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成長を求めてfreeeのQAチームに入社した原田 晋と、面接官を務めた小川 紀一郎。2023年1月現在、それぞれチームの責任者を担当しながら、アジャイル体制の構築やテスト自動化の導入など、組織全体の進化に尽力してきました。二人のリアルな意見と、freeeのQAチームが目指している姿を紹介します。
採用強化中のQA組織──プロダクトの品質面をリードできる人材の獲得するために
2015年9月にfreeeに入社した小川。3年間、カスタマーサポートチームのジャーマネ(※)を担当し、現在はQAチームで「freee会計」を担当するチームのジャーマネをしています。
※マネージャーのこと。freeeでは単にメンバーの上に立つ者のことではなく、“タレント”であるfreeeのメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割だと考え、ジャーマネと呼んでいる
小川 「freeeのQA組織は主に品質向上のためのテストを設計・実行するQAチームと、主に自動テスト基盤の開発・運用をするSofware Engineer in Quality(SEQ)チームに分かれています。
QAチームはプロダクトごとに担当が分かれていて、私は『freee会計』を担当するチームの責任者をしています。『freee会計』の開発チームは10チーム以上あり、QAエンジニアを1人ずつアサインしています」
そんなQA組織が採用に力を入れている理由とは。
小川 「freeeはミッション『スモールビジネスを、世界の主役に。』の達成に向けて統合型クラウドERPの実現を進めていますが、プロダクト数や機能も増えていくと、品質面をリードする社員が必要になってきます。そこで一緒に社会の進化を担う仲間を募集しています」
そんな中、カジュアル面談にやってきたのが原田でした。
前職でもQAエンジニアをしていた原田が転職を考えるようになったきっかけは、成長を目指して新たな環境を求めたことでした。
原田 「友人と仕事の話になり、キャリア感・職場環境・仕事に対するモチベーションなどすべての面で、刺激を受けました。自分の仕事にプライドを持っていて、輝いて見えたんです。
私は影響を受けやすいタイプなので、優秀な仲間がいて、自分の成長に良い影響を与えてくれる環境があれば転職したいなと考え始めました」
転職サイト経由でfreeeからのスカウトを受け取った原田。freeeのカジュアル面談に来たのは、freeeがSaaS型のビジネスを展開していることが理由の1つだったと言います。
原田 「前職のプロダクトはオンプレミス型で、クライアントに納品した後は保守部門が担当していました。引き続きQAエンジニアをやるなら、ずっとプロダクトに関わり続けられるSaaS型のビジネスをしている会社がいいなあとぼんやり思っていました。
SaaSのプロダクトは品質の高さを常にキープしておかないと、ユーザーの継続的な利用は見込めません。freeeは品質への高い意識を持っている印象があったので、挑戦しがいがあるなと。
freeeの対応から私のことを求めてくれているのが伝わってきたので入社を決めました」
freeeには、求める環境が揃っていると確信が持てた
面接官を務めた小川は、原田との面談を思い返します。
小川 「原田が一番求めているものは成長につながるフィードバックでした。freeeはフィードバックを大切にするカルチャーがあるので、その課題を解決できることを伝えました」
原田 「前職では自分のやり方以外にもより良い方法があるのではないか、と疑問を持ちながら業務を進めていました。成長に限界を感じていたとも言えます。
面接で直属の上司になるかもしれない小川に、freeeのカルチャー、QAのミッション、課題などについてダイレクトに質問できたことで、働くイメージが膨らんだし、freeeには自分が求める環境が揃っていると確信を持てました」
小川が採用を決めた大きな理由は、原田がフィードバックが少ない環境の中でも挑戦を続けてきたからでした。
小川 「原田は自分のチャレンジしたいことを明確に持っていて、そのためのアクションを起こしていました。その上でフィードバックを求めていたので、成長を手助けしたいと思い、素直に『一緒に働きたい』と伝えました。
freeeでは失敗を恐れず、主体的にチャレンジしてきたことは採用理由の1つになります」
