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今回は、私たちの新たな挑戦【oyakataドライブ】についてご紹介いたします。
oyakataドライブとは?!
「oyakataドライブ」は「ドライブ」という名前の通り、「運転」にまつわるプログラム。
私たちがインドで運営する職業訓練校の卒業生たちに、日本の建設現場で即戦力として使えるスキル「日本の自動車運転免許」を取得してもらうために、必要な教育を行う取り組みです。
しかし、単なる「免許取得支援」ではありません。
なぜ【oyakataドライブ】を始めるのか?
日本の建設業界では、現場ごとに勤務地が変わるため、移動手段として自動車の運転が欠かせません。
けれども、日本の交通ルールに不慣れなまま運転すれば、事故のリスクは高まります。
実際に、日本の交通ルールに不慣れな外国人ドライバー(※)による事故は、近年増加しています。
※国際免許または外国免許取得者に限る。日本での普通免許取得者は除く。
図:内閣府:外国籍運転者(第1当事者)による交通事故件数の推移
また、単なるルールの違いだけでなく、 「ドライバー文化の違い」が事故リスクを高める要因になることも見逃せません。
例えば、「パッシング(ヘッドライトを一瞬点滅させる合図)」の使い方。
・日本では、道を譲る際に「どうぞ」と伝えるためにパッシングを使うのが一般的です。
一方で、
・インドでは、一般的に自分が道を譲ってもらいたいときにパッシングを使います。
つまり、真逆の意味で使われているのです。
このような文化背景の違うドライバー同士が、同じ道路で運転すれば、 小さな行き違いが大きな事故につながる危険性もあります。
だからこそ、彼らに必要なのは、ただ"運転できる"ことではない。
異国・日本という環境の中で、"安全意識"を持ち、"社会の一員として安心して暮らしていける力" です。
「oyakataドライブ」は、 彼らが異国の地で"安心して運転できる力"を身につけ、
"仕事にも生活にも、自信を持って取り組めるように"支えるプログラムです。
この想いは、プログラム開発にご協力いただいている七尾自動車学校様とも深く共有しています。この取り組みを通じて、
「わが子が通学する道を、外国から来たドライバーが安心して運転できる社会にしたい。」
そんな願いを胸に、日本の交通文化や運転マナー、安全意識までしっかりと伝える内容になっています。
【oyakataドライブ】を通じて実現したいこと
- 交通事故の未然防止と日本社会への安心貢献
- 建設現場で即戦力として活躍できる人材育成
- 来日する卒業生の生活の質(QOL)向上
単なる労働力として彼らに来日してもらうのではなく、生活者として、日本での毎日をより豊かに過ごしてもらいたい。休日には車で少し遠出をして、日本各地の景色を楽しみ、もっと日本を好きになってほしい。そんな思いも込めています。
建設分野特定技能人材に特化した自動車講習プログラム
上述のとおり、建設業は、他業種と異なり、勤務地が現場毎に異なります。この背景を踏まえ、アイティップスでは七尾自動車学校様と共同して建設分野特定技能人材に特化した自動車講習プログラムの開発を始めました。その中身をご説明します。
「oyakataドライブ」概要
①外国免許切替の基礎講習:
インドで取得した運転免許を日本の運転免許に切り替える際に必要な基礎的な知識と運転技術の指導・トレーニング。
②交通文化の教育:
日本特有の交通マナーや道路ルール、地域社会での振る舞い方を学ぶカリキュラム。
③安全運転の徹底:
事故防止に向けた危険予測トレーニングや安全運転意識の向上を目的とした講習。
④日本免許取得後のフォローアップ:
オンライン学習プログラムや一定期間後の再教育機会の提供をすることで、教育効果の維持・継続を行う。
「oyakataドライブ」における両社の役割 (検討中)
七尾自動車学校様は、石川県七尾市で「生涯無事故の幸せをゲストに提供します」をミッションに掲げ、通学&合宿免許事業や、企業向けの交通教育コンサルティング事業を営む自動車学校です。教官や寮母さん含めて、とてもアットフォームな雰囲気のある会社さんです。(同社公式HPはこちら)
代表の森山社長は、弊社代表の大学時代のゼミの先輩にあたり、企画立案当初から様々なアイデアが飛び交う中で本企画が始まりました!
七尾自動車学校前にて森山社長(左)と弊社代表(右)のツーショット
実証実験スタート!
第一歩として、開発したプログラムを用いて、インドから招いた弊社訓練校に在籍する生徒を対象に実証実験を行いました。(プレスリリースはこちら)
この自動車教習プログラムは、一週間合宿形式のカリキュラムになっています。
入校式から始まり一日の講習を終えると宿舎であたたかいごはんでお出迎え。そして一週間かけて、交通ルールや運転技能を習得したのち、試験、卒業式、そして最後には七尾駅への見送りまで!!とても内容の濃い、そして心温まるプログラムになります。七尾自動車様に感謝!
それでは、ここからは日本初来日のサクティ君のチャレンジの様子を写真でお届けします!
まずは学科から!基本的な交通ルールを学んでいきます。インドと似ていることもあるみたいですね。続いて、自転車を使って日本の交通文化を学ぶサクティ君。スマホは見ない、飲酒運転はしない、ヘルメットをかぶるなど人命を守る大切なルールを再確認!
実技では、減点対象の点、学科では間違った点をしっかり質問するサクティー君!その心がけはきっと仕事でも生かされますね!
インドではMT車が多く、サクティは初めてAT車を運転!少しぎこちない様子。
そして、いよいよ最終日は卒業試験です。学科試験は英語と日本語で表記された問題50問、〇×形式で回答します。緊張の実技試験もクリアし、サクティ君、無事にプログラムの修了証を取得しました!
寮母さんのあたたかい気持ちのこもった朝食。栄養バランスも考えられた温かいご飯が食べられるのは最高ですね!
サクティ君感想:
とっても楽しかったです。ご飯もとてもおいしかったし、先生が一生懸命教えてくれたから合格できてよかった。帰国したら、訓練校のみんなに日本で経験したことをたくさん話したいです。
この機会をくれた皆さんに感謝したいです。
最後に
朝早く、建設現場に向かうワンボックスカー。 そのハンドルを握る方が、安全意識を持ったドライバーであってほしい。そして、彼らが「異国で暮らす不安」から解放され、 「日本で働けてよかった」と心から思えるような日々をつくっていきたい。
そんな私たちの想いが詰まった【oyakataドライブ】。これからもぜひご注目ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。