1
/
5

漫画の力でリモート下の障害訓練をモチベートせよ

こんにちは。freeeの土佐と申します。

私は CIO(最高情報責任者)として、社内IT全般責任者と、社内ITとプロダクトのセキュリティの責任者を兼務しております。その一環で、危機管理全般も担当しており、会計freeeや人事労務freeeといった、弊社プロダクトを中心とした障害対応訓練を取り仕切っています。

障害訓練をどうモチベートするか

プロダクトを開発・運営している以上、「障害障害訓練をやるべきか?」と聞かれたら、10人が10人やるべきと答えます。しかし、日々忙しく全力で新しい価値を提供すべく頑張っている中、障害訓練という仕事は、準備も本番もそれなりに工数が取られてしまうため、腰が重くなるものです。

当社では、この障害訓練をモチベートするため、いくつかの取り組みを行ってきました。

一つは、10月を障害訓練月間としていることです。

これは関東大震災が 1923年9月1日 に発生したことに由来して、 9月1日を防災の日としていることに倣ったものです。当社では 2018年10月31日に 2時間半も全サービスを停止させてしまう大障害をやらかしてしまいました。この痛恨の体験をきっかけに、様々に品質改善や危機管理体制の強化を行ってきており、障害訓練をしっかりやるということもその一環としています。この記憶を風化させてはいけないと考えており、毎年10月を障害訓練月間として、私が取り仕切る全社訓練以外にも大小の障害訓練の実施を呼びかけて実行されています。

もう一つは、障害訓練期間直前から社内にポスター掲示を行い、訓練実施に向けた意識づけを図ってきました。

こちらがそのポスターです。背景画像にしているのは、日経コンピュータの「動かないコンピュータ」シリーズに掲載された、10月31日の障害の記事です。日経コンピュータの「動かないコンピュータ」シリーズというのは、IT業界では非常に有名で人気のコンテンツなのですが、こういうところに載ってしまうほど社会的責任が大きくなったんだなぁと、身の引き締まる思いを感じたものです。

その気持ちを忘れないようにしよう、というメッセージを込めてポスターを作成し、オフィスの全フロアの扉に貼って周りました。「R1031」というのは、プロジェクトコードのようなもので、これで社内システムで検索すると関係する社内情報にアクセスできるように、検索性も考慮しました。

このポスターを掲示していたのは2019年の話なのですが、当社は2020年3月から全社的に在宅勤務を基本とする体制になっており、オフィス内でポスターを貼っても従業員がそれを見ることがないので、どうしたものかと悩んでいました。

SNS時代のポスターは、毎日漫画だ

freeeでは facebookに類似した社内SNSツールを全社的に利用しており、オフィシャルな社内告知を行ったり、様々な業務的な議論、あるいは雑談などで、活発にコミュニケーションしております。こうして、社内コミュニケーションをSNSで行うようになって久しいわけですが、SNS時代におけるポスターとは何になるんだろうかと考えました。

個人的にtwitterなどを利用する中で、SNSでメッセージを伝えるのに非常に強いと感じている要素が2つあります。

一つは、毎日更新されるということです。日々、様々な情報がタイムラインを流れていく中で、定期的に提供されるコンテンツは、それに対する意識を継続させるのに非常に有効だと感じています。

もう一つは漫画です。私自身が漫画好きということもあって、パッと目に入ってきて、さっと読めて伝わるコンテンツの力をいつも強く感じています。

こうして考えて思い出されたのは、2020年流行した100日後に死ぬワニです。これをオマージュしたコンテンツを作れば、この在宅勤務体制下においても障害訓練の意識づけをうまくできるのではないかと考えました。

無理なく毎日更新できるLEGO4コマ

毎日4コマ漫画をアップするととても良さそう、という考えに至ったところまでは良かったのですが、さて、それをどう実現するのかというところでまた悩みました。

個人的に落書きレベルの絵を描くのは好きなのですが、とても人様に見せられるものでもないし、4コマとはいえ毎日描き続けることができるとはとても思えませんでした。

ところで、小学生の長男が LEGO が大好きで良く遊んでいるのですが、youtube で LEGO を使ったコマ撮り動画を見て自分でも撮りたいと、よく手伝わされます。それで「LEGOで画を作るのはどうだ?」と考えはじめました。さらに、実際にレゴを組んで写真を撮って、、、というのも時間がかかりそうだし、何より子供にいじられないようにするのが大変そうだなと考え、今日びLEGOのCGを簡単に作る手段などないものかと探しました。すると、まさにうってつけの ツール を発見しました。

こうして、ツールを色々検証しつつ、LEGOの4コマ漫画を毎日制作するだけの実現性を確認していきまして。

そうこうするうちに、全社障害訓練予定日までもう1ヶ月も無い状態となっていました。

「16営業日後にやらかすルカワくん」連載開始

100日後に死ぬワニをオマージュすると言いつつ、もう1ヶ月も猶予がない状態だし、休日まで更新するのはしんどそうだなと考え、「16営業日後にやらかす」というなんとも中途半端なタイトルになってしまいましたが、なんとか連載開始しました。

この連載の主人公はルカワくん。当社の社内ゆるキャラに「わカルさん」というのがいて、カルチャー醸成などを担ってくれているのですが、これの裏の性格・役割ということで、逆から読んだところ人の名前になったので、ルカワと命名しました。名作漫画・スラムダンクの流川楓とは無関係なのですが、周辺キャラクタの名前を考える際に、スラムダンク登場人物の名前を使わせてもらいました。

コンセプトは、 freee の人間では取り得ない(取ってはいけない)行動を繰り返すミラーワールドの人物・ルカワが数々のやらかしを繰り広げ、訓練当日にそれが表出し仮想障害の対応訓練を行う、というものです。

例えば、他社も使うオフィスのエレベーターの中で顧客情報をペラペラしゃべったり、見覚えのないメールの添付ファイルを気にせず開いたり...どのやらかしも誰もが一度はうっかりやってしまいそうになったことがあるもので、現実と紙一重の世界線。そうしたやらかしを繰り返していると、やらかしそれぞれでは実害は起きないけど、ハインリッヒの法則よろしく、いつか大きな事故が起きちゃいますよ、というメッセージを込めました。

ここで実際の4コマ漫画をいくつかお見せしたいところなのですが、LEGO社の商標権などの侵害に当たる可能性があり、お見せできません。残念 … !

反響は上々

おかげさまで社内ではなかなか好評をいただくことができました。




啓蒙効果も得られて嬉しい限りです。


障害訓練への導入にも貢献してくれました。


ルカワと言うのが「やらかし」の代名詞としての存在感を得ている場面も見受けられました。


回を重ねていくにつれ、漫画としても多少の上達が見られ、お褒めのお言葉もいただきました。


なんとファンアートを描いてくれる人まで .. !

ワイワイとした雰囲気で障害訓練までの日を送ることができたのではないかと思います。

漫画の力で Hack Everything ★

freeeで大事にしている行動指針の一つに、Hack Everything★ というものがあります。その意味するところは、「取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する。その上で枠を超えて発想する。多くのことは楽しいだけでよりインパクトが大きくなる」というものです。

ここで大事なのは、「取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する」ということだと思っています。子供の頃から漫画が大好きで、漫画の力を深く理解できてたこそ、実現できた取り組みだったと思います。

実際に漫画をお見せできたらすごく伝わったんじゃないかと思うので残念ですが、ぜひこのリモートワーク 環境下でのムーブメントを起こす手段として、検討されてはいかがかと思います。

freee 株式会社's job postings
14 Likes
14 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
If this story triggered your interest, go ahead and visit them to learn more