出来事から学び、その学びを抽象化し、他の場面でも生かす。このサイクルを回すことを「経験学習サイクルを回す」と表現します。そして、チームで事を成す、組織の戦略を実行していく際に必要なソフトスキルと呼ばれる能力、具体的には、周囲に働きかけて影響力を発揮するリーダーシップや、人を動かし事を成すマネジメント能力等の開発には、この経験学習が有効だと言われています。また経験学習の3つの重要要素の一つは、Enjoyment(面白がる、意味付けをする力)である、とも。
今回は、提供プログラムの一例として、8月初旬に実施した、シニアマネージャー(部長級)対象のモデルプログラム『DANCE THE TANGO』内の経営シミュレーションゲームTangoの体験会をご報告します。
■経営に近い層に対する能力開発支援とは?
当日は、IT、メーカー、インフラ系等様々な業界の人事や人材開発のご担当者、経営企画の方など9名にご参加いただきました。チェックインでは、参加に至った背景として
・シニア・経営職の育成支援
・事業成長に伴い、増加するミドル以上管理職の能力開発支援
・シニア層と次世代に対する育成
等に対する課題感や期待が聞かれました。
今回体験していただいた経営シミュレーションゲームTangoが組み込まれたモデルプログラム『DANCE THE TANGO』は、
・企業価値の最大化をリードするのは、シニアマネジメント層である
・またその意思決定は、有形資産と無形資産のバランスを考慮したものである
・戦略を構想し、全社的かつ中長期視点で未来を見通すのがシニアマネジメントの本来の役割機能であるといった要素を、約2日間で体感するデザインとなっています。
プログラム名には、有形資産と無形資産が「あたかもタンゴを踊るように調和を取る」ことの重要性を込めています。今回は、本プログラムの内容を1日に圧縮した簡易版を実施しました。
■ジレンマを超え、組織の有形資産と無形資産のバランスを考える
ゲームは白熱。その後のレビューセッションを経て、参加者からは以下のような声が聞かれました。
- 楽しかった。無形資産の大切さはもちろん感じているが、売上等のわかりやすい数値に目が行ってしまうと気づいた。結果ゲーム内で採用に失敗。人が増えないまま複数の期を経たが、売上も伸びなかった。とてもリアルだった。
- 非常に新鮮だった。自社はブランディングを大事にしていると感じてはいるが、数値化はできていないと気づいた。
- 数値化できるものばかり見てしまった。いかに無形資産を可視化し、長期的に育てていくかが重要。
- イメージやノウハウなど非財務、無形の資産にも財務同様、価値がある。このことを、シニアマネージャーが体感理解することが大事だと感じた。
無形資産は重要。しかし、頭ではわかっていても、日常業務や今期戦略の追求に邁進する中、短期的な視座に陥ってしまうことへのジレンマや、コロナ禍の緊急事態対応として、部長クラスが一時的に実務的な対応に関わったことが組織にもたらす影響など、様々なバリアがある。だからこそ、今シニアマネージャーに必要な能力開発について、会場では話が深まっていきました。
当日ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!
■では、無形資産の形成とは具体的には?
私たちインパクトジャパンでも、無形資産である「人」「ノウハウ」そして「ブランド」の価値を高めるため、社員ひとり一人の成長を重視し、様々な取り組みをしています。例えば、IMPACTGRAMというマニュアルの作成によるノウハウの蓄積・属人化の防止や、プロジェクト開発ガイドラインの作成、また社員コラム作成などの取り組みなどがあります。
いずれも一朝一夕には、成果につながるものではありませんが、中長期的に時間をかけて取り組み、そのプロセスを含めた取り組み全体が、ソフトスキルを開発するための経験学習の場だと認識しています。経験、内省、そして学びの実践あるのみ!よろしければ、全社員によるリレーコラムもご覧ください。
▶次回Tango体験会 開催予定
・日時:9/24(火)10時~17時
・場所:銀座周辺会場
またご報告させてください!