え?社内で推し会?!社内イベント歴代最大に盛り上がった新表彰制度 | 株式会社NSグループ
みなさん、こんにちは!株式会社NSグループ社長の荻野佳奈子です。2025年5月22日、初の試みである「NSグランプリ2025アワード」を開催しました。「挑戦する社員を応援したい。思いっきり褒めた...
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そう語るのは、伊豆高原のリゾートホテル「アンダものがたり」の副支配人・宮崎楓さん。
彼女は、たった1週間でホテルオリジナルの“紙芝居イベント”を生み出した。テーマは、まさかの「うんち」。
その裏には、ノリや勢いではなく、「観察→仮説→ヒアリング→巻き込み→実行→改善」のサイクルを爆速で回す、彼女らしい“システムイベント”づくりの思いがあった。
MVP受賞の背景にある、ホスピタリティ強化やスタッフ育成、ホテル価値の創出までを描いたストーリーをご紹介します。
新人賞受賞の宮崎楓さん(写真左)写真はNSグランプリ受賞記念パーティーのワンシーン
このインタビューは、NSグループが年に一度開催する社内表彰制度「NSグランプリ」にて、2025年度の受賞メンバーに話を伺う連続企画です。聞き手は、NSグループ社長・荻野佳奈子が担当しています
NSグランプリについてはこちらの記事もぜひご覧ください!
──まずは簡単に自己紹介をお願いします。(荻野)
「アンダものがたりの副支配人をしています、宮崎楓です。2020年に新卒でNSグループに入社しました。千葉県出身で、体育大学でハンドボール部に所属していました。ちなみに、2.5次元の推し活もしています(笑)」
──ホテルで働きたいと思ったきっかけは?
「就活のときにカラオケパセラをお客様として利用して、“ここで働きたい!”と思って応募しました。あのときの“楽しい”が、今は自分が提供する側に回ってるのが不思議です」
「アンダものがたり」はお子様連れ家族に大人気の伊豆リゾートホテルです
──今回の「手作り紙芝居」イベントのきっかけを教えてください。
「アンダものがたりは中規模のホテルなんですが、その分“もったいないスペース”があるんじゃないかとずっと思っていて。いろんな店舗を経験してきた中で、“体験が足りない”という課題感もありました。そこで目をつけたのが、フロント横の“木育広場”です」
通常時のアンダものがたりの木育広場の様子
──その木育広場、普段はどんな場所なんですか?
「お子様が自由に遊べるスペースなんですが、ある日、親御さんが子どもに絵本を読んであげているのを見たんです。それを見て“スタッフが読み聞かせしたらどうなる?”って思ったんですよね。でも絵本をただ読むだけじゃつまらない。一対一になってしまうし、だったら“紙芝居”にして、何人か一緒に楽しめる形にしたらどうかと」
──“うんち”というテーマにした理由も、実はしっかりマーケティングしていたとか?
「はい。子どもがいるキャストのメンバーに聞いたんです。“どんなテーマだとウケると思う?”って。みんな口をそろえて“うんち!”って(笑)。王道だけど間違いない。そこから“じゃあ、ホテルらしく教育要素もあるストーリーにしよう”と考えました」
うんちをテーマにしたオリジナル紙芝居「だれのうんち?」
──完全オリジナルで?
「そうです。自分でストーリーを考えて、イラストも描いて、自社のキャラクターも登場させました。『誰のうんち?』というクイズ形式にして、動物の紹介と一緒に自然に盛り上がれる構成にして。最後には“ちゃんとごはんを食べて、いいうんちを出そう”っていう、親御さんも納得してもらえるメッセージで締めています。紙芝居のあとは食事時間なので、そこにつながる意図もありました」
うんちを学びながら、「みんなもたくさんご飯食べてね!」とその後の夕食へのモチベーションにつなげる流れは見事
──紙芝居の制作も実施も、宮崎さん一人で?
「最初の構想とストーリーは私が考えましたが、実施にあたってはあえて“普段あまりお子様対応が得意ではないキャスト(アルバイトさんのこと)にお願いしたんです。“やってみたいけど不安…”って言ってたメンバーにこそ、成功体験をさせたかった。だから、最初の回は私がめちゃくちゃ子どもを集めて、絶対盛り上げる盛り上げ確約段取りを組んで(笑)」
──巻き込みと育成、両方やってたんですね。
「はい。結果、終わった後に“楽しかった!またやりたい!”って言ってくれて。あの瞬間、ただのお客様向け施策じゃなくて、スタッフの成長施策にもなったと感じました」
実際の紙芝居の様子。お子様は集中して、親御さんも後ろから見守っているのが伝わる
──実施まではたった1週間だったそうですね。
「上司が“いいね、やってみたら”ってすぐ許可してくれたのがありがたかったです。自分が動くだけでなく、スタッフにも“どうせやるならお客様が喜ぶ形にしよう”と巻き込んで、一気に実行しました」
──PDCAが爆速だなと思いました(笑)。
「ありがとうございます!結果として、爆速になれてたのかなと思います。観察→仮説→調査→巻き込み→実行→改善の流れを1週間でまわした。紙芝居は単なる遊びじゃなくて、“ホテルの価値”になると証明したかったし、成功体験を関わるみんなにもってほしかったので形になって、嬉しいです。」
──宮崎さんをNSグループ社内要語で例えると「システムイベント」と聞きました。
「“誰かのための仕組みを考えて、自分も周囲も笑顔にする”というのが、私のスタンスでもあるし、紙芝居もまさにそれでした。個人のセンスや気合ではなく、仕組みと構造で成果を出すのが“システムイベント”だと思っています。要語辞典にもある通り、“イベントは再現性のあるシステムでやれ”という考え方を、実際の現場で形にした取り組みだったのかなと思っています。今後も“自分がいなくても回る価値提供”を意識して、仕掛けていきたいです」
「子どもが笑えば、親も笑う。親が笑えば、スタッフも笑う。スタッフが笑えば、ホテルがもっと好きになる」
そんな“笑顔の連鎖”を生んだ、宮崎楓さんの紙芝居プロジェクト。
その舞台裏には、“使われていない空間を価値ある場所へ”“子どもたちを集め、仲間の成長機会に変える”という戦略性と泥くさい努力、そして圧倒的な実行力がありました。
MVPの受賞は、彼女一人の努力だけでなく、ホテル全体の未来を変えるかもしれない「原体験づくり」の第一歩だったのかもしれません!GJ!!