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お子さまの発音などの困りに対してチームで専門的なアプローチをしていきたい。言語聴覚士の僕が、LITALICOジュニアで働くことを選んだ理由。
LITALICOジュニア指導員 齊藤 (さいとう)
言語聴覚士の養成校を卒業後、病院勤務を経て児童発達支援・放課後等デイサービス事業所で勤務。 2019年に株式会社LITALICOに入社。現在は、教室開設・運営サポートグループに所属し、関東の複数拠点でお子さまの発達支援に従事。
PT=理学療法士、 OT=作業療法士、 ST=言語聴覚士といえば、医療や福祉の分野で重要な役割を担っている専門職の1つ。
これまで病院などの医療機関や、介護施設などの成人向けの福祉機関を主な活躍の場としていたPT OT STですが、最近では児童福祉分野でもその活躍が期待されています。
LITALICOジュニア(https://junior.litalico.jp/)では、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、お子さま一人ひとりに合わせた支援を提供する教室(児童発達支援や放課後等デイサービスなど)を運営しています。
この記事では、LITALICOジュニアの教室で活躍するPT OT STの声をお届けします。
今回紹介するのは、病院勤務、大学院での研究を経て、現在 LITALICOジュニア 教室開設・運営サポートグループ 所属の指導員として活躍している ST(言語聴覚士)の齊藤です。
声の仕組みってどうなってるんだろうってことが気になっていたんです
―この分野に関心を持ったきっかけを教えてください。
ずっとピアノを習っていて、どうして音は聞こえるんだろう、声の仕組みってどうなってるんだろうってことが気になっていたんです。最初は工学的に音を分析したりすることを考えていたのですが、第一志望の大学の受験に失敗してしまって、滑り止めで受けていた大学に言語聴覚士の学科があることを知りました。よくよく調べたら、声の治療の領域などもあるので、自分が好きそうな分野にも関われると思って選びました。当時はまだ、明確にSTを目指していたというわけではありませんでしたね。
―面白い動機ですね。音や声自体に関心があったと。学生時代はどんなことを学ばれていたんですか?
大学では主に声の障害について学んでいました。たとえば、声がかすれ過ぎていたり、つぶれてしまったりして、普通に話しても声が聞き取れない感じになってしまう方など、そういった障害に対するアプローチですね。音声の分野を学び始めてからはこれが自分がやりたい分野だという実感がありました。
―大学卒業後は、一旦病院に就職されていますよね。病院ではどんなお仕事をされていたんですか?
地元の札幌市内では、音声の分野の治療にSTが関われる病院が少なかったのですが、たまたまその分野をやっていた耳鼻科があったので、そこに就職しました。その病院では、たとえば聴力の検査をやったり、実際に補聴器をされている方を対象に補聴器がちゃんと機能しているかの測定をしたり、そういった業務を中心に取り組んでいました。
それまでは、お子さまと関わるのは苦手だと思っていました
―病院でSTとして働く中で、児童発達の分野に関心を持ったきっかけを教えてください。
実は勤めていた耳鼻科がたまたま子ども教室みたいなものをやっていたんです。そこで、発達障害や言語障害のお子さまをみる機会がありました。元々末っ子で自分より年下の子と関わる機会がなかったので、それまでは、お子さまと関わるのは苦手だと思っていました。(笑)でも、実際に関わるとお子さまの成長を見られるのは楽しいなと思いました。
―お子さまに苦手意識があったというのは意外でした。(笑)病院でたまたまお子さまと触れ合う機会があったことが今のキャリアに繋がるんですね。
そうですね。その後、病院を退職して大学院に進学したんですけど、実家近くの児童発達支援の教室に関わる機会があって、それが大きな転機になりました。大学院を卒業する頃には、札幌を出て、「児童発達の仕事をしよう」と決めていました。
―LITALICOとの出会いを教えてください。
「児童発達支援 言語聴覚士」みたいなワードで検索したら、LITALICOの求人がでてきました。HPを見て、直感的に「ここだ!」って思ったんです。HPに掲載されていた教室の写真がとにかく明るくて可愛らしくて、他の事業所を比べてみても、全体の見た目から細部のデザインまで、すべてがお子さま目線でつくられていることに感動しました。地元で見てきた事業所は室内も間借りの環境だったので、細かいところまでホスピタリティーが行き渡っているのが素晴らしいと思いました。なので、あんまり職場を探す苦労はなかったですね。
―LITALICOに転職する際に不安や迷いはなかったですか?
