あるエンジニアがこう言いました。
「業務理解が進まないんです。だって、うちの会社の事業内容がよくわからないんですよね」
その言葉を聞いたとき、正直少し引っかかりました。
確かに、業界知識や業務フローが複雑な会社もある。
でも、それだけが“業務理解が進まない理由”とは限らないんじゃないかと思ったのです。
たとえば、自分が関わっているシステムの仕様書を読んで、
「この機能って、誰がどんな場面で使うんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
でもそのまま「業務がわからないから調べられない」と止まってしまってはいませんか?
業務理解とは、最初から“すべてを知っている状態”ではありません。
むしろ、“わからない”ことに向き合いながら、自分で仮説を立て、周囲に聞きにいく姿勢の中で磨かれていくものです。
ある若手エンジニアは、業務がわからないことにモヤモヤしていました。
でもあるとき、業務資料の中にあった「ユーザーからの問い合わせ一覧」を見て、
「こういうことを困っている人が多いんですね」と気づきました。
そこから「どういう処理をしているのか」「なぜそうなっているのか」と一つずつ紐解いていくことで、
徐々に業務理解が進み、仕様レビューでも適切なフィードバックができるようになったのです。
つまり「業務理解が進まない」のではなく、
「業務理解を進める動きができていない」だけかもしれない。
業務そのものがわからなくても、“使う人の行動”を観察し、仮説を立て、検証する”。
その繰り返しが、エンジニアとしてのビジネス理解を育てていきます。\
業務がわかるか、わからないか、ではなく
業務を“知ろうとする”か、“待つだけ”か。
どちらの姿勢を選ぶかで、その後のキャリアは大きく変わります。
自分から業務に踏み込んでいくエンジニアは、レビューでも、設計でも、プロダクトづくりでも、確実に強くなっていきます。
本当に知りたいと思えば、調べ方はある。
プロダクトの画面、業務フロー、問い合わせ、テストケース、ユーザーの一言。
あらゆる情報が“業務の正体”を少しずつ教えてくれるのです✨