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こんにちは!
カスタマーエンゲージメント本部長の最上あす美です。
私は2020年8月現在、インサイドセールスとカスタマーサクセスを統括しています。
カオナビには「仮説思考」「仕組化」「シンプル」という3つのバリューがあります。
現在、私は2つのグループをマネジメントする立場ですが、2015年にカオナビへ入社した当初は、体育会系出身ということもあってか、根性論で何とかなると思うタイプで、とてもカオナビのバリューを体現しているとは言えませんでした。
しかし今振り返れば、入社後、このバリューを徹底的に叩き込まれたことが、その後の自身のキャリアアップにつながったと感じています。また企業としてもこの5年で大きく成長しながら、平均残業時間は8分という、かなり効率的な働き方が文化として根付いています。
今回は、自身のキャリアアップと組織の成長と働きやすさを形作ってきたカオナビのバリューについて私の経験からお話ししていきます。
常に問われ続けた「なぜ?」――必要性を問われ植え付けられた「仮説思考」
バリューの1つ目である「仮説思考」。これは私が最も苦手としていたことでした。
日本人はマーケットインで企画していくというのが多くの会社で採用されていると思いますが、カオナビでは、プロダクトアウトからはじめます。この「世の中に必要だからやる」という意思決定は、PDCAで言えば「Plan」を作る能力がないと実現できません。情報がない中でも、仮説思考で「Plan」していくことが求められるのです。
私が入社したときは「インサイドセールスチームを立ち上げる」というゴールだけがあって、そこに向かうまでのステップが何もない状態でした。ゴールに向かうためには、適切なステップを作っていく必要があり、仮説思考で「Plan」する能力が求められました。
そんな時に取締役副社長である佐藤から「なぜ」と問われ続けるということを経験します。
例えば、導入を見込んでいるお客様に導入事例の紹介DMを送る際もそうでした。当時はDMのタイトルひとつ取っても「何百字もある文章のなかで、なぜそれをタイトルにするんだ?」と問われますし、DMの中身も「なぜこの事例を選んだんだ?」「「1番上に載せるコンテンツはなぜこれを選んだんだ?」と、あらゆる場所で「なぜ」を突き付けられました。
私はもともとロジカルな思考が苦手で、感情や根性論で動くタイプでしたので、その問いに最初はまったく答えられませんでした。そして、今度は「自分は何となくこれがいいと思ったから」という主観的な説明をして、で再び差し戻される日々でした。
しかしある時、気づきます。ここで佐藤が問うてたことは実はとてもシンプルで「誰にどんなアクションをさせたいと考えているのか」「そこから施策が組み立てられているのか?」ということなんだと。
多くの人はDMを送る、電話をかけるといった行動を目的にしてしまいがちですが、自分にはもっと上流の目的を考えることを求められていたことに気づきました。その意味がわかったことからで、徐々に仮説思考が身についていったと感じています。
マネージメントをする立場になってからはさすがにこの粒度の指摘は減りましたが、今度はレポーティングの際に「なぜ」を問われるようになります。
ある時、インサイドセールスの成長率が踊り場にきていました。リードの増加率と比較すると、商談化率は増加していない状態が続いていたいのです。その時、再び佐藤に「なぜ成長率が鈍化しているのか」と尋ねられた私は、当たり障りのない答えをしてしまった。それでは当然ダメです。この佐藤の質問の意味は単に原因の追求ではなく、「インサイドセールスはその後、どんな対策を取るんだ?」という次の「Plan」を示すことだったんです。
そこで私たちはお客様を細分化し、顧客セグメントに応じて細かく施策を分けていくことを決めます。案件化につながらず滞留しているゾーンのお客様に提示できるコンテンツを企画したり、定期的にコミュニケーションが取れる手段を増やしたりすることで、ナーチャリングの手法をより磨き込んでいきました。
カオナビでは仮説思考を担保できる傾向やデータが求められます。それがある程度ずれがないようなら、やってみようというというカルチャーがあります。平たく言うと「まずはやってみよう!」という状態です。私たちが新たな企画をしている間にも、お客様の意思決定は進んでいます。企画に時間をかけすぎるのではなくとにかく早くスタートしてみて、そこで得られたものを組み込んでブラッシュアップさせることを求められるのです。私もマネジメントする立場としては現場のメンバーが考えたことを怯むことなく発言できるよう、雰囲気づくりを心がけてますね。
目的をブレさせず、余剰を残すことで再現性の高い「仕組化」を実現
続いて2つ目のバリュー「仕組化」についてです。カオナビにおける「仕組化」は、業務における属人性を排除し、再び誰がやってもできる再現性がある状態にすることです。私と一部の人間で作ってきたインサイドセールスの業務を、会社の成長と共にチームに昇華させる必要があったので、仕組化は必然のミッションでした。しかしこの難易度は思っていたより高かったと思います。私自身がルールやマニュアルを最初から考えられる人間ではなかったからです。
メンバーが増えるタイミングでSalesforceを導入したのも、その一環です。メンバーと話し合いながら、Salesforceにどのような項目があればお客様とコミュニケーションしながら現場のメンバーが入力ができるのか、案件の濃淡を判断するために必ず聞くべき項目は何か等、話し合いながら固めていきました。
こうした仕組みを整備する上では大切なのは、100%の完璧なものを求めるのではなく「最大公約数で良い」と割り切る思考です。案件化にインパクトが大きいところをフォローできる体制を整えることで仕組みもシンプルになり、徐々に良いものができていきました。
また「なぜそれをやるのか」という軸さえブレなければ、細部は変えていってもよい、という余白を残したほうが、ガチガチに決められたルールよりもメンバーが能動的に動いてくれるという発見があったことも大きかったです。そして余白を残すこと自体が、仕組化を常に最適な状態にアップデートしていく仕組みになっていきましたね。
このように「仮説思考」「仕組化」は、どちらも私にとっては苦労の末に手に入れたスキルでした。しかし逆に考えれば、カオナビのカルチャーの中で仕事を推進していくことによって、最短で手に入れられたスキルとも言えると思います。人によって得意不得意はあると思いますが、必ずそこに向き合えば多くの人ができるようになる、と思いますね。
次回は、カオナビの3つ目のバリューであり最も難易度のが高い「シンプル」についてお話ししたいと思います。
☆カスタマーエンゲージメント本部長・最上のほかの記事は下記より☆
「インサイドセールスを司令塔に!成長を牽引するカオナビのセールス戦略に迫る」