─ コード量じゃない。周囲にどれだけ“安心”を与えているか。
「自分、そんなにコード書いてないけど、チームに貢献できてるのかな?」
あるエンジニアが、1on1でそんな不安を口にしました。
でも、チームのメンバーに聞くと、彼の名前は必ず「頼れる存在」として挙がります。
それはなぜか?
彼は、コードレビューで“動くけど危うい実装”を丁寧に指摘してくれる。
ミーティングでは「本当にこの仕様で大丈夫?」と、立ち止まってくれる。
困っている人がいれば、「今少し時間あるけど、見ようか?」と自然に声をかけている。
そう、彼は“成果”ではなく“信頼”を積み上げていたのです。
チーム開発では、ただコードを書くことだけが貢献ではありません。
むしろ、次のような行動が、チームの安心感や前進力を支えていることが多いのです。
- 誰かが判断に迷ったとき、「一緒に考えよう」と寄り添う力
- 見落とされがちな仕様リスクを、早めに拾い上げる観察力
- 新しく入った人のコードに「いいね」と声をかけるコミュニケーション力
- 少し先のスケジュールや課題を予測して動ける視野の広さ
どれも、GitHubのコミット数には現れにくい“貢献”です。
たとえば私たちのチームでは、「この人がいると安心して任せられる」と思えるかどうかを、ひとつの貢献の尺度にしています。
それはつまり、周囲のパフォーマンスが上がる働きをしているかどうか。
コード量ではなく、チーム全体を前に進める“空気づくり”や“配慮”の力。
それこそが、これからのエンジニアにとって、価値のあるスキルのひとつだと思うのです。
もし、今の自分に“目立つ成果”がないと感じていても、
「誰かを助けた」「先回りして動いた」「少しでも安心を届けた」
そんな小さな一歩一歩が、確実にチームの信頼を築いています。
そしてその積み重ねが、
「この人と一緒に働きたい」と思わせる力になっていくのです。