そのほか、小川が原田に伝えたのは、SaaS企業ならではのQAエンジニアの在り方についてでした。
小川 「freeeは日々新しいサービスや機能をリリースしていて、その分、テストの回数も多く、品質維持も大変です。難しさの中にも楽しさがあり、他では味わえない経験ができます。
その上で『リスクベースドテスト』という考え方、つまりリスクの大きさに基づいてテストの優先度を決めていることを伝えました。開発チーム全体で連携して本当に守るべきものはどこなのか見極めて、QAチームがリードして優先度を決めています。
SaaS型のプロダクトでは、不具合が発生してもすぐに復旧に向けて取り組み、解消することができます。しかしfreeeはユーザー企業のインフラである会計や人事労務を扱っているため、不具合が起こると大問題になる場合がある。軽微なレイアウト崩れと、計算の間違いでは、どちらの不具合を避けなければいけないかは明白です」
原田 「不具合を100%完璧に防ぐのではなく、開発サイクルのスピードは落とさずに、出てしまった不具合をいかに早く直すかが大切だ、という考え方も新鮮で印象に残っています。
また単にテストをするのではなく、品質をリードするのがfreeeのQAエンジニアということが強調されました。品質を上げた先に『マジ価値(ユーザーにとって本質的に価値があること)』があり、freeeのコミットメントである『マジ価値を届け切る』を実現するには、高いレベルで品質を担保することが必須だと伝えられました」
アジャイルQA体制への移行──スピード感あるリリースに対応するために
2021年6月、freeeに入社した原田。QAエンジニアとしてのキャリアを選んだ理由をこう語ります。
原田 「新卒入社した前職では、自分の適性を理解した上でキャリアを選ぶという方針がありました。
私は他の業務と比べて、技術的な面のほか、他チームとコミュニケーションを取りながら自分の価値が最大限活かせると思い、QAエンジニアの道を選びました」
一方で、小川がカスタマーサポートからQAチームに異動したのは、次のような経緯がありました。
小川 「前職でもfreeeに入社してからもカスタマーサポートを担当してきました。ジャーマネとして、確定申告期の体制づくりのためのベンダーマネジメントに始まり、柔軟性と拡張性のあるオペレーションや組織づくり、新人トレーニング、プロダクトへのフィードバックを担当するチームの構築など、インパクトが創出できるチームに成長させることができました。
QAチームに異動したのは、組織拡大中だったこともありベンダーマネジメントや採用が必要となっていたこと、freeeの中で組織づくりの再現をしたいと思ったことに加えて、プロダクトの品質に課題を感じていたからです。
カスタマーサポートはプロダクトの品質の良し悪しによって負荷が変わってきます。リアルに反響が伝わってくる現場を経験し、サポートを通じてユーザーの辛さや痛みを知ったことで、よりfreeeのプロダクトの品質を向上させたい想いが湧いてきたんです。QAのテストの質を上げることでサポートへの問い合わせが削減できたら、ポジティブなスパイラルが生まれるなと」
原田は入社以降、一貫してモバイルチームのQA責任者を担当しています。取り組んだのは、テストプロセスの変更でした。
原田 「SaaSの重要な魅力の一つであるスピードある新機能のリリースを実現するには、従来のウォーターフォール型のQA体制では対応しきれないという問題がありました。そこでQAエンジニアも開発チームの一員となって一緒にプロダクトづくりをするアジャイル体制に移行する必要がありました。
移行後はQAエンジニアも開発チームの一員としてアサインされ、新機能や新プロダクトの要件定義以降、つまり開発の上流工程からすべてのロールに関わっていくことになりました。プロダクトのことを幅広く知っている特性を生かして、実装前にコードの影響範囲についてレビューの形で指摘したり、開発しながらスピード感を持ってテストを行ったりすることが可能になりました。
QAプロセスを1から作り直すのは大変で、入社してから最も頑張ったことの1つとも言えます」
小川 「各プロダクトの成熟度を考慮したプロセスの制定、メンバーのマインドチェンジなどに取り組み、現在では、各開発チームにQAエンジニアがアサインされることは当たり前になっていて、企画段階から豊富なプロダクト知識とドメイン知識を活かして『マジ価値』を届けきることに貢献できています」
SaaSにおけるQA組織のベンチマークを目指して
