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才能をうらやむのでは無く、才能を輝かせる人に。プロのマーケターになりたかった男が作る、才能で溢れる船づくり。

置かれた場所で咲きなさいというけれど、アスファルトに根を張れる花とそうではない花があるように、咲く場所を変えたっていい。

「エクサウィザーズ」で活躍する”ウィザーズたち”を紹介するストーリー。

今回は、リクルートにてIndeedの人事として世界中のトップエンジニアを採用したのち、当時50人程のエクサウィザーズに転職し、現在は採用グループのマネージャーを務める半田です。

もともとは一流のマーケターになりたかったと語る彼が、人事の道に進み、LInked In「TOP STARTUPS」ランキングにて2年連続1位を取るほどの活躍を見せ、「人事は天職」とまで言えるようになった理由を伺いました。


■プロフィール

半田 頼敬(はんだ よりたか)

慶應義塾大学文学部社会学専攻卒業、ベネッセコーポレーションで5年間マーケティング、商品開発、事業開発に従事。2015年リクルートホールディングスに中途採用担当として入社し、子会社のIndeed, Inc.のPMIの一環としてエンジニア採用活動を支援。社会課題の解決を志す石山・春田のビジョンに共感し、2018年エクサウィザーズに入社。2019年、Linkedin Japanが選出する人事でMVPを受賞。


ロジックだけでは正解を導けない。人事になって知る”エモーショナルさ”の重み

彼のキャリアはベネッセのマーケティングから始まる。まず担当したのは、進研ゼミのダイレクトマーケティングの企画や制作。女子小学生向けの漫画の企画では、シナリオやキャラ設定、セリフ、時にはコマ割りまで担当した。

「ずっと男子校育ちでスポーツにあけてくれていたため、女子小学生の心を動かすコンテンツがわからない。だから、行き帰りの電車では「ちゃお」を、休日は漫画喫茶で少女漫画を読み漁り、ヒットするシナリオやキャラのパターンを分析していました(笑)

キャンペーンや商品開発など幅広いマーケティング活動を続けて数年。サービスも働いている人も好きだったが、事業に携わる中で人や組織の重要性に気づき、彼の関心は次第に"組織そのもの変化"に向かっていった。

次のキャリアを模索していたころ、転職エージェントから「どうしても会って欲しい」と紹介されたのが、後の上司となるリクルートの人事だった。

面談の際に聞いた「経営戦略や事業戦略を語る上で、組織戦略を語らないことは空虚である」という言葉が、事業を良くするためには、そもそもの組織を良くしなければならない、と考えていた彼の考えにピタリとはまった。

加えて、indeedを買収し、GAFAレベルのエンジニアを本気で世界中から連れてこようとしていたリクルートのチャレンジ精神に惹かれ、未経験ながら人事職でリクルートへと転職した。

数年前から人事もマーケターとしての視点を持つべきだと言われている。マーケティング畑にいた彼はその時流を踏まえ、強みを発揮してきた。一方、人事とマーケティングの違いも痛感した。

マーケターに比べて、人事はほんの些細な一つののコミュニケーションのタイミングや伝え方によって、成果が変わるポジションです。話者や会話の一つひとつが、候補者の入社意欲を左右します。入社直前まで積み上げても、辞退となったら成果としてはゼロ。最初の頃は適切な言葉選びが出来ず苦労しました。

マーケターの頃は数字や提案を表現するクリエイティブと向き合っていれば良かったですが、人事になってからは、数字では表せない熱量や一人ひとりの人生に向き合うようになりました

身近な死が導いた、「人がポジティブに歳をとる社会作り」という使命

リクルートに入社して約3年が経ち、彼は31歳になった。この歳は彼にとって特別な年齢だった。

「父親が病気で他界したのが、31歳だったんです。また、祖父が亡くなったタイミングとも重なり、老いや生死に関わる課題に意識が向くようになってきました。

当時91歳になる祖父の介護をしている祖母を見ていて、教育や人材の領域で人を前向きにすることから、目を逸らしてきた人の死や、その周りの家族というテーマにも向き合うときがきたのかな、と思ったんですね」


年齢による意識の変化に加え、人事として世界中のトップエンジニアと接したことも彼の今後の生き方に影響を与えた。

例えばイスラエルのエンジニアたち。前向きな失敗を良しとする文化や、兵役の義務の関係で若い頃から身につくマネジメントスキル。デジタル教育世界一のイスラエル工科大学の存在もある。

もちろん日本のトップエンジニアや優秀な学生は、世界で見ても全く引けを取らないこともわかっていた。

だが、日本発で世界を席巻するサービスは生まれづらくなっている。その背景には、同質性を求めがちな国民性や、イノベーションや挑戦に踏みとどまる日本のジレンマがあると感じていた。

