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2020年1月、freeeに再入社した坂本 航。かつて就職までのインターン先として働いていたfreeeを、転職先として選んだのには理由がありました。ここでは就職先で芽生えた自身のキャリアへの思いから再入社に至る道筋と、一度離れたからこそわかるfreeeの魅力を坂本が語ります。
スポーツビジネスに携わりたかった過去。インターンとしてfreeeへ
【アメリカ留学時代の坂本(右)】
高校時代、部活動では陸上競技(短距離)に打ち込んだ坂本。大学でも体育会陸上部に所属し、学部ではスポーツビジネスを学びます。
坂本 「大学時代は週5日ひたすら走っていました。生活は家・キャンパス・陸上トラックの往復で、他には思い出がありません(笑)。部活引退後はさらにスポーツビジネスを学びたいと思い、アメリカの大学へ留学することを選びました」
1年間の留学生活では、スポーツビジネスの勉強に打ち込みます。
坂本 「私は複数のことを並行してやるのは得意ではなく、大学時代は、陸上に全力投球をしていました。今度はその情熱を100パーセント勉強につぎ込んだんです。そのかいあって、日本の大学の4年間で学ぶことを1年間に濃縮して習得できたように思います。
また将来的にもスポーツビジネスに関わりたく、大学のスポーツチームの管理団体に所属し、スタッフとして働いていました」
その経験が坂本に方向転換をもたらします。
坂本 「本場のアメリカでも、選手や医療スタッフにならない限り、現場の仕事は厳しいという現実を知りました。それからは好きなことではなく、得意なことを仕事にしようと考えました。その中でまた好きなことを見つければいいと思ったんです」
進路を白紙に戻した坂本。その後の就職活動はアメリカからオンラインで取り組み、大手企業を中心に受けていきました。
そして、いくつか内定を受けた中で、NTTデータに就職することを決意しました。さらに帰国してから就職までのあいだ、少しでも経験を積むためIT企業でのインターンを希望します。
freeeと出会ったのはそんな時でした。
坂本 「NewsPicksの就職活動を特集した記事に当時セールスマネージャーを務めていた新村 陸の、freeeに対する熱いコメントがあり興味を持ちました。そこで求人サイトで調べると、長期インターンを募集していることを知ったんです。
応募の決め手となったのは、インターンでも実務に近い業務を任せてもらえることでした。より実践的な内容の方が、今後に活かせると考えたのです。
また私は陸上部時代、年間の部費を管理していた経験があり、会計は面倒な作業だと思っていたので、『その業務から解放される』というビジョンにも惹かれましたね」
「自己成長の実感」と「仕事の手触り感」が大切だと気がついた
【インターン時代、社内で表彰されスピーチをする坂本】
2018年5月、長期インターンとしてfreeeにやってきた坂本。配属されたのは、中規模法人向けのインサイドセールスでした。
『freee会計』に興味がありそうなお客様に架電し、アポイントを取り、フィールドセールスに引き継ぐまでが業務です。
坂本は初めてのオフィスワークに苦戦していたものの、次第に慣れ、徐々に成果を出し始めます。そして約10カ月のインターンを通して、営業として大切なことを学びました。
坂本 「まずはお客様の話をちゃんと聞くこと。そして何が課題なのか見極め、適切に言語化して伝えること。それらを意識しつつ、時にはお客様自身が悩みの本質をわかっていないこともあるので、より深い課題が眠っていないか、その上でfreeeのプロダクトで解決できることはないか探っていきました。
このようなことが無意識的にできるようになった頃には、インサイドセールスの仕事が楽しくなっていて、目に見えて成長が感じられたので充実感もありました」
2019年3月、坂本は成功体験を得てインターンを卒業し、4月にはNTTデータに就職しました。
坂本 「配属されたのは、大規模な金融機関向けの営業部でした。業務内容は、すでにシステムを導入してくださっていたお客様に対するアップセルやクロスセルです。扱う商材はfreeeの約1000倍の値段になり、緊張しながらも、責任感を持って業務に励んでいました」