入社して1年半が経過した原田。アジャイルQA体制の導入と同じく、入社して最も頑張ったことにモバイルQAチームでの「テスト自動化」への取り組みがありました。
原田「入社前からテストの自動化には興味があり、面接の段階でチャレンジしたいと伝えていました。前職でも取り組んでいたのですが、詳しい人がいなくて、最もフィードバックを欲していた領域でもあります。
自動化にはモバイルチームも含め、QA組織全体で取り組んでいます。Sofware Engineer in Quality(SEQ)チームに、自動テスト基盤の開発をしてもらい、その上で動く自動テストを各QAチームが作っています。SEQチームには自動化の知識に長けているスペシャリストが揃っているので、どのように進めていくか相談しながら、実装できました」
小川「スピード感のある開発を行う中では、アジャイル体制の構築に加え、テストの自動化も必須です。チームを見ながら、普段の業務と並行して自動化のコードを書いて、実装してくれました。
これも原田がfreeeのマジ価値2原則である『ムーブメント型チーム』を体現してくれた一例だと思っています。自分の言葉で語ることで人を巻き込んで、新しい動きを作っていくのは簡単ではないにもかかわらず、入社1年半でここまで来れたのは、原田がfreeeにカルチャーフィットしている証です」
SaaSのQAエンジニアには、必須スキルであるコミュニケーション、そしてリーダーシップ。世の中の流れとともに採用条件も変わってきたと小川は言います。
小川 「freeeでは実装しながら仕様が変わることもあるので、自分から積極的に情報をキャッチして、どんなテストすればいいか、どの仕様はしっかり固まっていないといけないか、曖昧なものを明確にするためのコミュニケーションが必須です。また、プロダクトの品質向上のため開発チームとしての改善を進めるリーダーシップも必要です。
私はジャーマネとして、人材市場にまだまだ少ないコミュニケーションスキルに長け、リーダーシップスキルを持ったQAエンジニアを採用したいと考えていました。アジャイルQA体制の導入を成功させたことからしても、原田は見事に期待に答えてくれました」
freeeのQA組織を支える二人がこれからの目標を語ります。
小川 「変化のスピードが早い現代では、世の中に合わせてプロダクトをアウトプットしなければビジネスチャンスを逃してしまいます。さらにいえば、変化に合わせるのではなく、自ら変化を起こし、社会を変えていく必要もあると考えています。
一方で、BtoB SaaS自体が新しいビジネスモデルであることもあり、SaaSにおけるQAの正解は世の中にまだ存在していないと考えています。
freeeではスピード感のある開発に後押しされ、今までのQAにはないやり方を模索してきました。だからこそ積極的に導入してきたリスクベースドテスト、アジャイル体制、テスト自動化などをどんどん活用して、SaaSのQA確立し、後続のSaaS企業のベンチマークになりたいと考えています。
freeeはミッション『スモールビジネスを、世界の主役に。』を掲げ、プロダクトを通じて社会の進化に挑戦していますが、QA組織が世の中のロールモデルとなることで、起業や組織づくりの参考になることができれば、それも社会の進化やミッションの達成につながると考えています」
原田 「私も同じく、自分自身やチームがSaaS QAのロールモデルになることを目指しています。前例がない分野で挑戦できることは刺激的で、ワクワクしています。
また何事にも挑戦してみることを大切にしているので、QA業務以外にも、社内イベントにも積極的に参加したいと考えています。常に自分の可能性を広げるために、挑戦し続け、自分自身の引き出しを増やして行きたいです」
最後に、採用強化中のQA組織から、freeeで働くことに興味がある方に向けたメッセージです。
原田 「SaaSというサービスの特性上、機能や品質が良くないと継続的に利用されなくなるので、エンジニア全員が品質への高い意識があります。QAから品質向上のための施策を提案し、協力を依頼すると、前向きに対応してくれることが多く、QAエンジニアとして働きやすい環境だと思います」
小川 「入社した原田、面接を担当した私のリアルな意見や、freeeのQA組織の目指している場所は伝わったと思います。アジャイル体制でQAエンジニアに求められるものも少なくないと思いますが、組織も整ってきて、全体的にキャッチアップできるような研修もかなり整備できているので、安心して新しい環境にチャレンジしてください」