諸外国に遅れを取らず、日本発で世界に届くサービスとは何か。たどり着いた一つの解が、2045年に迎えると言われる超高齢社会の解決だった。

社会課題に取り組んでいる会社は数多い。その中でもエクサウィザーズを選んだのは、取り組むテーマに対しての本気度、ともに働く経営陣、ゼロイチのフェーズの三つが合致したから。

彼がエクサウィザーズに出会ったのは、リクルートAI研究所の所長を務め、現在エクサウィザーズの社長である石山のSNSの投稿がきっかけだった。

「石山さんと一緒に仕事したことはほとんどなかったのですが、社内では有名人だったため、噂は色々と聞いていて。とにかくスゴい人なんだとは知っていました。

そんな人がリクルートを去ってしまうと知って、驚き半分、ショック半分でした。しばらくして、石山さんの投稿でエクサウィザーズが人事を募集していると知り、すぐに連絡を取りました」

石山と会った次の日には、会長の春田と朝8時から会うことが決まっていたという。そのスピード感に驚きつつも、急いで春田の著書「黒子の流儀」を読んだそうだ。さらに、彼は面談に向けてちょっとしたサプライズを用意していた。

「春田さんが元DeNA横浜ベイスターズのオーナーということで、友人からユニフォームを借りて、コートの下に着込んで面談に臨みました。なかなかコートを脱がないので、『何だこいつは』といぶかしげに思われていたと思います(笑)。

結果としては無事に笑いもとれ、自分の性格もわかってもらえて安心しました」

人事だからこそ、現場以上に現場に寄り添う

入社後は一人目の専任人事として、やれることには何でも取り組んできた。

だが、リクルートでずっと採用をやってきたとはいえ、組織開発や労務・総務など領域に関しては未経験。既に知名度のあったリクルートに比べエクサウィザーズはまだまだ無名の50人程度の会社。バックグラウンドもカルチャーも異なる2つの会社合併した直後でPMIも進んでいない一方、会社は急成長を目指す。とにかくカオスな環境だった。

採用の成功は事業成長には不可欠だが、そういはいっても人事は実際に事業を作っているわけではない。周りが協力的な姿勢だからといって、その環境に甘えず、事業を作るメンバーに寄り添い、ともに喜びや痛みを知るよう心がけた。

本当に何も整っていないスタートアップだったので、当時はみんな夜遅くまで働くわけです。そんな彼らに対して人事の立場からなんとか一緒に戦おうと、事業のディスカッションをしたり、退職の話が出たら一緒に引き止めたり、ときには一緒に営業に行ったり、とできる限りのことをして、信頼関係を築いていきました。

だって、目の前の事業で何が起こっているのか知らない人に、組織戦略なんて大局を任せられないじゃないですか」

スタートアップの初期の採用は難しい。それでも、彼は現場との信頼関係を武器に、50人、100人の壁をハイスピードで飛び越え、2019年にはLinked in スタートアップランキングで1位を獲得した。


Linkedin Japanが選出する人事でMVPを受賞したときの様子

しかし、同時に成長痛も同じ早さで襲いかかった。

「当時は、メンバーが一人辞める度に全部自分のせいではないかと思っていました。自分の経験がもっと足りていれば良い組織にできて辞めなかったかもしれないとか、思い切り働ける仕組みをつくれてなかったのかもしれないとか。

とくに自分が「一緒に働きたい!」と誘って、エクサという舟に人生を預けてくれた人が去っていくのは本当に辛かったです。

一方で、立ち止まることで組織成長のスピードを止めるわけにも行かないし、全員が全員フィットするわけでもない。大義をなすために舟を降りる人がいる事自体は健全なことと、頭ではわかっていても、心がついていかないこともありました。

ただ、自分にとっては初めての壁でも、春田さん、石山さんにとっては一度乗り越えてきた壁。彼らがメンター的に相談にのってくださったことで何度も助けられました

経営と人事と現場が三位一体であることが、採用成功の鍵だと彼は言う。それが出来ているのがエクサウィザーズの魅力だと。

「事業を成長させるには、どんな組織にすべきか、どんな人を採用すべきなのかという組織戦略と経営戦略をリアルタイムで同期する必要があります。エクサウィザーズでは、事業戦略検討には採用が前提になってることが多いですし、チャット一つで経営陣・事業責任者たちとアジャイルにやりとりできます。

コストやアセットの使い方は一任されてますし、採用面談であれば、経営陣含め事業部のメンバーは何よりも優先して取り組んでくれる。採用成功のためのノウハウは、各論であり、前提として事業と組織を伸ばそうというマインドを持ったメンバーが揃っていることが一番の強みだと思っています」

