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ワンキャリアCTOの田中です。前職では、学生時代に自ら起業したスタートアップで事業開発と経営に携わっていました。2018年10月にワンキャリアへ入社してからは、内製開発体制の構築と、テクノロジーでHRを変革するというミッションを負って日々奮闘しています。
もともとワンキャリアはイベント運営を主軸として成長してきたこともあり、ビジネスサイドの牽引力が強い会社です。一方で、今後の会社の成長のために、テクノロジーで事業をスケールさせられる状態へと移行する必要性を皆が感じているタイミングで、私は入社しました。目下、ディレクター、デザイナー、エンジニアを含む技術開発部約20名(2019年8月時点)のメンバーを牽引し、この事業のスケールを阻害する技術的要素を排除していくことが私の役割です。
実は、ワンキャリアが開発を内製化したのはつい最近、私が入社した頃からの話です。この記事では、学生時代に起業して何をしてきたのか、それから、その後のキャリアとして私がどうしてこのワンキャリアの開発組織をほぼゼロから築き上げるフェーズに関わるということに興味を持ち、入社を決断したのかをお伝えできればと思っています。特に自身のキャリアについて考えている開発ディレクター、デザイナー、エンジニアの方々に読んでいただきたいと思って書いていきます。
<1>現在の田中の役割
就職クチコミサイト ONE CAREER (https://onecareer.jp/) は2013年の公開時から徐々に規模を拡大し、直近ではMAU(月間アクティブユーザー)が100万人、年間1億PVのアクセスを集めるサービスとなっています。公開当初からつい最近に至るまで、「納品のない受託開発」というコンセプトを掲げているソニックガーデンさんを中心にこのサービスの開発と運用を進めてきました。
Rails受託開発のスペシャリストとも言える彼らがシステムの育ての親のような役割を果たしてきたのですが、ビジネスのスケールに伴って開発力もスケールさせることを考えると現在の体制では難しく、ワンキャリアのシステムも親離れの時期を迎えたと我々は判断しました。こうして2018年の4Qあたりから本格的に開発の内製化をすすめています。
私のCTOとしての役割は、内製の技術開発部のチームを作っていきつつ、経営的観点を持ちながら下記の課題に取り組むことと言えるでしょう。
- テクノロジーとプロダクト開発で差別化要因を作っていくために必要な仕込み
- 3〜5年後、業界に変化を巻き起こす核となる技術分野の研究開発を俯瞰的・戦略的に進めていく
- 1〜3年後、技術的に問題になる箇所を先回りして解消するように仕向ける
- リファクタリング/技術的負債の返済を進め、将来の障害を排除しておく
- もみほぐし担当
- ハードルにぶつかって膠着した開発案件に風穴ぶち開けて進められるようにする
<2>田中の来歴と軸足
ワンキャリアへ入社しようという決断には私の経歴が少なからず影響していると思うので、簡単に経歴を紹介します。
※写真:一番左が私です
※写真:実家の庭
▼経歴▼
1、1学年7人前後という北陸の小規模校で中学までを過ごす
・山を走り回り、川で魚獲ったりしてすごした
・ゲームにも没頭した挙げ句ゲームを作りたくてプログラミングを始める
2、県内の進学校に入学し急に同級生が360人になって驚く
・だいたい部活(テニス部)かコピーバンド(ベース担当)ばっかりしていた
3、大学進学のため東京へ(また人の多さに驚く)
・学部・学科選択(進振り)で悩んだ結果、もともとやっていたプログラミングを活かす情報系へ進
4、学部卒業直後、Mist Technologies 株式会社を設立する
5、修士課程修了後、アドウェイズに買収される
・しばらくアドウェイズグループの新規領域グループでジョイントプロジェクトを進める
6、ワンキャリアへJOIN
私は幼少の頃から理由・理屈に非常に敏感だったと思います。事あるごとに「なぜ」と聞くし、どういう仕組でモノが動いているのかを知りたくて、チャンスが有れば何でも分解していました。たまごっちも、PCも、クルマのブレーキも、ソースコードも分解・リバースエンジニアリングして育って今に至ります。物事をプリミティブまで分解し、逆に0から組み立てていくことが好きで、この好きだという事実には好きという以外の理由は無いと思っています。