そうですね。やっぱり不安はありました。「自分の専門性ってどこまで活かせるんだろう」とか。PT OT STなどの専門性をどうやって児童発達の分野で活かすかという課題は、LITALICOジュニアだけでなく、全国の事業所が抱えていると思うのですが。まわりにその分野で働いているSTの先輩もいなかったので、自分がこの環境に飛び込んだ時にどうなるかってのは予測がつかなかったですね。
じっくりお子さまと向き合う時間がある環境の中で、ちゃんと根拠にもとづいて、ひとりひとりのお子さま支援を考えられるようになった
―実際にLITALICOで働いてみてどうですか?
お子さまに対する指導力という点では、入社前に比べて各段に上がったかなと思います。以前、児童発達の施設でアルバイトをしていた時は、お子さまと関わる時間が個別に15分程度しかなくて、やりたいと思っている支援を中々やりきれないところもあったのですが、LITALICOジュニアでは、じっくりお子さまと向き合う時間がある環境の中で、ちゃんと根拠にもとづいて、一人ひとりのお子さまの支援を考えられるようになったかなと思います。
―STとして現状に感じる課題感や、これから挑戦していきたいことなどはありますか?
そうですね。まさに今、苦戦しながら、取り組んでいるところでは、他の指導員や保護者さまに専門的な視点から情報共有をする時に、情報量のバランスを考えることでしょうか。アドバイスを求められるとそれに応じなくてはいけないんですけど、たとえば、それがあまりに専門性が高すぎると、なかなか真意が伝わりづらかったり、自分は実施できても、他の先生では再現できないということになってしまいます。支援の理想を100%追い求めるのであれば、専門性をフルで活かすのがベストだと思うのですが、チームで支援をしていく上で、専門性を活かすためには、まだまだ体制を整えていく必要があると感じています。
―個人の専門性をいかにチームとしての支援に落とし込んでいくかは難しい課題ですね。個人としてのキャリアの展望などはどのように考えていますか?
今後、社内にSTの方々が増えてきたら、STのチームをつくって事例の検討会などができたらいいなと考えていました。たとえば、LITALICOジュニアの中でニーズの多いお子さまの発音などの困りに対して、チームで専門的なアプローチができたらいいなと思っています。社内のキャリアとしては、支援の専門性を伸ばしていくスーパービジョンコースでスーパーバイザーになることを目指しているのですが、人と同じことをするのは好きじゃなくて。(笑)なんか新しいことや、誰もやってないことをやりたいという気持ちがあるので、コースにとらわれないで、色々挑戦できたらなと。
―いいですね。(笑) 社内での専門職人材の活躍の幅をどんどん広げていって欲しいです。最後に児童発達の分野への転職を検討されているSTの方へメッセージをお願いします。
難しいですね。(笑)病院で勤めていた時、発音の訓練などでお子さまと関わる機会はあったんですけど、今考えると、あの時に出会ったお子さまは、他の発達障害などもあったのかなと、LITALICOに入社してから思うことがありました。そうした細かい背景や要因については、LITALICOジュニアが指導する際に活用している応用行動分析をベースにお子さまを観察して指導をしていく中で見えるようになってきたことが大きいと思います。LITALICOの中で、応用行動分析を活用してお子さまを支援するという経験があると、たとえば、他の医療の現場などでSTを勤める場合も、手だてや介入の幅はすごく広がると思いました。
僕は具体的に先の見通しを考えることはあんまり得意じゃないのですが、入社してから今までの2年は、自分の支援の質を上げていくというフェーズに取り組んできたので、次の先のステップとしては、間接的にチーム全体の支援の質を上げていくために、他の先生のサポートやチームのサポートをどんどん担っていきたいなと思っているので、また、新しい仲間とぜひ一緒に働けるのを楽しみにしています!
※応用行動分析学(https://h-navi.jp/column/article/632)とは、発達障害がある子どもの療育においてベースとなる考え方のひとつにあるものです。行動の前にはきっかけがあり、行動の後には結果があります。そこで、行動する前と後に、効果的な工夫をすることで社会生活上の問題を解決していこうという学問と実践のことを指します。