Goodpatch Anywhereのはじまりと、これから
私がGoodpatch Anywhereに関わり始めたのは、発足して間もない2018年のことです。
当時はリクルート社で人事サーベイのリサーチ業務を行いながら、並行してAnywhereの基盤づくりに携わっていました。
当時の「基盤づくり」とは、フリーランスや副業メンバーがどのように事業を成立させるか、そしてメンバーやクライアントさまにどんな価値を提供できるかを定義していくこと。
事業として持続的に利益を生み出すため、専門家の意見やメンバーの声、バックオフィスの運用効率を総合的に考慮しながら、リードから受注、稼働、利益までを一貫してモニタリングできる仕組みを構築しました。
そのひとつとして、TeamSpirit(クラウド型社内管理システム)とスプレッドシートを連携させ、工数入力から最終的な着地利益までを自動算出する仕組みに。
そうすることで、Anywhereは継続的に事業利益を高水準で保ち続ける組織へと成長しました。
「まず試してみる」カルチャーが、Anywhereを動かしてきた
運営の根底にあるのは、「メンバーの声から上がってきた課題は、まず試してみる」という姿勢です。
効果がなければすぐに手放す....…そのシンプルなサイクルがAnywhereらしい柔軟性とスピード感を生んできました。
たとえば、入力コストの高かった360フィードバックを廃止し、代わりに週次・隔週でのKPT(Keep/Problem/Try)を開始。
Problemを「More(もう少し工夫できたこと)」に言い換えることで、前向きなTryを自然と生み出すサイクルが定着し、現在も継続しています。
この仕組みはクライアントさまを巻き込んで行うこともあり、ダニエル・キムが提唱する「成功循環モデル」における“関係の質”の向上にもつながっています。
参考:https://www.humanvalue.co.jp/keywords/theory-of-success/
またAnywhereでは、メンバー同士がチームの成熟度を「タックマンモデル」の視点で共有する文化も根づいています。
KPTの時間に「いま私たちは形成期・混乱期・統一期のどこにいるだろう?」と話し合うのは日常的な光景です。
ときには「混乱期おめでとう〜!」と他チームから声をかけ合うこともあり、混乱期こそ成長への通過点であるという共通理解が生まれています。
このようなユーモアを交えた相互支援のカルチャーが、Anywhereらしいチームワークを支えています。
![]()
タックマンモデルの曲線モデル(出典:https://www.monica.team/services/monica)
成長の機会を、全員でつくる
Anywhereでは、職種や肩書きを超えて新しい役割に挑戦する機会が多くあります。
マネジメント経験がないメンバーにも、リードポジションを経験する機会を積極的に提供しています。
デザイナーやエンジニアといった専門職がチーム運営に関わることで、組織全体が学び合い、支え合う循環が生まれています。
このような「機会の共有」こそが、Anywhereが持続的に成長してきた理由の一つだと感じています。
どんな状況でも、最後まで支えたいと思えた
2024年、事業責任者の交代があり、その過渡期に一時的に私が事業の責任を担う期間がありました。
ちょうどその頃、羽田空港の地上衝突事故のニュースを目にし、乗客を全員避難させたあと最後に機長が降りたという記事を読みました。
その瞬間、「私もこの組織の機長として、どんなことがあっても最後まで残る」と心に決めました。
新たに事業責任者の小澤 美里さんが参画された際、「どんな状況でもこの事業を最後まで支えます」と伝えたことを、今でも鮮明に覚えています。
Anywhereは、私だけでなく、メンバーひとりひとり、バックオフィスメンバー、そして事業責任者の覚悟が支える事業です。
柔軟性が高いがゆえに一筋縄ではいかないこともありますが、不確実性の高い時代において、その不確実性を受け入れ、共に航行できる仲間が揃っていることを、何より誇りに思っています。
一緒に、未来を描きませんか?
Goodpatch Anywhereは、さまざまな働き方や価値観を持つ人が集まり、共に事業をつくっていくコミュニティです。
“選ばれた人だけの場所”ではなく、挑戦したいと思うすべての人が、次の一歩を踏み出せる場所でありたいと考えています。
もしこの記事を読んで、Anywhereという環境に少しでも共感してくださったなら私たちと一緒に働いてみませんか?
デザイン、テクノロジー、マネジメント。どんな切り口からでも、みなさまの経験がAnywhereの未来を形づくります。
ぜひ一緒に未来を描いて、共に事業を育てていただけるとうれしいです。
原 菜海
株式会社グッドパッチ
Goodpatch Aynwhere HR/Business Operations Manager
米国の不動産会社およびゲーム会社において、属人化していたバックオフィス業務を可視化・効率化・自動化し、複雑なプロセスを誰でも実行可能な仕組みへと再構築。包括的なマニュアル作成や効果的なオンボーディングプログラムの確立により、組織全体の生産性向上とナレッジ蓄積を実現した。また、データドリブンな意思決定を支えるために、事業KPIの可視化システムや財務分析モデルの開発にも取り組んだ。
Goodpatch AnywhereではHR/Business Operations Managerとして、フリーランス/リモート組織の基盤づくりや、ユニークなビジネスモデルに適応した柔軟な運営体制の設計・マネジメントを担当。PL管理を含む事業運営全体を統括し、高い事業利益を安定的に創出。組織のスケーラビリティと持続可能な成長を支えてきた。新規事業の立ち上げや新たな役割の創出を得意とし、変化の中で仕組みと組織をデザインすることに強みを持つ。その実績が評価され、2020年にはMost Valuable Playerを受賞。さらに2021年には、Goodpatch Anywhereのディレクターとしてグッドデザイン賞を受賞している。