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テックリード企業であるために──freeeの情シスとGYOMUハックが抱く想い

freeeの社内ITチームは、CIT(情シス)とGYOMUハックで構成されています。こちらのふたつのチームは、他のチームの工数を下げ、業務水準を向上させるために、なくてはならない存在。今回は、それぞれのチームの役割を4人の社員が語ります。

「Hack Everything★」に込められた想い

freeeの社内ITチームは、CIT(情シス)とGYOMUハックで構成されています。

どちらも業務改善をサポートするチームで、CITはハードウェア・IT機器・全社員が共通で利用するシステムなどを担当しています。一方でGYOMUハックが取り組んでいることは、freee社員の業務改善です。具体的にはビジネスサイドの仕事がより効率的になり、成果に結びつきやすくなるように、Web上のツールを駆使してシステムの構築・データ設計・業務設計・業務効率化・課題解決などを行っています。
いずれのチームもfreeeのカルチャーや思想に基づいていると、CIOを務める土佐 鉄平は語ります。

土佐 「 freeeではユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることを『マジ価値』と呼んでいて、『マジ価値を届けきる集団』であることをコミットメントとしています。そのための重要な行動指針として『マジ価値指針』というものがあり、その中のひとつが『 Hack Everything★』です」

これには、取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解することと、その上で枠を超えて発想しようという意味が込められています。また最後につけられた「★」は楽しさを表しており「多くのことは楽しいだけでインパクトがより大きくなったり、生産性が上がる」という想いが込められています。

土佐 「社内 ITチームとしても、ハードウェアや業務上のツールをハックして、 freee自体をテックリード企業にするという目標があります。 freeeのプロダクトを利用してお客様にテック企業になっていただきたいですし、そのためには freee自身がテックリード企業でないといけないと考えています」

freeeを愛するCIT

CITは社内でハードウェア・IT機器などの備品管理・全社員が共通で利用するシステムを担当しています。責任者である木戸 啓太は、登壇などでfreeeのCITを「攻めの情シス」と紹介しています。

木戸 「一般的な情報システム部って、落ちてきた課題を拾ってるところが多いんです。でも freeeは課題を現場から吸い出しに行く。そして出てきたものを整理して反映していくスタイルですね。ネットワーク機器も『これ使ってれば大丈夫だよね』っていうものではなくて、あえて新しいものにしたり、オンプレミスで使っているものをクラウドに置き換えたりしています」

企業がスマートフォンやタブレットを活用する上で、必須の管理ツールであるMDM(モバイルデバイスマネジメント)。そのチョイスにもこだわりがありました。

木戸 「 Macの MDMには jamfを導入し、資格も取りました。とても便利なんですが、これもあまり知られてないんですよね。だから jamfの方や利用している企業さんとのコミュニティをつくって、これから広めていこうとしてます。

一般的に日本企業では MDMは国内企業のものが強くて、だいたい Macの MDMはそれを使うんですけど、 freeeではあえて海外で出た jamfを使って、うまくやっているんです」

このような新たな挑戦は、強い想いに起因しています。

木戸 「常にトレンドや新しいプロダクトをチェックし、 freeeで使えないか考える。それが結果的にみんなの作業を楽にしたり、業務効率化につながったりする。そこに必要なのはホスピタリティだと思うんですよ、言い換えると愛ですよね」

会社やみんなに対する愛情を持って、前向きな気持ちで仕事に取り組んでいる木戸。しかし、その中にも苦労はありました。

木戸 「過去一番難しかったのは、全社で電話システムを入れ替えたことでした。やっぱり全社を巻き込むプロジェクトは大変で。各部署の責任者に協力してもらいながら、半年ぐらいかけてコツコツとやりました。業務が止まっちゃうんで時間をかけないとできなかったんですよね。

入れ替えが終わるとコストは下がり、電話品質は劇的に上がりました。もともとお金払ってでも電話の品質を上げようって意見があったので、やってよかったと思います」

時代とともに移り変わるGYOMUハック

GYOMUハックチームは、マーケティング・セールスなどのメンバーが日々業務で使うシステムの構築や業務効率化などを行っています。そこには時代の変化によって変わってきたものがあると、土佐とMiryは言います。

土佐 「これまでの社内 ITツールは業務に合わせて構築するのが主流でした。社内用のオリジナルのシステムをつくったり、パッケージごと買ってきてカスタマイズしたり。それがフルクラウド時代になる中で、導入したプロダクトは基本的にはそのまま使うスタイルに変わってきたんです。その場合、自社のやりたいことと SaaSのプロダクトが与えてくれることを合致させる必要が出てきます」

