エーピーコミュニケーションズ(以下、APC)には、エンジニアがエンジニアであり続けるための「キャリアパス」があります。
今回、紹介するのは「エンジニアリングマネージャー職」です。テックリードとして小規模な精鋭チームを技術的に牽引しながら、管理職としてチームのパフォーマンスを最大化させることをミッションとしています。
APC入社からわずか3年でエンジニアリングマネージャーとなり、高い技術力でチームをリードする髙井に「この職を選んだ理由」「仕事のやりがい」「注力していきたいこと」について聞きました。
APCのキャリアパス制度設立の背景や概要は以下でもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
APCだから叶う、エンジニアがエンジニアであり続けるキャリアパス
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髙井 比文(たかい ひふみ) エンジニアリングマネージャー
大学院卒業後、大手製鉄会社に入社。副業フリーランスでのITエンジニア経験を経て、2021年にAPC入社。ITエンジニアとしてのキャリアをスタートする。驚異的な成長スピードで、2024年1月にはACS事業部 DX Enabling部Application Engineeringチームのエンジニアリングマネージャーに。エンジニアチームのパフォーマンス最大化に向け、日々奮闘中。北海道在住(リモートワーク)。
—— 現在の業務内容について簡単に教えてください。
お客様のアプリケーション開発の支援を手掛けるACS事業部 DX Enabling部のエンジニアリングマネージャーとして、クラウド基盤の設計構築を含めたアジャイル型でのSaaSプロダクトの開発を行っています。
主な業務は、「案件マネジメント」と「チームマネジメント」の2つ。「案件マネジメント」では、プレイヤーとして手を動かしながら、社内外の関係者との連携、コード品質の方針策定、コードレビューなどを行い、チームがお客様に提供するものの品質担保・向上を担い、「チームマネジメント」では管理職としてメンバーの労務管理や1on1を通じた技術相談・キャリア開発などを行っています。
——髙井さんが「エンジニアリングマネージャー」を選んだ理由は何ですか。
プレイヤーとして一人で成果を出すよりも、チームで取り組んだほうが大きな成果が出せると思ったからです。
個人的には長時間働くことが苦にならなくて、やりたいことがあるとどこまでも時間を使ってしまうタイプなんです。1人で開発に没頭していた頃もありましたが、当たり前ですが使える時間には限りがあります。2〜3人分ぐらいの業務だったら気合で乗り越えられるかもしれないですが、100人のチームには対抗できないな、と。“1人でできること”の限界を感じました。
APCのこれからの事業構想と成長を見据えたとき、やはり人数規模で戦えるようにしなければと強く思いましたし、そのためにも自分がリーダーとなり、強いエンジニア組織を作りたいと考えました。APCには30人ほどの組織を管掌し、部下育成と事業戦略の実現に向けて、管掌規模拡大をミッションとする「グループマネージャー」という職種もあるのですが、今のチームは5名とそこまでの人数規模ではありませんし、何より自分の技術力も活かしたいということで、エンジニアリングマネージャーを選びました。
——エンジニアリングマネージャーとしてチームマネジメントで重視していることは何ですか?
技術方針の提示や明確なルールの策定など、エンジニアチームをマネジメントする上で大事なことはいくつかありますが、中でも注力しているのは「1on1」です。
週1程度のペースで1回30分~60分、それぞれのメンバーと話をする時間を設けていて、内容の多くは技術相談ですね。「こういうことがしたいけれど、いつも上手くいかない」「ここが難しくて…」という相談に対して、「そのケースだったら、自分はこういう考え方でやって上手くいったよ」「こういう本を読んだら、解決策が得られるかも」といったアドバイスを個別に行っています。
技術指導という意味合いでは、全員を対象にした勉強会といったやり方もあると思いますが、「このコードにつていだけど……」という感じに具体的な事例で勉強会を進めていくと、個人の「ここが足りていない」というスキルの話になってしまいやすいんですよね。それだと当事者も肩身が狭い思いをするでしょうし、私があまり好きな雰囲気にはならなくて。それよりも1on1のような心理的安全性が保たれた空間で、困っていることや上手くいかなかったことを話してもらい、それぞれの悩みを解決できたらいいなと思っています。
——エンジニアリングマネージャーの「仕事のやりがい」について教えてください。
分かりやすく数値で見えるものはありませんが、チームのパフォーマンスが上がっていく手応えを感じられたときです。
先日のことですが、各エンジニアのコード品質に対する意識が明らかに上がっていると感じた瞬間がありました。アプリケーションのコードを書く上では、“メンテナンスをしやすい状態”がとても重要で、その良い状態を維持するには、全員が同じレベルで「方針」や「原理」を理解していないと成り立ちません。メンバー同士が高い視座で「ここはこうしないといけない」「この考え方が必要だ」と議論を交わしている姿を見て、1on1で伝えたことがチーム全体に浸透している感じがしてとても嬉しかったんですよね。私が全てをリードしなくても、メンバーに任せられる領域が広がっていると感じました。
そして、メンバーに任せられる仕事が増えるほど、マネージャーは別の業務に時間を使うことができます。チームが未成熟だとつい後回しになってしまう「緊急ではないけれど重要なこと」に対して、積極的に取り組んでいける。結果として、チームの総合力向上につながっていくと考えています。
——今後、さらに注力していきたいことは何ですか?
「持続性のある組織作り」です。具体的には、全くの未経験で入社したメンバーがスピーディに一人前になれる体制を構築するとか、マネージャーが急に1週間休んだとしても現場は問題なく動いているとか、そういう組織です。
ですから、エンジニアリングマネージャーに求められる力は何か?と問われたら、「仕組み化する力」だと答えます。とはいっても、そこまで難しい話ではなくて「目の前のことを適当に流すのではなく、足を止めて真面目に考えてみる」みたいなところがスタートなのではないかと思っています。
1on1などを通じてチームの状態を正確に把握して、「ここは問題になりそう」「これは解決したほうがいい」という課題を見逃さない。そして、課題の優先順位をしっかり見極めて、解決に向けて一歩ずつ取り組んでいく力をもっと高めていきたいですね。
——エンジニアリングマネージャーに関心を持っている方にメッセージをお願いします。
一般的な話でいうと、マネージャーは大変そうなんじゃないか、責任者として顧客フロントに立つのはちょっと苦手……と考えるエンジニアも少なくないと思っています。かくいう私も同じような気持ちで、お客さんの前で上手く説明できないかもしれない、会社に迷惑をかけてしまうかもしれない、と不安や心配ばかり考えていたんです。
ですが、勇気を出してやってみての感想は、「思っていたのとは違うかも。面白いんじゃない?」でした。なる前に抱えていた不安は、場数を踏むことで徐々に解消されていきました。また、チームのパフォーマンスが上がったり、みんなで取り組んだ案件がうまくいったときにジワジワと湧いてくる達成感がありました。これは、自分がいちプレイヤーとして良いコードを書けたときなどに感じるアドレナリンが出るような達成感との両方が得られ、これはエンジニアリングマネージャーならではだと思います。ですから、自身の技術力を活かしつつチームで大きな成果を出すことに少しでも興味があるならば、不安に感じすぎず、ぜひチャレンジしてもらいたいと思いますね。
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