目指すのは、ロマンと現実を携えた、経営戦略を変えられる人事

人の魅力で組織の未来図すら書き換える人事。

今後目指していく人事像に対して、彼はそう答える。

「エクサウィザーズではこれを『トランスフォーメーション人事』と呼んでいます。事業計画を上方修正し、経営課題を超えて、社会課題を解決するような人事です。一般的にはHRBPと呼ばれるポジションに近いかもしれません。

経営者や事業部のリーダーが考えた採用計画を元に、現場をうまく巻き込みながら達成するのが戦略人事だとしたら、『こんな人がいたら、さらに事業がx%伸びるので、その資金としてy円が必要です』と経営戦略すら変える提案ができるのが、トランスフォーメーション人事です。

ただ優秀な人を集めるだけではだめで、短期・中長期それぞれで活躍する人を見極め、ベストタイミングで参加してもらったり、実際に採用した人が活躍できるよう一緒に勇気づける必要もあります



どうして彼はこうした人事像を目指すのだろうか。

「高齢化社会を迎える世界を、少しでも"優しい世界"にするサービスの成長に貢献したいから。それに尽きます。

10年、20年経ったときに、自分の親や子供友人の家族達が歳を取ることにネガティブにならず、『エクサウィザーズのサービスがあって良かった』と言ってもらえる世界に1mmでも寄与したいんです。そのためには、現場のことを深く理解するだけでなく、ビジネスインパクトを与えられる人事になるべきだと思っています」

なぜエクサウィザーズならそれが可能なのか。彼は、トップがそれを期待しているし、人の可能性を信じているからだという。「石山からもよく『ただの採用屋さんで終わるな』と言われます」と彼は続ける。

もし、同じようにトランスフォーメーション人事を目指す人がいたとして、どういった人であれば、エクサウィザーズに向いているのか。

ロマンと現実を行き来できるマインドを持っている人ですね。自分ならそこにたどり着けるかもしれないというある種のロマンを信じる心と、足下のやるべきことを実直にやり続けることがロマンにつながるのだと現実を直視できる心

本気で社会課題を解決しようと思ったら、正直かなり大変なことなので(笑)この二つがあれば、誰でもなれる可能性はあるんじゃないでしょうか」

才能が無い人はいない。誰もが輝ける可能性を持っている

なぜマーケティング畑から来て、人事をずっと続けているのか。最後に、そんな素朴な疑問を彼にぶつけてみた。

「もともと人の心を動かすコピーや、自分の生み出したヒットサービスで社会にインパクトを与えるといったことをやりたいと思っていました。ベネッセに入社したのもそれが理由です。

ただ、5年間やって、自分はこの領域では突き抜けられないなと悟りました。そこから人事となり、自分よりも若くて才能ある人などに会い続けている内に少しずつ考えが変わりました。

自分自信が輝かなくても、才能のある人たちを集めて、『このテーマで一緒にやろうよ』と誘ったり、才能が思いっきり輝ける場を作る側になる方が自分の価値を発揮できると思うようになってきたんです」

学生時代に熱中していたサッカーでも、ポジションはディフェンダー。技術やフィジカルがその道の最前線に追いついていなくとも、戦術やチームの総パワーで勝つのが好きだったという。

自分の才能とは何かに気づき、今では人事こそが天職だと語る。

「仕事の一部がAIで置き換わっていったように、人事の仕事もAIでどんどん代替されていくでしょう。そして、遅かれ早かれ技術は次々に真似されていき、企業間で使える技術の差異はほとんどなくなっていくと思います。

でも、最終的に人がその組織という舟に乗り込むか、その中でモチベーション高く働くか、は人間に対する深い洞察や、組織を生き物のように捉える抽象的な思考が必要になり、その部分の判断は技術で置き換えられない。従業員体験も感情と向き合わずして高めることは難しいでしょう。

新しい技術と不変的な人の感情。人事は、その両方に向き合い続ける数少ないポジションだと思います

会社から去って行った人やその家族も、将来的に自社のサービスで幸せに出来たら、それはエゴかもしれないけど、嬉しいと彼はいう。

新しい仲間と出会うため、世の中をより良くするため。彼は今日も面談に臨むのだ。




採用担当(責任者候補) | 株式会社エクサウィザーズ
本ポジションは事業部・経営陣とも連携をしながら組織開発・中途採用・新卒採用活動を担当していただくポジションとなります。(IPO及び事業拡大により募集を開始したポジションになります。) ...
https://hrmos.co/pages/exawizards/jobs/C4_0002

エクサウィザーズ では一緒に働く人事を募集しています。興味のある方は是非ご応募ください!


文/写真:稲生雅裕

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