※写真:スバル車のブレーキを自分で分解整備した
それから、多くの男子は心当たりがあるかもしれませんが、無人島で生き延びる術とかサバイバルとかいうものにワクワクを感じていた点は私も例に漏れません。人は本能的にゼロからイチを作り出すプロセスにワクワクを感じるものだと思うのです。(そんなことないと思う人はこれでも見てみてください https://www.youtube.com/channel/UCAL3JXZSzSm8AlZyD3nQdBA)
現代社会は分業が進み、プログラミングはオブジェクト指向全盛。個々人の関心の対象範囲は自分の担当領域に絞られていく世の中ですが、今思えば担当領域に拘らず何でもバラしてゼロからイチを作る私の生き方は幼少の頃から時代の流れと逆行していたのかもしれません。
<3>起業
これは突然やってきました。なぜ起業したのか。基本的には衝動です。たまたま人と環境に恵まれたという要素もあります。この会社では、P2P技術を応用した大容量コンテンツの最適配信を実現するプラットフォームと、それを応用した動画配信関連ソリューション事業の開発に取り組んでいました。P2P技術を使い、クラウドよりも分散したエンドユーザー端末のコンピューティングリソースを活用し、価値を生む。そういうわけでMist Technologiesです。クラウド全盛期の次を作るという夢を掲げて立ち上げた会社です。
自分のスキルを活かしてものづくりをしたいと考え、大学の同期とディスカッションをしているうちに事業アイデアが浮かびました。私は大学の研究室でコンピューターネットワークを専門に学んでいたこともあり、この分野にある程度の知見がありました。それに優秀な共同創業者が加わり、事業化を支援して下さる投資家やアドバイザーの後押しも大いに助けになりました。ものづくりをしたいというライフワークと、仕事と夢が一致し、起業を思い立ったらあっという間に法人化していました。
※写真:Mist社を設立し、動画コンテンツ配信の最適化シミュレーションをしているところ
ゼロからイチを作り出すべく、代表として資金調達、株主とのやりとり、買収交渉、営業、事業計画など必要なことは周囲の人にアドバイスしてもらいながら、何でも担当していました。開発を仕事にできることが嬉しく、開発はもちろんずっと自分も関わっていました。
起業に際して不安がなかったのかという問いに対しては、ほぼ無かったと言えます。学生の身分でありながら起業することは、社会人力が足りないという以外にはほぼノーリスクだと思っています。むしろ事業化に失敗してもなお、その失敗経験を買ってくれる人はきっといるという打算もあり、チャレンジに踏み切りました。
※写真:東京大学内のインキュベートオフィス
※写真:Mist社で参加したKDDI無限ラボのブース展示
起業から3年経ったころ、ある程度開発が進み動画コンテンツの配信ソリューションという事業シードが出来つつありました。会社の従業員数は5名で、自分を含め4〜5人がエンジニアという、エンジニア中心の会社でしたし、私自身もそれまでもその先も自分で手を動かして開発に関わっていたいという思いを持っていました。一方で、事業をつぎのステップに進めるためには、ビジネス側の組織づくりも必要となってくるため、私は開発を一旦退く必要があるのかと悩んでいたと記憶しています。
その悩みに対する一つの答えとして、我々はこのタイミングでM&Aによりアドウェイズの傘下に身を置くこととなりました。アドウェイズという大きな会社の営業やビジネスのアセットを活用させていただきながら、チームが引き続き技術開発に注力し続けられるような形となりました。
この後、グループ会社とのジョイントプロジェクトに関わることになったのですが、私はここで事業のスケールに対する組織の重要性に気付かされました。0→1フェーズが非常に面白いことは間違いないのだが、その先にも大きな壁があり、ここを乗り越えるのは少数の力だけでは難しい。組織の力を活かして事業にレバレッジを掛けることが、より大きなインパクトを社会に与えていく上で重要だというあたりまえの事実にはじめてワクワクしました。
