからはどんどんユーザーさんに会いに行き、ただサイトをつくるだけではなくて、実際に使う人のニーズやシチュエーションを理解して、そこから得た学びをサイト改善に役立てたいと思っています。「安さ」という価格面だけではなく、サービス全体として「ラクスルっていいよね」という声をもっと聞けるようにしたいんです。
採用もユーザーインタビューも今までやったことはありませんでしたが、たとえ失敗してもちゃんとそれを振返りそこから学びがあればよし、という会社としての文化があるので、ラクスルに入ってからは、不思議となんでも「やってみよう!」という気になるんです。「失敗してもいい」という気持ちが「やってみよう」という挑戦したい気持ちにつながるんだという気づきは、ラクスルに入って学んだこと。3歳の息子がいるのですが、「失敗してもいい」というスタンスで、息子がやりたいことを後押ししたり見守りたいなと。子育てにも通じることですね。スタートアップは変化も早く刺激的なぶん、大変なことも多いですが、会社も自分も成長しているのを感じられます。これからもやってみたいことにはどんどんチャレンジして、いいチーム、いい会社、いいサービスを作っていきたいと思います。