初めてのフィールドセールスに挑み、一定の成果を出した坂本。
しかし、そんな日々のなか感じていたのはある種の物足りなさでした。
坂本 「私が携わっていたのは、ほぼ購入することが決まっているお客様に対してのアプローチや提案でした。プロジェクトを失敗させないことがミッションで、そこに面白みも自身の成長も感じることができなかったんです。正直、私が介在しなくても上手くいったように思えてしまって……。
その時に、求めていたものは『自分の存在があったから購入してくれた』という手触り感なのだと気がつきました。まだ社会人1年目でしたが『自分がその仕事に携わる理由』のようなものを探していました。何者かになりたい、という欲求が強かったんでしょうね」
自分にとって大切な価値観は「自己成長の実感」と「仕事の手触り感」だと気がついた坂本。「もっと自分が輝ける場所が他にあるんじゃないか」と考え、転職先を探し始めました。
坂本 「スタートアップや外資コンサルなどの話を聞いてみて、私が知っているNTTデータやfreeeの環境と比較しました。
一方でまだNTTデータに入社して10カ月しか経ってなかったので、『もう少しいた方がいいのかな』という気持ちもありました。現状のままでは良くないが、悪くもない。自分の将来に、迷いながら過ごしていました」
そんな中、坂本はfreeeのカジュアル面談にやってきます。
坂本 「自分としては近況報告のつもりでした。しかしインターン時代の責任者・和田に現状を伝えたら『本当に今のままでいいの?』と切り込まれたんです。そこで『決めないと!』と焦りのようなものが生まれました。
そして、一度持ち帰って、ちゃんと自分の中で整理してfreeeの面接を受けようと決めたんです」
成果を出し、活躍の場をフィールドセールスへ
【チームのメンバーも】
freeeの面接に挑んだ坂本。他の選択肢もあった中で、freeeに戻ることを決意したのには2つの大きな理由がありました。
坂本 「1つは働いている人です。私の中で『自己成長の実感』『仕事の手触り感』と同じくらい、ワクワクしながら働けることも重要でした。
freeeは『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションのもと、クラウド会計ソフトを中心にプラットフォームを作って社会を変えようとしています。壮大な挑戦なので果敢にチャレンジをしている社員が多く、楽しそうに仕事をしている印象でした。
それなのに、慢心している人がいないことにも魅力を感じました。大きなことを実現しているのに謙虚というのが好きなポイントです」
もう1つの理由は、しっかりした社内の評価システムがあることでした。
坂本 「freeeは成果を可視化できる仕組みがかなり整っています。セールスは特に、電話数・アポイント取得数・クロージング数など、全てをSalesforceで一元管理しているので、誰が何をどれだけやってるのかがわかりやすい。そのぶん『自己成長の実感』が得やすく、やりがいを感じられるだろうと思いました」
2020年1月、こうして坂本はfreeeに再入社しました。
アサインされたのはインターン時代と同じインサイドセールス。設立初年度の法人向けに『freee会計』『freee人事労務』の案内をし、アポイントを取り、フィールドセールスに引き継ぐまでが業務でした。
坂本 「9カ月間でインターン時代の3倍の成果を達成しました。これは全社でも歴代2位の記録でした」
坂本は「うまくいった理由は、仕事に取り組む覚悟にあった」と振り返ります。
坂本 「インターン時代は、正直『freeeでずっと働くわけじゃない。ここで仕事を覚えても、4月から違うことをするんだよな……』と心の片隅で思っていました。
しかし戻った後は、ここしかないという気持ちで業務に臨みました。その中で意識したのは『自分はあくまで中途入社』ということと、『インターン時代のことは忘れる』ということです。
新卒という気持ちで仕事をすると自分に甘えてしまうし、周囲の期待値も下がってしまう。また過去の成功体験に縛られてしまうとそれを超えられないんじゃないかと思い、一旦全てをアンラーンして取り組みました」