<4>なぜワンキャリアなのか
開発組織立ち上げフェーズにあるワンキャリアになぜ私がJOINしたのか、それはより大きな「イチ」を作るためのスキルセットを身につけるためです。規模の小さな組織が打ち出せる社会的なインパクトと規模の大きな組織が打ち出せるそれとは大きく異なることを見てきました。そのうえで、その組織の一部となるよりも、組織を作ることで0→1の再現可能性を学びたいと思うようになりました。そのチャレンジにおいて、ワンキャリアに現在のフェーズから関われることは非常に興味深いです。
ほかにも、ワンキャリアではHR業界の付加価値を新たに作っていくことができるのではないかという節があります。というのも、HRの市場は現時点で非常に安定的な市場だと言えるのですが、まだ科学とかテクノロジーが十分に行き渡ってはいないと考えています。例えば、採用において候補者と採用したい側のチームのマッチングを考慮して選考を進めていくとき、選考の精度は究極的にまだ多分に選考担当者の「人を見る目」という曖昧なスキルに依存していると思います。このスキルはある程度経験によって伸ばすことができるものかもしれませんが、選考担当者の経験がバイアスとなり、必要以上に結果に影響を与えるケースも少なからず見かけます。
人のキャリアという不確実性の高いものに向き合う事業であるため、テクノロジーでHRを変えるというのも非常に難易度の高い課題ですが、その一方において、よりメタで高次元な情報を効率よく処理するための技術的土壌が整いつつある状況です。こういったテクノロジーは、例えば人にとっての経験則のようなものを、データを用いてロジカルに実装することを可能にするものだと私は考えます。HR業界において、経験による学習を加速する手段としてテクノロジーを活かすことは十分に可能だと考えています。その流れに乗るようにして、ワンキャリアは現時点で新卒就職活動における多彩なデータを蓄積してきました。このデータの洪水の中から価値ある情報の結晶を得るための技術、それを応用して新時代のキャリアとの向き合い方を提案していくために、私はワンキャリアへの参画を決めました。
とは言えこの業界には先行の事業者も多々あり、困難な道です。この道を一緒に切り拓く仲間には、こう伝えたいです。もし再生産になっても構わない。その過程で必ず先人の知恵に気づき、独自の工夫の着想が得られる。再生産をする覚悟がない者に、より良いものを作るきっかけは与えられない。
とりあえず、面白そうだから一緒に作ってみようぜってことです。
<5>ワンキャリア技術開発部のウリ
というわけで、一緒におもしろそうなもの、社会を変えるサービスを作っていく仲間を探しています!
就活を軸にした生きたデータ(クチコミ、ES・体験談など自然言語系データが面白い!??)がたくさん(数十万件以上)あります。これをどう料理するかはあなた次第。MAUも100万, PVは年間1億超を捌く程度の規模の実働サービスなので、相応の責任とやりがいがあると思います。
ほかにも、組織面でいうと、規模もルールも発展途上なので、要望が受け入れられやすいです。CTOや経営陣の近くで働けるところも魅力になるかもしれません。いずれにせよ、提案が妥当な限りCTOが全力で応援します。残業は少ないです(実績)。
<最後に>こんな人と一緒に働きたい
特に
- 自分の守備範囲を決め込まず、領域侵犯できる
- 正しく確実に課題認識をする
- ローコンテクストな会話も可能
な方とは是非一緒に仕事したいです。良い課題認識が良いエンジニアリングを生みますし、エンジニアリング無きテクノロジーは机上の空論止まりで社会に価値をもたらせません…もちろんこれは所謂「エンジニア」に限った話ではなく、デザイナーにもディレクターにも言えることだと思います。逆に、課題認識が疎かで、かつ一般的なフレームの内側でしか仕事をしない人、彼はもしかすると「プログラマ」かもしれませんが「エンジニア」になり得ないと思います。
あと、何でもいいから極めた人。例えば体育会系でも、文化系の道でも、身体や道具をより良く使うために工夫をした経験がある人。何かを成し遂げるには時間がかかることを体感している人。もし弊社の面接に臨まれる場合は、私は「なぜ」の部分をよく聞くと思いますので、よろしくお願いいたします。