・プロフィール
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。10年以上にわたって米系ERPベンダーPeopleSoft、Oracle、Inforにて、会計・CRM・SCMなど業務系アプリケーションのセールスに従事。その後、デジタルマーケティングベンチャー業界を経て予算管理サービスDIGGLEを起業。
・新卒の就職活動について
新卒の時は、福利厚生が大事なのかなと考え大企業を志望していました。今考えると浅はかだなと思いますが。一番初めに内定をもらった大手の会社住宅総合建材メーカー現LIXILに入社しました。中小企業の社長さんや大工さんが顧客だったため、作業着のようなものを着て営業を3年ほどしていました。当時のメイン商材は窓サッシでした。自宅のサッシがどこのメーカーかなんてあまり覚えていないですよね。商品で差別化がしにくいので、ひたすら自分を好きになってもらうとか、値段交渉を受けたときの対応とか営業としての基礎体力をつけることができたのは今になっても財産です。
・ソリューション営業が向いていると気づいた
そこからスーツに憧れて、トランスコスモスに入社しました。(笑)その時はコールセンターのアウトソーシングの営業をしていました。あらゆる会社がコールセンターを構築して、業務効率化を図るのがブームでしたね。90年代後半から2000年代前半です。私自身は都銀やネットバンク、ネット証券、通信キャリアを担当していました。ここでは、コールセンターエージェントのスキルセットと人数、ルール設計やスクリプトの設計、お客様から電話がきたらどこにどう繋げるのかといった業務設計、品質担保の仕組み、こういった事業全体を提案できることが大変面白く、自分にはソリューション営業が合っていると確信しました。ピンポイントソリューションではなく、お客様の事業課題を解決するためにお客様の事業課題とコールセンターを構築するという判断に至った背景を知り、その解決に必要な要素を広く考えることが楽しかったですね。また、大手コンサル系の上司に細かく営業資料の作り方を教えてもらったのも今に繋がっています。色合いや数字の組み方など、見やすく論理的な営業資料をつくることを学びました。当時は細かすぎて嫌気がさした時もありましたが、今は感謝しています。
・営業のノウハウを学び、売上1億を1年で達成した時代
そこからは、もっと営業力をつけたい・試したい・稼ぎたいと考え、外資系ピープルソフト(現日本オラクル)に入り、営業のノウハウを学びました。今では当たり前のように、営業のノウハウ、例えばBANT(Budget(予算)・Authority(決裁権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期))というナレッジがあったり、様々な営業手法の本が出版されています。しかし、この時はまだそういうものが普及していなかったのですが、セールスメソッドのトレーニングはとても新鮮でした。周りの方もそういったノウハウを持っている方が多かったです。営業の時にチェックリストのようなものがあり、項目を全て聞くなど営業手法を徹底していました。「漏れのない・みんなが統一できる営業」いうのを学びました。外国からレビューにきた上司に詰められることもありましたね。あー、週明けレビューかと全く休まらない週末を過ごしたりしていました。(笑)また、外資系だったこともあり、実力主義な社風がありました。自ら望んでいた社風だったので、(当時営業力を上げたい・稼ぎたいという想い)今まで学んだことを試行錯誤しながら実行したことが、当時最大だった1億円案件を受注できたり、上司からの無理難題の売上目標や項目を達成した時は、改めて自分に営業力がついたと感じることができましたね。
・自分のキャリアを見直した時期
40歳の手前でキャリアを考えました。外資系で上のポジションを狙うのか営業のプロフェッショナルか?キャリアの見直しのために仕事をしながら夜間のビジネススクールに2年通いました。ビジネススクールのアントレプレナーシップの授業に動画マーケティングの起業家がゲスト講師にこられてこれからの時代は動画のサービスがくるということを聞いて、動画サービスのスタートアップに入社しました。実はこの会社で水上さんと大澤さんと出会いました。
・DIGGLEのサービスを考えたきっかけ
この時営業MGとして予実管理に携わっていたのですが、様々な営業分析に必要な項目の数字を作るのが難しく(顧客訪問件数や受注率など)、予実管理をエクセルに落とし込むのに時間がかかっていました。会議や管理のためにたくさんエクセルで資料を作ったものの、煩雑でどれをどう見るのか、確認するのに時間がかかり、大変苦労しました。本来エクセルを作る時間ではなく、今後なにが会社にとって課題なのか、改善するにはどうすればいいのかという分析の時間に割くべきなのにと考えていました。簡単に予実管理をできるサービスはないかと探しましたが、見つからず、世にないのであれば予実管理のサービスを自分で作ろうと考えました。ちょうど財務会計の領域ではクラウドサービスが大変な伸びを示していたのをみて、管理会計領域でも同じことを実現したいと感じたことが起業するきっかけでした。起業を昔からしたいと思っていた訳ではないのですが、自分が予実管理で苦労したことをきっかけに、色んな会社・人の解決につながるのではないかと考え起業に至りました。