それから坂本はチームを異動し、『freee設立』アプリのインサイドセールスを担当。そこでも過去最高となる受注率を達成しました。
そして2021年1月、坂本はフィールドセールスに軸を移します。
坂本 「『インサイドセールスをやり切った』と胸を張れるほどの達成感があったし、お客様のことを誰よりも知っている自信もついたので、新しい挑戦がしたいなと思っていました。
そんな時にタイミングよくフィールドセールスにアサインされ、『freee会計』「freee人事労務』を会社を設立して間もないお客様に案内することになりました。
今までは話しても15分だったのが、1〜2時間のオンライン商談をすることになって、より一層お客様への解像度が高くなり、freeeのプロダクトの価値を届けたいという気持ちが増しました」
挫折を乗り越えた秘訣はアンラーン。求めていた手触り感を得る
2021年7月、坂本は中規模法人向けのフィールドセールスチームに異動し、担当プロダクトも『freee人事労務』に特化します。そこで社会人になって初めての挫折を経験しました。
坂本 「今までは『freee会計』『freee人事労務』にお試し無料登録した人を対象としていました。いわばお客様は初めからfreeeにある程度の興味を持った状態でした。
しかし会社の規模が大きくなると、選択肢の1つがfreeeというだけで、興味が薄いお客様が多かった。『freeeじゃなくても全然いいんだよね』などと言われることも多く、今までとはスタート地点が違ったんです。ここで初めて人に興味を持ってもらう難しさを知りました」
異動前のチームでの成果から周囲の期待も大きく、坂本は結果の出ない日々に悩みます。
坂本 「期待を裏切ったことに引け目を感じていました。また上手くいってない現状を受け入れることも辛かったです。それでも『今は数字出てないけど、ここからだ』と強気でいました。ずっとこれまで上手くいってたんだから、自信を持とうと」
そんな坂本の意識を変えたのは、成功体験に囚われないアンラーンの精神でした。
坂本 「自信を持とうと自分に言い聞かせることも大切だとは思うんですが、それって結局、焦点が自分に当たっていることに気が付いたんです。
私が大切にしないといけないのは『お客様を理解する』ことなのに、失敗を重ねることで視野が狭くなり、その大前提を疎かにしていました。
そこで改めて1からお客様の課題に向き合うことにしたんです。なんなら『freeeの話をしなくてもいい』くらいの気持ちで臨みました」
お客様の抱えている問題点を解決することだけに集中する。坂本は成功体験を捨て、原点に立ち直ることで少しづつ状況を改善させることができました。
またfreeeで働く日々のなか、驚く出来事もありました。
坂本 「実家の近くに魚料理店があり、店長とも仲が良いのですが、あるときfreeeのことを話すと、『え!ウチ導入してるよ!』となったんです。ビックリしました」
後にそのお店は『スモールビジネス STORY AWARD 2020』で大賞を受賞。創業物語が『ムカチノカチカ』という短編映画にまでなりました。この時は感動で涙が溢れたといいます。
坂本 「そこは今では予約の取れない人気店になっています。この一連の流れを見て、まさに『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションを体現してるなと感じました。
そしてこれこそが、私の求めていた『仕事の手触り感』でした。私の商談ではなかったですが、自分の務めている会社が世の中を動かしている瞬間を目にしたときの感動は大きかったです」
「自己成長の実感」と「仕事の手触り感」を求めてfreeeに再入社した坂本。これまでの経験を総括します。
坂本 「あのタイミングで決断し、freeeに戻ってきてよかったと思います。日々の業務や2度のアンラーンを通して自己成長を感じられているし、1000社くらいに導入してもらっているので、きっと私もどこかで世の中を変えているんだと思います。
これからも『freeeのおかげで業務が楽になった』と言ってもらえるように、本気でお客様の課題と向き合い続けます。またゆくゆくは責任者にもなってみたいですが、今はまだ現場で頑張りたいと思っています」
入社時と異動時、2度のアンラーンを行うことで成長してきた坂本の物語はこれからも続きます。