Miry 「 SaaSのツールってどれも、こういうふうに使ったらうまくいくよってコンセプトがあるんです。だから、まずはツールの思想や機能を深く理解することが必要ですね。それに合わせて業務の方を寄せていくことも大事です。時には社内の業務を大幅に変えてもらうこともあります」

また、MiryはfreeeのGYOMUハック第一号でした。入社まもなくGYOMUハックとしてセールスと関わるようになりましたが、彼らは目の前のことでいっぱいいっぱいで、ツールの改善に手を回す時間がありませんでした。

Miry 「 GYOMUハックとして、世の中にどんどんツールが出てくる中でセールスのトレンドをキャッチし、 freeeがどう成長していきたいかを見据えながら、システムの基盤をつくってきました。

セールスの方々が開発したツールを実際に使ってくれてたら、やっぱり嬉しいです。社内にどれだけ良い影響を与えたか、インパクトレビューという項目があるんですけど、いい声が上がってると頑張ろうっていう気持ちになります」

最近行った大規模な改善を担当したのは、GYOMUハックチームの田村 真吾でした。

田村「最近の事例でいうと、たくさんのスプレッドシートと某人事評価ツールで行っていた人事評価を、 Salesforce上に実装しました。既存の人事評価ツールの不足しているところを Google Apps Scriptを使ってゴリゴリ開発していたのを、 Salesforceにすることで細々した作業をなくし、ひとつの運用に乗せていくことが可能になりました。 1カ月半ぐらいでやりましたね。

Salesforceにしてからは、業務を変えてもらう必要があったんですけど、それに関してはアナウンスを入れるとすぐに了承してくれました。 SaaSに合わせて業務を変えることの重要性は皆さん理解しているからだと思います」

Hack Everything★の精神はもちろん、freeeの他の部署にも浸透しています。それは、立場やチームはまったく関係なく、あったらいいなと感じるものをパッとつくったり、ちょっとした問題をさっと解決したりするような手段とマインドのこと。知識があるのは前提で、課題の本質を捉えて仮説をつくり、すぐにアクションするフットワークの軽さ、それが根づいている点にfreeeの強みがあります。

社会に貢献する基盤をつくる

Miryはハックしたツールの使い方や仕事のやり方に汎用性があれば、世の中に広く知ってほしいと思っています。それはfreeeのマジ価値2原則のひとつ、『社会の進化を担う責任感』に基づく考え方。

その言葉には『freeeは社会を進化させるべく、世の中を前に進める集団であって、社会の前提を変えるようなことであってもあきらめずに挑戦する。また、世の中を変えうる良い事例は率先してつくる』という想いが込められています。とくに、世の中を変えうる良い事例の共有に動いたのはMiryでした。


Miry 「社外の人の話を聞いてると、自社で使っているツールや仕事のやり方を、外に出したくないような印象を受けることが多いんですよ。でも、私は世の中を変えうる良い事例は、他社といえども教え合ったり、共有したりした方がいいなと思ったんです。 freeeは自社が成長しようというより、みんなで社会を変えていこうという意識のある会社なので、 CITや GYOMUハックの仕事を隠すのは抵抗があったんですよね。

そこで、 GYOMUハックのコミュニティを立ち上げ、『 GYOMU Hackers Night』というイベントを始めました。先月( 2019年 11月)、第 15回目が開催されましたが、お客さんもスピーカーさんも増え、界隈では最大の規模となっています。また別のイベントへの登壇の声などもかかるようになり、次第に GYOMUハック業界も盛り上がってきています」

ITPチームの責任者・土佐はこのようなCIT、GYOMUハックチームの活動を通して、これからのfreeeのために組織のハックにも力を入れたいと述べます。

土佐 「 CITと GYOMUハック、このふたつのチームが頑張ることで他のチームの工数が下がり、業務水準は上がる。社会的にもそういう役割の人は必要だし、たくさんいると思いますが、私たち自身が SaaSを使いこなしているモデルケースになるぞという気持ちはありますね。

また組織自体もハックしないといけないと思っていて、社内 ITチームとプロダクト開発チームの間は行き来できるようにしていきたいんですよね。そこには壁をつくりたくない。そして freeeのビジネス組織を世界最先端に導く ITスペシャリスト集団となりたいですね」

変化の激しいIT業界でfreee自身がテックリード企業となり、社会の進化を担える存在になれるよう「Hack Everything★」し続けます。
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